2020年07月08日(水) |
理科教育の不備について |
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中学生程度の理科の知識があれば、そんな危険なことは絶対にしなかっただろう。それは7月7日、七夕の神戸市で起きたのである。神戸市長田区川西通1丁目の路肩に止まった軽乗用車内で「男性2人がぐったりしている」と通行人から110番があったという。その軽自動車にはドライアイス約300キロが積載されていたのである。
この二人は製氷会社の配達員で、軽自動車は窓を閉めた状態で停車していたという。大量のドライアイスを積んだクルマが窓を閉めていればどうなるか。そんなこと中学生でもわかるだろう。意識不明で見つかった二人の男性はCO2中毒と低体温症だったということである。幸いなことに病院に搬送された二人は回復傾向にあるという。
密閉されたクルマの中にドライアイスを積んでいるとき、オレは常にビビっている。大量のアイスクリームを買い込んで、ポリ袋の中にドライアイスを噴射してからクルマで持ち帰る時、二酸化炭素が袋から漏れて車内に充満してしまうことが怖い。それで時々窓を開けて換気しながら運転するのである。わずかな量のドライアイスでさえオレは気を配ってるのだ。300キロもの大量のドライアイスからCO2が気化したらどれほどの体積になるのか。想像するだけでも恐怖なのである。CO2の分子量が44なので1モルは44グラムである。300キロなら0度1気圧としてどれくらいの体積になるのかなどとオレは計算したくなるのである。高校の時に化学が得意だったオレは、その面倒な計算のために当時は高価だった電卓を買ったことを思い出した。
理科の知識は大切である。シンナー吸引遊びをする奴等は基本的に学校のお勉強が苦手な人たちだが、喫煙率も高い。なぜかシンナーを吸引してる時も突然タバコを吸いたくなる物好きがいるのである。まあ自業自得だからいくらでも吸わせてやればいいのである。
自転車のパンク修理に使うゴム糊にはシンナーに近い成分が含まれていたようで、オレがよく出入りしていた桃谷のサイクルショップには近所のDQNがゴム糊を買いに来ていたことを思い出す。きっと代用品として使っていたのだろう。シンナーを吸引する連中は歯が溶けてるから一目でわかった。そういうDQNと関わるとろくなことがない。
振り込み詐欺にひっかかることも、もしかしたら「無知」の産物かも知れない。「海外の宝くじで50億円当たりましたから手数料で100万円払ってください。」と言われて本当に払おうとするのは馬鹿である。
教育者の端くれであるオレには生徒に正しい知識を与えて卒業させるという義務がある。ただ、そうした努力を空しくするような場面に遭遇することが増えてきた。そろそろオレも足を洗う日が近づいてきたのかも知れない。
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