2020年06月04日(木) |
有名大学のリスク |
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大学と学生は別である。慶應義塾大学の学生が全員ブルジョワというわけではないし、京都大学の学生が全員変人というわけでもない。貧乏人の慶大生もいるだろうし、京大にも常識人はいる。そういうわけで大学をブランドとしてひとくくりにすることはできないのだが。そうではないのが新聞報道である。
以前に女を虐待した阪大生ホストのことがニュースになったことがあるが、もしもそいつが阪大ではなくてFランク私大なら、きっと報道時に「私立大学生」と書かれたはずである。阪大であるということはニュースになるが、世間が名前を知らないようなFランク私大生がホストであろうとヤクザであろうと、そういうことに対して世間は無関心なのである。しかし阪大生ならそれはニュースになるわけだ。
有名大学に通うことのリスクはそこにある。うっかり京大や阪大に入ってしまったことで、下着泥棒とか痴漢とかですぐに名前が報道されてしまうのである。もっとも下着泥棒でもいまは国会議員になれるわけだし、学歴詐称も議員の中にはたくさんいるし、確かめようのない海外大学を首席で卒業したなどと吹聴する輩もいるわけで、どうしてそんなウソをつくのかと思うが、まあコンプレックスを抱えた本人にとっては大事な問題なんだろう。
犯罪行為をしたときその容疑者の出身大学の偏差値が高ければ高いほどニュースとして価値がある。東大生の万引きはニュースになるが、名もない大学の学生が万引きしていることはおそらく日本中で発生しているわけでいちいちニュースにもならないのである。
偏差値の高い大学を出て、そして社会的地位の高い職業についていれば当然のことそれを失いたくないわけで、つまらない犯罪でそれを失うような馬鹿なことはしない。ところがニート養成所みたいな大学を出ていてフリーターになった場合、失うものなどなにもないので密輸のお手伝いや痴漢や盗撮といった犯罪をする人が出やすいといえば偏見が過ぎるだろうか。
もう30年以上前に大阪のとあるFランク大学の学生が、クルマからエアガンで人を撃つという事件を起こして新聞にはその大学名が出ていた。それで進路指導部の教員だった私はその大学の関係者に「あの学生にはどんな処分をしたのですか?」と尋ねたことがある。すると「もう大学を辞めてました」という答が返ってきた。そういうことで名前を出される大学も不幸だが、そういう幼稚犯のせいでおそらく世間の人たちはその大学の学生全員がDQNだと誤解しただろう。実際には全員がDQNということはなく、ただ傾向としてDQN率が高いというだけである。
こういうことを書くと必ず「東大京大にもDQNはいる!」と反論する人がいるが、その反論は全く的外れである。東大京大に入学したという時点ですでにDQNではないからである。DQNの定義は「低学力」「低モラル」「低収入」であり、どれか一つでも当てはまらない場合は非DQNなのである。
一流の大学に在籍しながらも世間的にちょっとヤバい仕事に手を染めている人たちにオレは言いたい。早く足を洗えと。つまらないことで小銭を稼ぐことができても、バレたときに失うものが大きすぎるのである。
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