2019年02月19日(火) |
肉食ってガンバレ! |
携帯用URL
| |
|
新宿で焼き肉店4軒を経営する「ファクト」という会社が、奨学金ならぬ奨学肉という制度を導入したことで話題になっている。一日一食、焼き肉が食べ放題になるのである。この「奨学肉」、お金ではなくお肉で支援する、返済のいらない奨学制度なのである。なんとすばらしい企画だろうか。オレはこの会社の姿勢を応援したいのである。
「奨学肉」を受給できる学生は、学業成績ややりたいことへの意欲が審査基準になっているそうである。ただ、経済的困難な学生は優遇しているそうだ。まじめに勉学に励むためにあまりアルバイトもできない学生にとって、一日一食しっかりと肉を食えるというのはとても価値がある。
「食べる」ことはすべての活力につながる。悲しいときもおなかがいっぱいになれば少し幸せな気分になって悲しみも忘れられる。失恋した女の子がスイーツのやけ食いをするのはそういう理由からである。
ただ、この仕組みについてオレが疑問に思うのは、友人と二人で食った場合である。「奨学肉」を受給している学生と、一般の学生が二人で焼き肉を食った時はどのようにお勘定するのだろうか。一枚の伝票で、どっちが食ったのかというのは分けられないわけで、そうなるとこの仕組みはあくまで「一人焼肉」を前提としたシステムであるといえる。
自分の大学生活を応援してくれた店には就職してからも通うだろう。そうなると未来のお客さんをGETする仕組みであるともいえる。
東京で大学生が親元を離れて一人暮らしするのは大変である。金銭的な負担を考えて志望校への進学を断念し、あきらめて地元の大学に進む者も多いだろう。早稲田や慶応義塾、そして東京大学の入学者に首都圏の者が圧倒的に多いのは、物価の高い首都圏への進学が地方出身者にとっての重荷になっているからである。
もちろん大学の方でも地方出身者を増やすための戦略を考えている。たとえば慶応義塾大学では「学問ノススメ奨学金」という制度があって、審査をパスした地方出身の優秀な学生が入学試験に合格すれば、年間60万円の奨学金を貸与ではなくて給付するという仕組みである。オレが担任した生徒の中にもこの制度を使って慶應義塾大学から奨学金を受けた者がいる。年間60万円支給されるのなら、国立大学との授業料の差を埋めることができる。また、入学試験に合格しなければこの制度は利用できないわけで、慶応義塾はこの制度を導入することで優秀な受験生の囲い込みをはかっているのである。
外食産業がこの「奨学肉」のような制度を導入することは、企業のイメージ戦略にも大いに役立つ。ぜひともこのような企画は広まってほしいのである。「奨学肉」いがいにも「奨学うどん」「奨学ラーメン」「奨学マグロ」などのネーミングでどんどん似たような制度が増えればいいのだ。
ただ、納豆が嫌いなオレは「奨学納豆」という制度があっても絶対に利用しないと思うのである。嫌いなものを一年間食わないといけない苦しみを与えるという制度なら笑ってしまうのである。
←1位を目指しています。ちょっと下がってきて焦っています。
前の日記 後の日記