2016年04月06日(水) |
裁判官はなぜ悪の味方なのか? |
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中学校の公民の授業で「三権分立」ということを習った。司法、立法、行政の3権が独立しているからこそ、政治というのは正しく行われ世の中の秩序が成り立つのであると。しかしどうもそうではないようである。高知白バイ事件の訴訟では裁判所と警察が八百長をしていたことが明らかになった。そして今起きているのは原発の安全性に対する住民の訴訟提起である。
高浜原発の再稼働の差し止めを命じた福井地裁の樋口英明裁判長は、東日本大震災の原発事故を踏まえて「10年足らずの間に各地の原発で5回にわたって想定を超える地震が起きたのに、高浜原発では起きないというのは楽観的な見通しに過ぎない」と指摘した。、福島第一原発事故後に定められた原子力規制委員の新基準についても「緩やかにすぎ、合理性を欠く」と判断し、政府の原発政策に根本から異議を唱えたのである。
しかし、樋口英明氏はその後名古屋家庭裁判所に異動させられた。高裁への栄転ではなくて家裁への異動は、政府の方針に逆らった判決を下したことへの懲罰的な降格人事としか思えないのである。そう、裁判官が正義を貫こうとしても、そこには別の壁が存在するのだ。正義を貫こうとするまじめな裁判官ほど出世できず、政府や大企業の味方をする裁判官はどんどん出世したり、好待遇の天下りを手に入れたりするのである。だから裁判官は正義なんかどうでもよくなるのだ。しかし、原発再稼働にGOサインを出した裁判官がその後で電力会社や関連企業に天下りすることは、一種の「事後収賄」ではないのか。
「週刊金曜日」2011年10月7日号では司法関係者の原発企業天下りが紹介されている。
・野崎幸雄(元名古屋高裁長官) 北海道電力社外監査役
・清水湛(元東京地検検事、広島高裁長官) 東芝社外取締役
・小杉丈夫(元大阪地裁判事補) 東芝社外取締役
・筧栄一(元東京高検検事長) 東芝社外監査役・取締役
・上田操(元大審院判事) 三菱電機監査役
・村山弘義(元東京高検検事長) 三菱電機社外監査役・取締役
・田代有嗣(元東京高検検事) 三菱電機社外監査役
・土肥孝治(元検事総長) 関西電力社外監査役
このような実態が存在することをどれだけの国民が知っているだろうか。そしてその実態を知ったとして、我々には何ができるのか。
世の中とは理不尽なものであり、国民というのは大企業や政府に搾取されるばかりの弱者であり、正義なんてものは空しく、裁判官も検察官もゼニで簡単に転ぶという真実を知ったとして、それを声高に訴えてもそんな叫びは取り上げられることもなく黙殺され、 もしかしたら政府に都合の悪い人間としてこっそりと始末されるかも知れない。それが残念ながら日本の現実なのだ。
樋口英明裁判長の後に福井地裁にやってきた林潤裁判長は、大飯原発の3、4号機を再稼働しないよう求めた住民の申し立てについて退けた。樋口裁判長が下した決定について控訴審で審理が継続されている最中のことである。この結果として高浜・大飯の2つの原発の再稼働はほぼ決定的となったのである。
裁判官の人事はいったいどこで決まるのだろうか。法務省は常に権力に逆らう判決を出した正義の裁判官に対して報復人事を行う。行政訴訟で住民を勝たせた裁判官は必ず左遷される。だから裁判官は政府の意向に逆らわないように無難な判決を下すのだ。そうして正義を捨てて捨てて捨てて、最後にたどり着けるのが最高裁判所なのである。いやはやそんなゲスな仕組みが日本の司法制度なんですよ。オレのようなオッサンから見ればそれこそそんな人事を認める法務大臣を即座に死刑にしてくれよと思うのである。
こんな腐った世の中を変えなければならないというまともな政治家はいないのか.汚職や政治腐敗の温床である天下りを全面的に禁止することがなぜできないのか。
原発事故は必ず起きる。地球の過去の歴史の中に確かに起きていた大規模な地殻変動に直撃されれば、たかだかマグニチュード8〜9程度の地震しか想定していない原発は一瞬にして破壊されその地域には人が住めなくなる。阿蘇山のカルデラ爆発が起きれば九州全島が火砕流で埋まり、玄海原発も川内原発も地中に埋没する。
もしも世界に原発や核兵器がなければ、大規模な地殻変動が起きても人類という種は存続可能だろう。しかし、今のままで地球上に原発や核兵器を存在させていれば人類は確実に滅びてしまう。たかだか80年程度しか生きられない人間が、地球上の生物の歴史を終わらせてしまってもいいのか。
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