2016年10月22日(土) |
台湾と日本、どちらが地震国なのか? |
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日本同様に地震の多い国である台湾は、なんと民意を反映して2025年までの原発全廃を閣議決定したのである。朝日新聞の記事を引用しよう。
台湾が原発全廃へ 福島第一事故受け、25年までに停止
台北=鵜飼啓 2016年10月22日21時03分
台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権が2025年に「原発ゼロ」にすることを決め、行政院(内閣)は、再生エネルギー事業への民間参画を促す電気事業法の改正案を閣議決定した。太陽光と風力発電を中心に再生エネの割合を20%まで高めることを目指す。東日本大震災後の反原発の民意を受けたもので、改正案は近く立法院(国会)で審議に入り、年内の可決を目指す。
世界的にはドイツが2022年までの原発全廃を決めるなど、欧州を中心に脱原発の動きがある。一方、増える電力需要に応えるため中国やインドが原発を増設させており、アジアでは台湾の取り組みは珍しい。
改正案は20日に閣議決定され、6〜9年かけて発送電分離も行う。蔡総統は「改正は原発ゼロを進め、電源構成を転換する決意を示すもの」としている。
台湾では原発が発電容量の14・1%(15年)を占め、現在は第一〜第三原発で計3基が稼働中。だが、東京電力福島第一原発の事故で台湾でも反原発の世論が高まり、原発ゼロを公約に5月に就任した蔡氏が政策のかじを切った。台湾も日本と同様に地震が多い。稼働中の全原発は25年までに40年の稼働期間満了となる。同法改正案では25年までに全原発停止と明記し、期間延長の道を閉ざす。
日本では未だに電力会社の献金を受けた連中が暗躍し、原発維持のためにしぶとく抵抗している。かつて地域独占でCMなんか流す必要のない電力会社が、原発PRのCMを流し続け、巨額の広告料を「電通」を通してマスコミにばらまいて支配力を強化していったことを忘れてはならない。そのゼニの奴隷となった連中が、今は政府の中枢や御用学者、そして大企業のトップなどあらゆるところに存在するのである。だから日本では原発をやめられないのである。
しかも事故が起きても電力会社はなんら責任を負わなくてもいい。今回の福島原発の事故でも同様である。「想定外」と言えばOKなのだ。先日の大雨で流れ込んだ水で配電盤がショートして一部の電源が失われた志賀原発も「こんなことは想定外だった」というお決まりのセリフだった。今に小学生までも言い訳に「想定外」と答える様になるだろう。交通事故で加害者が「想定外でした」と言えば免罪されるのだろうか。
東日本大震災が「1000年に一度」の想定外の規模の災害だったとして、それは「あと1000年はこんなことが起きないから安心」という意味では決してない。もしかしたら明日、今度は1万年に一度の規模の巨大噴火や地殻変動が起きるかも知れないのである。その時にあきらめて「人類滅亡」という選択肢を選ぶのか、あるいは少しでも立ち直って再生できる可能性を残しておくのかは大変重要だとオレは思うのだ。
政治家は目の前のことしか考えない。連中は「次の選挙で勝てるかどうか」しか考えてないし、その「政治」というのは人々の暮らしをよくするためのものではなくて、自分やその支援者がいかにゼニを手に入れることができるかという効率的なシノギの一つでしかないのである。そんな連中が日本の政治を支配してるのだ。志のある人などごくまれなのである。ほとんどの議員が政務調査費をごまかしていた富山市議会なんかを見ればよくわかるだろう。年俸1700万円という東京都議会では、そんなに高額の報酬をぼったくっていながら、さらに議会に出れば日当が支給されるのである。もしも都議会が無給のボランティアによって運営されてるのなら、「来てもらった日には日当を支給します」というのもわかる。しかし、日本一高額の報酬を受け取る地方議員でありながら、しかも日当を支給されてるなんてふざけるなと言いたいのである。それで平気な連中が「政治家」なのである。このように常識が欠落し、自分たちを特権階級であると錯覚してる連中にどうして民意によりそった政治ができるのか。そんなこと無理に決まってるだろう。
原発の全廃を決めたら原発の関係者が即座にメシが食えなくなるかというとそういうことではないのである。廃炉というのはかなり時間の掛かる作業であり、今度はそのための新しい工夫やアイデアを必要とするだろう。そして海外の廃炉のためにその技術は輸出されるべきものとなるだろう。どうしても新規建設がしたかったらインドや中国に行けばいいのである。そこではこれからも多くの原発を建設する予定がある。そこで「安全」な原発を作ってくれればいいのである。
台湾の決定を日本の政治家はどう思ってるのだろうか。どうして日本の選挙は原発を争点にしないのか。今ここで野党が「反原発」でまとまって自民党に乾坤一擲の戦いを挑んだら、もしかしたら勝てるかも知れないのである。ただ、そんなことは無理である。なぜなら野党第一党であるはずの民進党の連中には原発マネーに支配されたクズどもが多数居るからである。日本の政党の中ではっきりと「反原発」を打ち出してるのは共産党と社民党しかない。その二党だけではとても自民公明相手に戦うのは無理だ。そういうわけで日本の原発政策は本質的には福島原発事故以前も以後も全く変わらないのである。もう一度巨大事故が起きないと「原発から撤退」という決定はできないだろう。しかし、もう一度その事故が起きてしまうということは、すでに取り返しのつかないことになってるということだし、そうした事故を防げない日本という国家が世界中から「ダメな国」の烙印を押されても仕方がないのである。
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