2015年07月14日(火) |
人を殺しても無罪になる方法があります |
携帯用URL
| |
|
殺人事件の犯人グループがお互いに「私じゃありません、殺したのはあいつです」と罪をなすりつけ合ったらどうなるのだろうか。その中に必ず真犯人がいるのに、誰であるのかを特定できないために結局「疑わしきは罰せず」という原則にのっとって3人とも無罪となる。それが「冤罪防止」ということである。
千葉県にクルマの窃盗団が居た。千葉県内にはヤードと呼ばれるクルマの解体場が400カ所以上もあり、その中には盗難車を解体して部品の状態にして輸出している業者が含まれている。千葉県警というのは大阪府警や兵庫県警と並んで過去に多くの不祥事を起こしている。その千葉県警にどこまでこの自動車窃盗団を摘発して一網打尽にする能力があるのか疑問なんだが、とにかく多くのヤードが存在することと、関東地方での自動車盗の被害がものすごく多いということは事実なのである。
その自動車盗の犯人が、クルマの持ち主をはねて殺して逃亡した事件があった。その裁判が行われ、なんと容疑者の「殺人」が認定されずにただの窃盗罪で(強盗でもない)懲役6年というありえない判決が下ったのである。新聞記事を引用しよう。
千葉・柏の強盗殺人初公判で被告「運転は自分じゃない」(産経ニュース・2015年6月25日)
柏市で平成25年2月、会社員の保田智さん=当時(31)=の車を奪い、逃走の際に保田さんをボンネットから落として殺害したとして、強盗殺人などの罪に問われた同市塚崎の無職、板橋雄太被告(30)に対する裁判員裁判の初公判が24日、千葉地裁(高橋康明裁判長)で開かれた。板橋被告は罪状認否で「盗みに行ったのは間違いないが、車を運転していたのは私じゃない」と述べ、車を運転していたとする検察側の主張を否定した。
起訴状などによると、板橋被告は25年2月22日朝、共犯の男2人=窃盗などの罪でそれぞれ懲役5年と懲役3年6月が確定=とともに、保田さんの自宅アパート前駐車場からスバルの乗用車インプレッサを窃取。逃走を阻止しようとしてボンネットに乗り上げた保田さんを振り落とし、後頭部を路上にぶつけさせ殺害したとしている。
検察側は、共犯の男らの証言などから、盗んだ車を運転していたのは板橋被告と主張。一方で、弁護側は共犯の1人が運転していた疑いは払拭できないとしており、運転手の特定が公判の主な争点となる。判決は7月9日に言い渡される。
千葉日報 7月9日(木)19時20分配信
千葉県柏市内で2013年2月、会社員男性=当時(31)=が、奪われた自分の車にはねられ死亡した強盗殺人事件で、強盗殺人や覚せい剤取締法違反などの罪に問われた柏市、無職、板橋雄太被告(30)の裁判員裁判の判決公判が9日、千葉地裁であった。高橋康明裁判長は「被告が男性をはねた車を運転していたとするには合理的な疑いが残る」と強盗殺人罪について“無罪”との判断を示し、車を盗んだ窃盗罪を認定。そのうえで懲役6年(求刑・無期懲役)を言い渡した。
同事件では、仲間2人もすでに窃盗罪などで服役中。板橋被告含め関係した3人が逮捕、起訴されながら、誰が被害者をはねた“犯人”なのか証明されないまま一審が終結する異例の事態となった。
高橋裁判長は判決で、板橋被告が車を運転していたとする男3人の証言の信用性を検討。男らの人間関係や、うち1人からの虚偽の証言をする働き掛けがあった可能性などを指摘し、「虚偽の証言をする動機があった。その信用性に疑問が残り証言をうのみにすることはできない」と述べた。
◆地検「予想外で驚き」
千葉地検の金沢勝幸次席検事は「予想外の判決で驚いている。判決内容を精査し、上級庁と協議して適切に対応したい」とのコメントを発表した。
クルマを運転して制止する保田智さんをはねて殺した男は確かに存在した。だがその容疑者として逮捕された板橋被告は一貫して「運転していたのは自分じゃない」という主張を展開した。犯人グループの中の誰かが運転していたことは確かである。運転手が特定できなかったということで「疑わしきは無罪」という原則に従ってこの強盗殺人罪に関しては「無罪」という結果になったのである。
俺は納得がいかない。そもそも自動車窃盗団なんて組織にいる連中は全員死刑でもかまわないと思うのだ。末端の連中はこうして逮捕されてるが、この窃盗団の盗んだ車を解体していたヤードの経営者の外国人はさっさと国外逃亡している。つまり真の悪党は見逃された後である。また他の多くのヤードは未だに放置され、そこには日々新たな盗難車が運び込まれているのだ。千葉県警にはそれを捜査して摘発する能力は全く期待できない。今回もたまたま死者が出たからこうして事件となって窃盗団の末端メンバーが逮捕されてきわめて軽い罰をうけただけである。
千葉県警の連中は県内に400カ所以上ある自動車解体場を見張って、そこに運び込まれるすべてのクルマをチェックし、盗難車が含まれれば即座にその施設の関係者を全員逮捕するという当然やるべきことをやる気は全くないのだろう。きっとそんな大切なことをほったらかしてくだらない速度違反や駐車違反の取り締まりにいそしんでいるのだろう。それが警察という組織の実態である。市民の生命財産を守るという大切なことなど彼らにはどうでもよく、それよりも違反摘発のノルマを達成することの方が重要なのだ。
また。「疑わしきは罰せず」という原則はまっとうな市民に対してだけ適用すればいい。窃盗団のメンバーである外道なんて、犯人グループの一員としてその場にいただけで十分死刑にしてもいいとオレは乱暴なことを思うのである。オレが警官でその場に居合わせたら持ってる拳銃でみんな射殺するだろう。正義を実行するというのはそういうことだ。日本では窃盗犯に対する刑罰が軽すぎるのである。
千葉県警もクソなら、高橋康明裁判長もクソだ。今回の判決、オレはとうてい納得がいかないのである。この窃盗グループ、結局は誰がクルマを運転していたのかおたがいになすりつけ合って、結果として全員が「強盗殺人」の罪名で起訴されることはなく、「嘘をついた者が得をする」という結果になったのだ。その場合は強盗殺人の共同正犯として全員が死刑というのが妥当な判決ではなかったか。ところが先に「窃盗」という形で他のメンバーの判決を出してしまったからややこしくなったのである。残った一人である板橋に「強盗殺人」を押しつけようとしたらその板橋が「運転は自分じゃない」と言い出したので検察側の描いたストーリーはひっくり返されてしまった。
板橋被告がもしも本人の主張通りにクルマの運転をしていないのならば、すでに窃盗罪で服役している他の連中を引っ張り出して、そっちを強盗殺人で起訴しないといけないとオレは考える。しかし今回の事件はどうやら検察や警察の不手際のせいで「嘘をついた者の勝利」に終わりそうである。
千葉県警がこのような情けないほどの低レベルである以上、千葉県内での自動車盗はこれからも増え続け、千葉県内で高級車に乗る人間は毎日クルマを盗まれる恐怖と感じながら過ごさないといけないのである。オレは千葉県民でなくてよかったのである。
←1位を目指しています! m(_ _)m 投票博物館