2019年11月29日(金) |
今マンションを買うのは馬鹿 |
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中古マンションの価格がどんどん下がっている。人口は減少していくのに、新築マンションはどんどん供給されるわけで、需給関係で価格の決まる中古マンションが値下がりするのは当然である。それなら新築も下がってくれてもいいと思うのだが、新築マンションの場合は土地価格や高騰する資材価格、そして建設作業員の労務費なども人手不足で高騰しているので、新築マンションの価格はどうしても下げられずに高止まりしている。それを支えてるのは「新築信仰」みたいなものである。
中古マンションの値崩れが進むとどうなるかというと、これまでそうした物件を買えなかったような貧しい人たちまで購入するわけである。買うゼニはあってもそのあとの面倒まではみられない。当然のことながら維持管理に必要なお金を払えない人や、最初から払う気もない人もいるわけである。買った中古マンションに対する思い入れもない。そういうわけでどんどんスラム化していくのだ。
管理組合がきちんと機能しているマンションはどれくらいの割合なのだろうか。そういう機能を失った放置マンションがこれからどんどん増えていくし、建て替えなんて負担に住民が耐えられるわけでもない。
越後湯沢ではバブル期に開発された大量のリゾートマンションが今は「負動産」となって、管理費の滞納などがどんどん積もっていき、そのまま捨てられている物件が多数ある。持ち主はゼニを払ってでも処分したいわけで、その結果、ゼニを受け取って区分所有権を手に入れる怪しい業者が登場しているが、こいつらがきちんと管理費を払ってマンションを維持してくれるかというと全然そんなことはない。放置してトンズラするだけである。区分所有権をぺーパーカンパニーにうつして、その会社を倒産させればOKである。最初に受け取ったゼニはそのままフトコロに入れてしまうのである。
じゃあマンションが欲しい人はどうすればいいのだろうか。オレが勧めるのは5年〜10年で引っ越ししていくという、ヤドカリ型居住術である。家族の必要とする広さはそのときどきで変わる。それに合わせて住み替えていけばいいし、老朽化してスラム化する前の健全な状態で高値転売を繰り返していくというのが望ましいと思うのだ。
オレは戸建て住宅に住んでいて、その便利さも不便さもどちらも認識している。とにかく冬は寒いし、掃除するところは多く、家はあちこち補修しないとどんどん壊れていくしとにかく大変だ。もちろん死ぬまでここにいる気はなくて、適当なところで街の賃貸住宅に移るつもりである。クルマだっていつまでも乗れるわけでもない。そうなったときにどこで暮らすかと言われればやはり都会である。
スラム化する老朽マンションをどうするのか。国も行政も何の対策も持っていない。オレは以前に「分譲マンションは詐欺ビジネスだ」とこの日記で暴論を書いた。その考えは今も変わっていない。その詐欺ビジネスを法律で規制することもできないし、新聞広告の中で新築マンションの宣伝というのはかなりの部分を占めている。電通のような広告屋にしてみれば、マンション広告の売り上げは莫大なんだろう。
所有することがリスクであるマンションをオレは買うことはない。ただ、適当な値段で賃貸されているものに関しては、仮住まいする可能性がないとは言えない。その賃貸の家賃も今はまだ高すぎるのである。
市場の論理が不動産にも適用され価格破壊が起きたとき何が起きるのだろうか。もちろんその時は株価も暴落して日本経済は壊滅的な状況に陥ってるだろう。もっともオレの寿命も尽きてる可能性が高いのだが。
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