2014年10月05日(日) |
テンバイヤーからぼったくれ! |
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iPhone 6の発売時に、店舗には転売目的の大量の中国人が押し寄せて大混乱した。なぜ混乱したかというと、中国人の転売ヤーたちがお目当てのiPhoneを購入する際にはパスポートを店員に提示して免税手続きをしていたからである。その手続きには書類の記入などが必要なので、そのせいで行列が進むスピードが遅くなっていたのだ。オレはこの「免税」というのがどうも納得いかないのである。どうして外国人に対して消費税を免除するのか。日本で買い物をする外国人、特に転売目的で大量に買い付ける連中からもちゃんと消費税を取り立てれば、それは税収アップになるわけで、なんでわざわざ免税にしてやらないといけないのかと思うのである。
平成26年10月1日から、従来免税販売の対象となっていなかった消耗品(食品類、飲料類、薬品類、化粧品類その他の消耗品)を含めたすべての品目が新たに免税対象となった。こうした消耗品が対象となることで、各地の特産のお菓子や地酒などの地場産品を外国人旅行者に買ってもらえて、観光客の増加につながるということなんだが、売る方にとってはまことに面倒なのである。混雑した店でいちいちその手続きを行うことがどれほど面倒であるかを考えてもらいたい。また、それによって観光客が増えるかどうかということではなくて、オレは「観光客にも税負担してもらう」ことで税収を増やすことの方が意味があると思っている。
せっかくの円安である。外国人旅行者にゼニをどんどん使ってもらうチャンスであると同時に、そのついでに税収アップをはかるチャンスでもあるのだ。その絶好の機会なのになんで「免税」なんてことをするのか。しかもその免税の範囲を拡大することでどれだけ小売店の負担を増やすのか。
小売店は仕入れるときに消費税込みの価格で仕入れている。しかし販売時にはそのときに受け取る消費税が免税されるわけである。すると「税の還付」が必要になってくる。たとえばある商品が100円で販売されているが、その仕入れ原価は50円であるとする。50円に消費税8%を加算した54円で仕入れた商品を108円で販売すれば、販売時に受け取った消費税8円から仕入れ時に払った消費税4円を引いた4円を納税すればいいわけだ。しかし、「免税」ということになれば販売時には消費税を受け取っていないのに、仕入れ時には支払わないといけないわけで、その差額の分は還付されるというのが現行のルールである。仕入れ時に54円かかったものを100円で売れば、本来の利益50円であるところが46円しか儲からないので、その4円分は国から還付されるということになるのだ。それがトヨタ自動車やCANONのような大企業の場合は数千億という巨額のゼニになるのである。
輸出企業が消費税の還付金を受け取るのは制度上納得できるが、これが日本国内の小売店に広がった場合、おそらくその仕組みを利用して巧妙に脱税したり、還付金を手に入れたりする企業が出てくると思うのである。これまでに輸出企業が不正に還付金を受け取って摘発された事例がある。しかし、この免税の範囲を拡大した結果、その不正もまた多くの日本国内の免税許可を受けた小売店にとって可能になるのだ。もちろんある程度は摘発されるだろう。しかしかなりの金額が「還付金」という形で不正に国庫から奪われることは容易に想像できる。またそのゼニは暴力団などに流れるかも知れず、暴力団はこういうからくりを研究した上で不正に還付金を受け取るノウハウをすでに考えているだろう。
客が日本人であっても外国人であっても消費税は取る!
どうしてこれでいけないのか。
それがもっともシンプルな形であり、また税収増という点でも国家の利益になることである。なぜそれがわからないのだろうか。日本で iPhone 6を買って転売する連中にもきっちりと日本の税収増に貢献してもらったらいいのである。
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