2021年06月01日(火) |
宝くじという搾取 |
携帯用URL
| |
|
近所のイズミヤにある宝くじ売り場はいつも老人でにぎわっている。老人たちはそこで3000円くらいの単位で宝くじを買っている。売り場には「この売り場から3億円当たりました」というポスターが貼られている。しかし、宝くじの期待値を考えれば買った時にすでに損失が確定してるということに気づかないのだろうか。
オレは宝くじを買わない人間である。そんなもの買うのなら、その分を預金したほうがはるかにマシだと思ってるし、そもそもギャンブルというものはすべて客が負けるような仕組みだからビジネスモデルとして成立するのだと思っている。
もちろん競輪や競馬などは客同士の戦いなので、他の客が負けた分を自分が奪えるという可能性がある。弱いもの同士で食い合って、より弱いものが負けるという仕組みであるから一部の客が勝てる。そこには情報の分析などの知的要素があるのでそうした知恵を働かせられるものがより勝つ可能性が高いということになる。オレの周辺には競馬でかなり勝っている人もいる。そのための努力は実に素晴らしいものであり、「どの馬が勝つか教えてください」などとタダで情報をもらうようなおこがましいことはオレには恥ずかしくてできない。
しかし、宝くじの勝敗に関してはそういう知的要素が入り込む可能性は皆無である。だからこそ何も考えてない馬鹿な老人が買うのである。もしも買う時に高度な知的要素を必要とする仕組みになっていれば今のように売れることはないだろう。
金持ちは株式投資というより確実なギャンブルで資産を増やすことができる。5月は日銀によるETFの買い入れがゼロだったと報道されているが、少なくともこれまでは株価が下がった時に日銀がETFを大量に購入することで株価は支えられていたのである。国は宝くじという仕組みで貧民から搾取する一方、ETFの買い入れという形で金持ちの資産に関しては逆にサポートしていたのである。最初から負けることが組み込まれている宝くじと、八百長で勝てるようにしている株式投資を比較した場合、オレのような卑怯な人間がどちらを選ぶかは明らかだろう。
この世には貧民をさらに貧しくする仕組みがたくさんある。宝くじ以外にもパチンコ屋とかFランク大学とか、貧民を搾取する装置はたくさん用意されている。Fランク大学に進学する学生の家庭の平均収入は国民の平均をかなり下回る。親が学費を払えないので奨学金を受ける学生も多い。Fランク大学を減らせば、学生はもっと勉強してまともな大学に進学するか、あるいは早く就職するために専門学校に進学して手に職をつけようとするかということになる。少なくとも奨学金を抱えたままFランク大学を卒業してニートになるという悲劇は避けられる。
この搾取の構造を早くみんなに気づかせないといけない。この構造を利用している連中を我々は排除しないといけない。小泉純一郎が唱えた構造改革の核である新自由主義というのは、こうした状況をさらに加速させる装置であることを我々は知る必要があるのだ。
Fランク大学の教授陣には天下りの官僚や政権とつながりの深い御用学者がたくさんいる。彼らは労せずして大学教授という肩書を持てる上に学生は馬鹿ばかりなので実に扱いやすい。政権に近ければ泥棒でも教授になれるのである。そういう大学には「ニート生産所」とか「馬鹿養成スクール」の称号を与えるべきである。
←1位を目指しています。
前の日記 後の日記