2016年11月17日(木) |
「聖者の行進」を覚えてますか? |
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かなり前のドラマだが、知的障害者への虐待をテーマにした社会派の「聖者の行進」というドラマがあった。酒井法子が出ていたということで今はお蔵入りになってしまっていて、レンタルDVDも並んでないと思うのだが、ネット上には違法動画の形であるかも知れない。脚本は野島伸司で、「高校教師」などのヒットで勢いがあった頃の作品である。そのような虐待は過去のことだと思っていたが、韓国で昨年だったか、知的障害者を奴隷のように酷使していた塩田の事件があった。日本ではこんなことは起きないだろうと思っていたら、そんなことはなかった。熊本県での事件のことを西日本新聞の記事から引用しよう。
知的障害者施設で虐待 暴言、使い込み横行 天草
2016年11月16日 03時05分
熊本県天草市の知的障害者の入所支援施設で、職員が利用者の所持金を使い込んだり、差別的な発言や襟首をつかむ虐待をしたりしていたとして、県が障害者総合支援法に基づく改善指導をしていたことが15日、分かった。昨年8月にも虐待があったと認定され、指導を受けていた。県は「改善勧告や措置命令などの重い処分ではない」との理由で、いずれも公表していない。
県が虐待を確認したのは、社会福祉法人啓明会が運営する「苓山寮」と「第二苓山寮」で、利用者は計90人。県が情報提供に基づき、今年6月と9月、両施設に立ち入り調査した。
県や施設によると、50代の女性職員が利用者の代行で買い物をした際、私物を購入したり、品物を横領したりしていたのが今春、発覚して解雇された。別の職員たちも襟首をつかむ虐待のほか、「ばか」と暴言を吐いたり、嫌がる利用者に「山に連れていこうか」と言って怖がらせたりした虐待が確認された。県は、施設では過去にも利用者の預かり金の紛失が数件発生するなど、不適切な金銭管理を確認したという。
県は施設側に、12月までに具体的な再発防止策などを示した計画書の提出を求めている。両施設の飽田一夫施設長(67)は西日本新聞の取材に「昨年、県の指導を受けて職員の研修をしてきたが、こういう事態になり、利用者に申し訳ない」と話した。
=2016/11/16付 西日本新聞朝刊=
このような施設で働く職員の全員が、入所者のことをよく理解して献身的に働く立派な 方々であるというのは幻想で、どんな職場にも問題のあるヤツは居る。警察官が殺人事件を起こしたり小学校教頭が盗撮で捕まったりする世の中である。だからこのような事件が起きてもオレは少しも驚かない。」
県からの立ち入り調査というのもどうせ形式的なものなのだろう。県にとっては「調査を行った」という形式だけが欲しいわけで、実際に問題を解決したいわけではない。「放置していたわけではない」ということなのだ。公務員というのはそんなものである。仕事をしてないわけではないけど、仕事をするわけでもない。オレは以前に公立学校に勤務していたことがあるのでそうした公務員気質はよくわかる。
しかし、虐待されたりしている入所者たちにとってその地獄の様な日々がいつまでも続くのは耐えがたいことである。オレが不思議に思うのは、施設の職員の中にまともな人がいないのかということなのだ。正義感のあるまともな職員が居れば、虐待も使い込みもすぐにやめさせることができただろう。それがなかなかバレなかったのはなぜかというと、それを容認するような空気が施設の中に存在したか、あるいは内部告発させないような何らかの締め付けがあったのではないか。
少し前に神奈川県で障害者施設が襲われて多くの犠牲者が出る事件があった。程度の違いはあっても共通するものは同じである。今回の熊本県の事件はもっと重い罰を与えることが適当であるとオレは思っている。
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