2015年08月26日(水) |
世界同時株安はどこで止まるのか? |
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中国の経済成長鈍化が伝えられ、その中国のバブルがはじけるということで株価が暴落し、それが世界中に波及して株安の連鎖を生んでいる。この「世界同時株安」はいったいどこで止まるのだろうか。そしてオレがいつも思うのは、個人投資家が大勢個人資産を蒸発させる中で、海外のヘッジファンドや大口の投資家は確実に利益を出しているということである。リーマンショックの時も売りポジションをとった連中がボロもうけしたことがあったそうだが、今回も同様であって、日経平均先物を売りで入ってる連中は儲かりすぎて笑いが止まらないだろう。
オレは8月25日の相場を観ていて思った。東証も上海も下げて、中国が金融緩和策を打ち出し、その結果欧州とNYダウがいったん上昇ではじまったが、NYダウは引けにかけて大きく崩れた。NYダウが崩れたのはやはり「まだ下げは止まらない」という心理から起きたことだろう。
オレはいろんな人から「世界同時株安はいつ終わりますか」と聞かれて困るのだが、そんなものは市場に聞いてみないとわからないのである。金融市場というのは誰かがコントロールしようとしても不可能で、それ自体が巨大な怪物みたいなものである。相場に振り回されて右往左往するだけのオレはいつもそう思っている。たぶん個人投資家がほとんど死滅してもう彼らから奪うだけのゼニがなくなれば下げは終わるのだろうと思うし、それがどのラインなのかということはオレにもわからない。日経平均1万7000円なのか、あるいは1万5000円なのか、NYダウ1万5000ドルなのか、とにかく全くわからないのだ。
そもそも相場に適正価格など存在しない。現在の価格はこれまでの流れで自然に形成されてきたものであり、そこに絶対的な価値などはない。世界的に原油がだぶついて価格が下がっているが、いつまでもこの状態が続くかというとそれはオレにも予想がつかない。ある日戦争が起きて急に上昇に転じるかも知れない。中東で大きな戦争が起きれば原油価格は高騰する。オレは今の原油安はアメリカのシェールオイルをつぶしたいサウジやロシアの陰謀だと思ってるが、もちろんそれはただの憶測でしかない。
2万円台に乗せた日経平均をみて、個人投資家たちは「このまま3万円を目指す」と強気になった者が多かっただろう。しかし現実は日本の株式市場はきわめて脆弱で、ヘッジファンドに先物を大きく売られればたちまち暴落したのである。
日銀はリートやETFを買って株価を下支えしている。この買い方というのは実に機械的、官僚的である。日経平均が一定以上下げた日の午後に、毎回同じくらいの数量のETFやリートを購入するのである。今日は大きく下げたから大きく買おうとか、今日は大きく上がったからちょっと売っておこうとかいうことが全くない。素人よりも下手くそなのだ。
もしも資金力のある日銀のようなところが、ヘッジファンドのゼニを巻き上げてぶっつぶすような戦略をとれば外資は震え上がるだろう。怖くて売り崩せなくなるだろう。ヘッジファンドが先物を大きく売ってきた時に、その10倍くらいの資金で逆張りしてやれば彼らの資金を根こそぎ巻き上げることができるはずだ。
日銀やGPIF、そしてJP(日本郵政)といった巨大な資金を持つ勢力が、世界の投資市場でなぜ恐れられてないのか。オレはそれが不思議なのである。彼らは相場を操縦できるだけの能力がありながら、それを駆使しないでいるのだ。もちろん間違った方向に相場を暴走させるよりは、何もしない方がマシかも知れないが。
自分が動かせるわずかな資金をどのように運用すればいいのか。そんなことに頭を痛めながらなんとか日々がんばってるのがオレのような零細投資家である。自分のたてた予測なんてちっとも当たらないし、株価ボードを見てはため息をつくばかりだ。
ただ、こんなことも思うのである。株価も為替も永遠に上がり続けることがない代わりに、倒産や国家破綻などしない限り永遠に下げ続けることもない。上がったり下がったりするその間隙を突いてせこくゼニを稼ぐ、そんなことしかできない情けない自分がなんだか悲しいのである。
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