2014年03月17日(月) |
これから浪人するきみへ |
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2014年の入試がほぼ終了した。もちろんまだ後期試験の発表が残ってるが、戦いはもう終わったのである。浪人を決めた者たちはすでに予備校への手続きを済ませたり、説明会を聞いたりしているだろう。
浪人生たちの多くは、これから一年もあればかなり勉強できて成績が伸びると思ってるわけだが、そんなことはない。なぜならセンター試験からすでに2ヶ月経過していて、おそらくセンター試験終了後は自分の受験したセンター試験のことなどすっかり忘れてしまったはずだから、知識の多くはリセットされてしまっているのである。受験勉強の中で2ヶ月のブランクというのはかなり大きく、理科社会の中で二次試験と無関係な科目はすっかり忘れられていることもある。短期集中型の丸暗記で乗り切ろうとした人間はなおさらである。瞬間最大風速の記憶で乗り切れると思ってる方が勘違いも甚だしいのだが、とにかくすでに2ヶ月分脳内の記憶は劣化してるのである。
スポーツマンがあるレベルまで到達したらあとは体力を維持することだけにかなりの練習を費やさないといけないように、受験生も勉強の多くを「現状維持」のために使うことになる。そして「絶対現役で入る!」という強い気持ちで取り組んだ者ほど、すでに限界まで能力を使い果たしているのだ。浪人して劇的に伸びるのは、さらに厳しい受験勉強に耐えることができた超人と、現役の時に全く何もしなかったので伸びしろが大きい馬鹿の2種類である。中途半端な勉強しかやらず、そしてその延長で中途半端な浪人生活をスタートさせようとしている者が最も伸びないのである。
受験勉強というのは苦しいものである。苦しくないとすればそれは本気で取り組んでいないからである。必死で戦うからこそ価値があるし、志望校に合格できた時の喜びも大きい。ところが世の中には楽しく適度に遊びながら「受験」に立ち向かう気楽な受験生も多い。予備校生活を「エンジョイ」するのである。
もちろん適度な息抜きも必要だろう。しかし、必死に戦ってる者たちと比較して、その息抜きは本当に余裕からくるものなのか。結局は遊びに流される自分の弱さじゃないのか。浪人中にドラゴンクエストをやっていたとか、ネトゲは欠かさずしていたとかは言語道断なのである。ふざけるなと言いたいのだ。最後に勝つのはやはり「絶対に合格したい」という強い意志を持っていた受験生である。遊んでいて勝てるほど受験は甘くないし、そんな甘えたヤツはみんな落ちるべきである。
大学は昔に比べればずいぶん入りやすくなった。18歳人口が200万人あった時代から比べれば6割近くに落ち込んでしまい、それでも大学の定員が逆に増えてるのだから当然といえば当然なのである。かつては合格するのに偏差値60以上必要だった中堅私大の多くが今は偏差値50前後になっている。ふつうの受験生なら合格できるのだ。そしてかつて比較的入りやすかった大学は、今はFランク私大と呼ばれ、無競争で大量の学生を受け入れている。選ばなかったらどこかに入れる時代、あえて浪人して大学にチャレンジする意義は何なのか。その意味をきちっと考えて真摯に受験勉強に取り組み、よき浪人ライフを過ごしてもらいたいのである。
オレが担任した生徒の中にも、この春に浪人生活をスタートさせる者もいる。今日の日記はそんな教え子たちへのメッセージでもある。
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