江草 乗の言いたい放題
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2014年05月21日(水) 汚染水は海に捨てることになりました        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan



 福島原発の冷却には大量の水が使われているのだが、その結果新たに発生している汚染水はどこに消えているのだろうか。あんなちゃちなタンク群で収納できるとはオレは全く思っていないのである。

 流入する地下水をそのまま海に流すという地下水バイパスが完成して、どんどん地下水をくみ上げて海に水を流すことで、新規に発生する汚染水を減らせるという。そんなことオレは最初から信用などしていない。くみ上げた地下水の汚染が基準値以下であることを確認してから流すという。

 人気があった「美味しんぼ」は休載に追い込まれた。風評被害を拡大するという理由でその鼻血の描写が問題視されたわけだが、たかが一つの漫画の描写をなぜこんなに問題視しないといけなかったのか。それを「一つの主張」という形で聞き届けるのではなくて、その主張そのものを全否定して排除しなければならない理由がどこにあったのか。3年前は当時の民主党政権に対して住民の健康被害を訴えた自民党の議員たちが、今は逆に「福島は安全です」と必死で主張しているのを見ると「事実っていったいなんだろう」とオレは思うのである。

 日本というのは本音と建て前を上手に使い分ける文化である。ここでは「福島は安全です」という建前を守るために、それ以外の見解や主張がすべて封じ込められてしまうのだ。実際に健康被害を訴える人がいたとしても「そんなことを言うと風評被害につながる!」という理由でその訴えは封殺されてしまう。そして「みんなに迷惑がかかるから余計なことを言うな!」という形で圧力がかかるのである。実際のところはどうなのだろうかとオレは思うのだ。

 甲状腺癌の子どもが特に増えているわけではないという記事も読んだ。そこに記された50人という人数に対して、オレはそもそも自分の周囲に「甲状腺癌」の子どもを見ていないのでなんとも言えないのだが、小児癌の子どもはそんなにたくさんいるのかと逆に思ってしまったのである。

 今回、地下水は汚染されていないことを確かめてから海に流すというが、もしもその地下水が汚染されていたときはどうするのか。その大量の水をいったいどこに貯蔵するのか。今のあのタンクの群れもかなり無理があるのに、それ以上に増える水をいったいどこに貯蔵できるというのだろうか。「流れ込む地下水」=「くみ上げてバイパス経由で海に捨てる水」とピッタリ一致できるのか。「流れ込む地下水」>「くみ上げてバイパス経由で海に捨てる水」ならば、メルトダウンした地底部分に流れ込む汚染水は増え続けることととなるし、「流れ込む地下水」<「くみ上げてバイパス経由で海に捨てる水」ならば逆に原発の側にある汚染された水がバイパスに入ってくることになる。結果として海に汚染水を捨てることになるとオレは思っている。安倍首相が「汚染水は完全にコントロールされている」と世界に向かってついた嘘はいずれバレてしまうだろう。

 3年前の震災直後、福島第一原発にいた職員の多くがより安全な第二原発へと所長の指示を無視して移動していたことが最近明らかになった。「ここにいるとやばい」と思って逃げた人が実際は多かったのである。

国内の原発で「コアキャッチャー」というメルトダウン時の安全装置を装備しているものは一機もない。実は欧州ではこれはアレバ社が特許をもっているふつうの設備である。メルトダウンが起きることを想定して、その時に炉心を安全に回収するための設備なのだが、そんなものが装備されてない日本の原発はメルトダウンしてしまえばもはやどうしようもなく、福島第一原発のようになってしまうのである。福島原発を完全に撤去してしまうにはあと何百年かかるか想像もつかないのである。日本のような地震国に安全対策が不十分な原発を作ればこのような結果になることがなぜ想像できなかったのだろうか。

 かつて読売新聞主催の中学高校ディベート選手権大会で原発のことが論題になったことがある。その時に「巨大津波に襲われたら外部電源が喪失してメルトダウンする」という主張は「そんな大きな津波は起きない」「電源は複数あるから大丈夫」と否定されたのだった。あの時、高校生たちは将来の原発事故の危険をちゃんと予測していた。それに目をつぶっていたのは利益優先でものごとを考えていた大人たちである。

 欧州ではチェルイノブイリ事故以降に建設された原発はない。アメリカでもスリーマイル島の事故以来建設はすべてストップしている。日本はこんな悲惨な事故を起こしているのに、大間原発を建設しようとしている。なぜJパワーの幹部は勇気ある撤退ができないのだろうか。それこそが今の日本のとるべき進路であるというのに。


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