2021年01月03日(日) |
県札の発行許可を! |
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江戸時代、各藩は藩内で流通する貨幣の不足を補うために「藩札」というものを発行した。藩札の多くは兌換紙幣であり、銀1匁などと記載されていてその正貨との交換が可能だったのである。そもそも藩札を発行する理由が藩の財政的窮乏であったために、兌換用の正貨がちゃんと準備できてるわけもなく、藩札の発行しすぎでインフレに陥る藩も多かったのである。
さて、この「藩札」だが、もしも現代に「県札」というものを導入して、その都道府県内だけで流通を許されるという地域通貨を発行すればどうだろうか。商品券のようなものではなく、通貨として流通させるのである。自動販売機には通らないので対面販売の店でしか使えない。キャッシュレス社会の今の流れには逆らことになるが、現金として流通させることと銀行に預金できないということになればそれこそババ抜きのジョーカーのようにみんなすぐに使って他者に押し付けあうだろう。実はそれが狙いなのである。
経済活動が活発で景気がいいということはどういうことか。それはお金が短時間でいろんな人の間を移動することである。1万円のお金を一人が一週間持っていても意味がない。ところがその1万円をすぐに散財し、そのお金を受け取った店はすぐにその1万円を使うという形にすればいいのである。
この地域通貨である「県札」は有効期限を定めておけばいい。偽造されないように精巧な作りにする必要はあるが、3年くらいの期限を定めて最終的には県庁で期限切れの県札に額面の金額を支払うようにすればいいのである。結果的に都道府県は無利子で借金(県債の発行)をすることが可能になるわけだ。公務員の給与の一部を県札で支給という形にしたり、県発注の工事代金の一部が県札で支払われるということにして流通させるのである。
オレの憶測だが、おそらくかなりの額の県札は使用されずにそのままコレクターの手にわたるだろう。また、日本中の県札を全部集めるなどという猛者も出てくるだろう。もちろんそういう酔狂な御仁がいても何も問題はないのである。
給与の一部を振り込みではなく県札で受け取ることを選んだ人にはなんらかの特典を与えればいい。極端な方法としては県札で受け取った分は課税対象から控除できるとかである。上限を収入の10%以内ということにして制限して歯止めを掛ければいいだろう。
地域通貨としての「県札」を発行することは、公明党のよく主張する割引した商品券を発行することとどう違うのか。商品券は一回買い物をすれば終わりだが、県札なら何度も何度も使用されることで景気回復に役立つわけで、何倍もの経済効果があるのだ。
インフレに誘導する方法として「政府貨幣」という形が以前に検討されたことがあったという。それは実現しなかったが、まさか「県札」というアイデアを思いつくような酔狂なオッサンはそんなにいないだろう。
コロナ下の経済対策として「国がゼニを配ってくれないのなら、我々が配る!」という知事が出現しないだろうか。「財源がないのならゼニを作ればいい。だって国もそうしてるじゃないか。」「県札を県民に1兆円配れば県民が1兆円分豊かになる」という破天荒なことをする知事が出てくれば面白いのである。いっそのこと変動相場にして、県札の方が円よりも価値があるなんていう自治体が出現してほしいのである。
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