2014年07月01日(火) |
ラップ口座なんてやめておけ! |
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金融機関に資産運用を任せる「ラップ口座」に、お金を入れる人が急増している。利用できる額が数百万円まで下がり、使いやすくなったからである。手元にまとまったお金がある人に便利なサービスだが、手数料が高いことや資産が目減りするおそれがあるなど「落とし穴」もある。証券会社などでつくる日本投資顧問業協会によると、ラップ口座の今年3月末時点の残高は1兆3760億円にのぼり、前年の約1・8倍に増えた。契約件数も10万5706件で、約2倍にふくらんだという。
「投資のプロが上手に増やしてくれる!」といううたい文句で証券会社は顧客を勧誘しているようだが、そんなものはあてにならない。というか、こういう金融商品はリスク軽減のために分散投資するので、どうせ日経平均の上昇程度のUP率しか見込めないのである。下手すると元本割れということも起きる。しかし、毎年手数料はきっちりと取られてしまうのだ。それも預かり資産に対して0.5%とかいうふうに目減りしていくのである。実にばかばかしいのである。
どうして証券会社がこんな詐欺みたいな商品を勧誘するかというと、それはリスクをすべて個人投資家の方に押しつけ、確実に利益を出す仕組みだからである。どんな運用の下手なファンドマネージャーが損を出しても、その損は顧客の損であり、証券会社は全く損をしないどころか、手数料はしっかりともうかるのだ。証券会社の方は「がんばって運用益をあげなければならない」という義務は全くない。「値下がりしました!」でオシマイである。そのくせ勧誘時には「確実に儲かる」などと甘い話で誘うのである。だからオレはこれを詐欺商品だと思うのだ。
もしもあなたが手元に数百万円の資産があって、それを銀行預金よりもマシなもので運用したいと思っているならば方向は二つだ。一つは高配当で優待のもらえる株式で運用することである。たとえば東京ディズニーランドの親会社であるオリエンタルランドの株主になれば、配当金がもらえるだけではなく毎年株主優待でディズニーランドの株主用パスポートがもらえる。行く時間がなければ金券ショップで売却すればいい。またオリエンタルランドの株価はずっと右肩上がりで上昇している。株の値上がり益も見込めるのである。
優待で飲食するなら、ゼンショーだ。7月1日の終値で1038円だから、1000株購入するには103万8000円いるわけだが、そのゼニを出して株主にいったんなってしまえば、毎年優待お食事券が送られてくる。半期ごとに1万2000円ずつ、通年で2万4000円分、タダで飲み食いさせてもらえるのだ。ゼンショーの傘下企業であるすき家、ビッグボーイ、ココス、ジョリーパスター、はま寿司、牛庵などでこの優待券は使えるわけで、これだけ種類が豊富ならば食べ飽きるということもない。もちろん配当金ももらえるわけで、配当+優待で年間4%くらいの利回りになるのである。優待についてもっと知りたかったら、書店の店頭に並ぶ桐谷さんの本でも買えばいい。その優待生活は実に優雅である。
もう一つの選択肢が、優待なんかいらない、ゼニだけが欲しいという方向である。そういう方には、それなりの高配当銘柄がたくさんある。NTTドコモは年間の配当利回りが3.8%もある。しかも最低取引単位が小さいので17万円ほどで株主になれる。今政府がしきりに勧めているNISA口座で運用するのにちょうどいいのである。そういう高配当銘柄をいくつか保有していれば、毎年しっかりと配当金というお小遣いがもらえるのである。もちろん株価の値下がりで目減りする可能性もあるが、その場合はラップ口座も同じように元本割れするだろう。何よりも大事なのは、ラップ口座みたいに勝手に毎年ピンハネされていく心配がないということである。毎年財産から0.5%ずつ信託報酬をぼったくられるということは、もしも運用実績がプラマイゼロだった場合、22年後には元本の90%を割り、50年後には元本の77%になってしまうのである。つまり、時間が経てば経つほどどんどん減ってしまうわけで全く貯蓄の意味がないのである。そんな詐欺みたいな仕組みであるラップ口座の残高がどんどん増えてるというのは、オレには悪い冗談としか思えないのだ。ああどうして国民はこんなに馬鹿なのか。
なぜNTTドコモがこんなに高配当なのか。そこにはちゃんとからくりがある。NTTドコモの最大株主はNTTなのだ。もはや固定電話事業というのは終わってしまったビジネスモデルである。そうなると収益は期待できないわけで、親会社であるNTTが食べていくためには高収益をあげている子会社のNTTドコモから収奪するしかない。その手段が株式の配当なのである。日本にNTTという企業が存続する限り、そこに大量の社員がいる限りにおいて、この収奪は永久に続くわけで高配当の仕組みは安泰なのである。
日産自動車が高配当なのも同様の理由である。日産は大株主であるフランスのルノーに永遠に収奪されるわけで、そのために日産は高配当なのである。我々が配当目当てで保有するとしたらこのような宿命を持つ銘柄に注目すれば良いのだ。
まあそういうわけだから、これからNISA口座を開設してとか、これから退職金を運用してとか思う人たちは、決して証券会社の人たちの話なんか信じてはいけない。連中は昔も今も自分の会社が儲けることしか考えていない。顧客に儲けさせることなど全く考えず、いかに顧客のゼニをむしり取ってそれを自社の利益にするかしか考えていないのである。日本を代表するN証券とかはまさにその代表である。
さて、今は東京五輪とかリニアとかアベノミクスとかで景気のいい話ばかりだが、いずれそれも終わる。少子高齢化とか生活保護の増加とか、消費税率の上昇とか悪い材料もいずれどんどんやってくるのである。その時に運用益がマイナスになり、しかも手数料もとられてラップ口座は解約希望が殺到するだろう。もちろん証券会社には何の損害もないのである。すべて顧客が損をするだけの仕組みだからだ。そんな詐欺にだまされてはいけないのである。
追記:もしも証券会社がオレをヘッドハンティングして運用をまかせてくれるならば、きっとオレはちゃんと顧客が幸せになるような運用をするだろう。買いだけではなくて売りも組み合わせて運用すれば、どんな局面でも利益を出すことが可能である。しかし、一介の暴言コラムニストにそういうチャンスをくれるような証券会社はどこにもないのである。オレが過去に書いた「ハメこまれた人たち」シリーズでも読んでくれれば、オレがどの程度の知識を持ってるかはわかりそうなものだがなあ。客に損ばかりさせてるそこらの馬鹿証券マンよりもはるかにオレの方が投資のことは詳しいぜ。
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