2015年01月12日(月) |
発電所は思い切って分散させるべきである |
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火力発電所のエネルギー効率はせいぜい30〜40%らしい。発電に燃やした燃料の出した熱量のうちのかなりの部分が無駄に捨てられているのである。原発も消費地からかなり遠隔地に立地している関係で送電ロスが大きい。そうなると電気はもっと都市で生産できないか、いっそ使用する家庭で作り出せないか・・・そんなことを思っていると、今、都市ガスを燃料にして発電する「エネファーム」という家庭用燃料電池が徐々に普及しつつあるらしい。エネルギー効率は実に80%だ。これで家で使う電気の70%をまかなえるのだという。だったらそのエネファームに太陽光発電を組み合わせれば、家庭で消費する電気を100%まかなえるのではないだろうか。
「エネファーム」の初期導入コストは今180万円ほどかかる。これで年間8万8000円の電気代が節約できるという。導入コストのもとを取るのに20年もかかるわけで、まだまだこれでは高すぎるのだが、もしも今の半値くらいになれば10年で減価償却可能となる。それくらいに値下がりすれば一気に導入する家庭は増えるだろう。
この家庭用燃料電池を多数設置して、発電したものをどんどん電力会社に売るということはできないのだろうか。仮にその「エネファーム」の発電にかかるコストが、電力会社の買い取り価格を下回るようになればその差額が設置者の利益になるのである。
もちろん「エネファーム」は燃料電池として電気を生み出すと同時に熱湯も作り出す。その熱湯をなんらかの形で役立てないと意味がない。エネルギー効率80%ということはその温排水を利用することで達成されるのである。
だったらたとえば銭湯を設置するとかいう風に活用できないか。あるいは賃貸マンションに巨大な燃料電池を設置して、「電気代がいらない上にいつでも入れる大浴場があるマンション」として入居者を募集できないか。そんなことを思うのである。
できるかどうかわからない原発の再稼働に望みを託すのではなくて、電気をそれぞれ一軒一軒で作って使うという方向性は目指せないだろうか。もちろんガスの供給が停止すればたちまち電気が作れなくなるので停電するわけだし、耐震性に関しても送電線よりもガス管の方が不安がある。しかし、小規模発電を増やして電力需要の一部をまかなうという方向はそれなりに効果があることではないだろうか。
そしてオレが考えるのは、太陽光発電している家が売電収入を得られるのならば、「エネファーム」でも同様に売電できないかということなのだ。銀行から融資を受けてコストを掛けて複数台設置しても、売電収入がその設置費のローンを払う以上にあるなら採算性はあるということになる。「エネファーム」を冷暖房に活用可能ならば、病院や学校のような施設に設置することで売電収入も見込めるということにはならないか。
これだけ空き家が増えてしまうと、賃貸アパートやマンションを持ってることはもはや副収入としては期待できない。むしろ今後はそういうものは不良資産化する可能性が高いのである。実際に家賃の相場はどんどん下がっているじゃないか。投資用のマンションを販売するというどこかの詐欺会社のビジネスモデルはとっくに崩壊してるのである。
だったら小金持ちにはどんな資産運用の手段があるのか。もちろん配当利回りのいい株式を保有するというのもいいだろう。また金利の高い外貨預金をするという手もある。それ以外の資産運用の手段として、都市部の分散型発電システムであるこの「エネファーム」をもっと活用すべきなのだ。一つ一つの発電能力は低くても、台数が増えれば大きな力となる。
自然エネルギーの普及には実際にはさまざまな障害がある。風力発電は低周波騒音による健康被害を引き起こしてるし、太陽光発電パネルは経年劣化で発電能力が落ちる。そして当然のことだが天候に左右される。その点「エネファーム」はいつでも24時間発電できるのである。
設置コストが今の半分くらいになるためには何が必要なのか。日本の工業技術はそれを可能にすることができるとオレは信じている。そして将来、原発に代わりうるものはこの家庭用小規模発電システムかも知れないのである。
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