2018年06月11日(月) |
梅田さんは真の英雄である |
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誰かを守るために命をかけることほど崇高なことはない。そして自分を守るために誰かを犠牲にすることや自殺に追いやることはクズのやることだ。新幹線で女性にいきなり切りつけたクソニートに対して、堂々と立ち向かって犠牲になった梅田耕太郎さんこそ、真に国民栄誉賞に値するのではないか。どうしてJR東海の社長や安倍首相はその行為をたたえないのか。もしも梅田さんがいなかったらどれだけ多くの人命が失われたことか。オレはその英雄的行動をたたえたいのである。そして、もしもそれが自分の息子だったら、おそらく逃げて助かることの方を望んだはずである。三浦綾子の小説「塩狩峠」で永野信夫は暴走する列車に前に身を投げ出して止めて乗客の命を救った。婚約者のふじ子は信夫の亡くなった場所で泣き崩れる。梅田耕太郎さんの家族の気持ちを思うと、オレはどうしても小説のこの場面を思い出すのである。
梅田さんが身を挺して戦ったから他の乗客は逃げ切ることができた。これが事実であるのに「立ち向かったから殺された」という心ない発言をする人がいる。犯人には弱いものを傷つけようという明確な意思があった。だからこそ梅田さんは戦ったのである。誰がその勇気ある行為を批判する資格があるのか。
JR東海の社長は乗客の命を救ってくれたその行動に対して最大限の礼をもって即座に梅田さんの家を訪問して弔意を示すべきではなかったか。もちろんJR東海にはなんの責任もない。しかし、梅田さんの行為に対して感謝の気持ちを表明すべきではないのか。
もしもアメリカで無差別テロが起きて、そのテロが誰かの英雄的な行為で防がれたならば、きっと大統領がその英雄をたたえる発言をするだろう。しかし日本ではそんなことが全くない。オレはそれが納得できないのである。梅田さんの自宅前に集まったのは報道関係者だけだったという。
日本にはヨーロッパやアメリカのような無差別テロはないと言われる。しかし秋葉原にトラックで突っ込んだ事件や、下関駅に突っ込んだ事件など市民による無差別テロは日常的に起きている。どうしてそんな事件が起きるのかということは検証されてないが、事件を起こすヤツらというのはたいていがサイコパスやクソニートである。
社会が豊かならばまだクソニートの存在を受け入れる余地があった。そういういわゆる「ごくつぶし」でさえも、一家の中に居場所があったのだ。しかし、大企業だけがもうかるような世の中の仕組みの中で労働者の平均賃金は世界の先進国の中で日本だけが下がり続けた。さらに自民党は「定額働かせ放題」法案の成立を目指している。非正規雇用者の立場はどんどん弱くなる。5年非正規で働いたら無期雇用に転換するという雇用契約法の改正は、5年経つ前にみんな解雇されてしまうという結果を生んだだけだった。労働者を大切にしない世の中はこれからどこに向かうのか。
一人のクソニートが、東京大学の大学院を出て研究職についている輝かしい未来を持った大人の命を奪った。このことの社会的損失は計り知れない。
日本はこれからどんな世の中を目指すべきなのか。どうすればどんどん増えているこのクソニートという存在を減らせるのか。
働かず、学校にも行かず、社会に対して文句ばかり言いながらゲームばかりしてるクソニートにベーシックインカムを与えることが解決ではないとオレは思っている。そういう人間を作らないために必要なのは教育を変えることである。しかし、その教育の世界もまたどんどん予算が削られ、その一方でやくざが支配してるようなクソ大学には多くの補助金が支給されるのである。
今の多くの政治家にも企業経営者にも、世の中をよりよくしようという見識も志もない。そういう世の中だからこそ、新幹線で無差別に人を殺そうとするクソニートが出現したのかも知れない。どうすれば今の日本の閉塞状況を変えられるのか。
残念ながらそんなことを考えてる政治家はいない。みんな目先の選挙と自分の利益のことだけである。国会の圧倒的多数を背景に参院議員の定数増なんてことを自民党が言い出した。「あほか!」とオレは言いたいのである。オレは自分の無力さが悔しいのである。
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