2014年12月02日(火) |
子ども駆け込み寺を作ってください |
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幼い子どもが虐待の末に殺されるニュースを聞くたびに、なんともやりきれないような気分になる。どうしてこんなことが起きるのだろうか。そして、なぜ「そんなことをすると死ぬ」ということに気がつかないのだろうか。いや、殺そうとして虐待してるのだろうか。
虐待の引き金になるのはたいてい、母親の再婚である。新たに父となった男性は、自分と血のつながっていない子をかわいがってくれるとは限らない。もちろん継父であっても我が子のようにかわいがってくれる父親もいるだろうし、一般論では語れない。しかし、虐待の末に殺される事例の場合、母親が再婚したり、あるいは内縁関係で別の男性と交際していてという場合が多い。
自分になつかない子どもを「しつけ」と称して虐待することを、なぜか母親は容認する。もちろんそれに異を唱えれば今度は自分が暴力の被害に遭うからだ。そうして密室の中で虐待は進行していく。そうした悲劇は今も日本中で起きているのだ。今この瞬間も日本のどこかで虐待されて命を奪われそうになっている子どもがいるのだ。どうやってそれを食い止めればいいのか。
大阪府茨木市では、3歳の女の子が体重8キロまでやせ細った末の衰弱死した。22歳の義父と19歳の母親が殺人容疑で逮捕されたが、死亡した女児の体内からはアルミ箔やロウソクのロウ、タマネギの皮が見つかったという。極限までの飢餓状態におかれて、食べ物ではないものまで口にして死んでいったのだ。これがどれほどの苦しみであるか、想像できる人がいるか。その飢えの苦しみだけではなく、身体には打撲痕まであった。
生まれてからの3年間を難病で苦しみ、飢餓に苦しみ、そして暴力の痛みに耐えてその末路がこの悲惨な死だったのだ。その地獄から逃げることもできなかったのだ。その幼子にとって、この世とは煉獄でしかなかったのだ。なんという悲劇だろうか。
オレは自分が両親に愛されて育ったことを幸福に思う。オレの両親はちゃんとオレが飢えないように育ててくれた。ちゃんと大学まで行かせてくれた。そのおかげで今こうして生きているし、仕事もしている。この暴言コラムも書いている。ちゃんと家庭を持ち、子どももいる。53歳になる今まで、病気はいくつもしたけど、それなりに無事に生きてきた。
しかし、それは当たり前のことではない。世の中にはそうしたまっとうな両親に恵まれず、大学に進む経済的余裕もなく、夢をあきらめてしまった人が大勢いる。いや、ちゃんと成人できれば後は自分で努力していけばいい。成人どころか、小学校に上がる前に殺されてしまう子もいるのだ。たった3年で殺されてしまったこの子も、もしも生き延びていたらどれほどの可能性があっただろうか。
いらない子どもがいれば、虐待するのではなくて捨てて欲しい。せめて殺さずに逃がしてやって欲しい。別にあんたたちに保護者である義務などは求めない。どうせ子どもを育てる能力などないクソだ。パチンコとゲームとセックスしかできないクズだ。そんなクズが子育てなんて立派なことができるわけがない。さっさとあきらめて子どもを捨ててくれ。捨ててくれた方がよほど子どもにとって幸福だ。もちろん世の中には「クソみたいな親でもいないよりはマシ」という考え方もあるかも知れない。しかし、オレは敢えて言う。クソみたいな親はない方がいい。足手まといにしかならないクソ親の呪縛から逃れて自由に生きられる方が幸福であると、捨てられた子どもたちに思わせたい。
もしもオレの隣家に虐待されている子がいれば、オレはその子を匿うだろう。もちろんそれは「児童誘拐」「児童略取」などの別の罪に問われる可能性もある。しかし、今苦しんでいる子どもを救えないという良心の呵責に比べれば、そんな罪に問われることなどなんでもないことだ。
親は子どもを持つのも持たないのも自由だが、(もちろん持ちたくても持てないという「不妊」という状況もあるが・・・)、子どもは親を選べない。つまり、親にとって子どもがいるという状況はすべて自己責任なんだが、子どもにとってその親がまともかそうでないかは全く自分のせいではない。すべて「運」なのである。クソ親の子に生まれてくれば、いかなる努力も無駄である。しかし、そういう子どもの中には「自分が悪いせいでこんなに自分は虐待されるんだ。がんばってよい子になろう」と空しい努力を続けたあげくについには自ら命を絶ってしまう子さえいるのだ。なんという悲劇だろうか。
どうか、すべての街に「子ども駆け込み寺」を作って欲しい。24時間いつでもそこに逃げさえすればちゃんと保護されて虐待やいじめから解放され、救われるという場所を作ってやって欲しい。今虐待に苦しむすべての子どもがその生を「生まれてきて良かった」と真に思えるような、そんな世の中にしてほしい。そして、子どもがよりによってその親の手で殺されるなんて悲劇をもう起こさないようにしてもらいたい。オレは切に願うのである。
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