2013年08月08日(木) |
日銀も日本政府もお休みです |
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アメリカではQE3の終了による金融緩和縮小が取りざたされている。この政策転換によってドル高になるところ、なぜか円に対しては円高ドル安という流れが続いている。せっかく1ドル=100円台に乗せたと思っていた為替相場が昨夜は96円台前半をつけているのである。日本株も先物がどんどん売り崩されて暴落している。円安・株高を政府や日銀は目指しているはずなのに、極端な円高・株安が進行してるのだ。日経平均は二日で1000円近く暴落している。
このような事態が起きるのはなぜか。日本がそろそろお盆休みだからである。もしも日本政府が機能していれば、そして日銀が市場を注視して敏感に対応したりコメントを出していればこのようにはならなかっただろう。海外の投資家やヘッジファンドから「いまは日本は何もしてこないだろう」と思われ、舐められているのである。
与党自民党の連中は選挙に大勝できたことでもはや自分たちのやるべき仕事なんか忘れている。しばらくどうでもいいという感じがミエミエだ。秋には消費税増税を来年4月に実施するかどうかということで国会で論戦になるわけだが、それまでは休みを謳歌しているつもりなんだろう。
今、NISA(少額投資非課税制度)がさかんに宣伝されている。個人投資家の資金を株式市場に新たに呼び込んで株価上昇につなげたいということである。2014年からはじまるわけだが、株や投資信託(投信)などの運用益や配当金が一定額非課税になるというお得な仕組みである。
詳しく説明すると2014年の1月から、「毎年100万円まで」の非課税投資枠が設定され、投資金額100万円分までの株式投資や投資信託にかかる値上がり益や配当金(分配金)が非課税となるのだ。これらに対する課税が今は優遇税制で10.147%の税金で済むのだが、2014年からは通常20.315%課税される予定である。それで個人投資家の株離れが進まないようにこの制度が導入されるのである。
たった100万円であってもうまく利用すれば大きな利益を上げることができる。2023年までの10年間、毎年新たに100万円の非課税枠が追加される。非課税の期間は、それぞれ最大5年間となっており、途中で売った場合は、非課税枠を使ったとみなされ、再利用をすることができない。さらに、非課税枠を使っての投資総額は合計500万円までとなっており、それ以上の金額は非課税の対象とはならない。
長期間の株や投信の保有を前提としたこの仕組みを利用して投資家がどんな株を買うかはおおよそ予測できる。景気動向に左右されて株価が変動するところはだめだ。絶対につぶれない上にある程度の配当利回りが約束された企業の株が買われるのである。オレの予想ではNTTドコモや東燃ゼネラルのような高配当の企業が注目されるはずだ。しかもこの制度には大きな欠陥があって、「投資金額100万円」となっていて、購入後にその株がどんなに値上がりしても時価によって投資金額が増えたことにならない。100万円以内の金額で購入した株が5年後に1000万に値上がりしても、その値上がり益に対して
税金を全く払わなくてもいいということになる。非課税の期間は最長5年間なので、6年目からはしっかり課税されてしまう。そこで必ず値上がり分の利益確保という形の売り圧力が5年目で発生するのである。
こうした仕組みが導入されれば必ずその制度利用に向いている一部の銘柄は値上がりする。投資行動とすれば先回りしてそれを今のうちに買っておけばいいわけである。この大きな材料があるのに、それが現実の株価に結びつかないという不可解な現象が今起きているのだ。オレには全く理解できないのである。
海外投資家は日本で導入されるこのNISAについて知ってるのだろうか。そこで起きる投資行動を分析して、当然なんらかの動きがあるはずだ。たった100万円の非課税枠だが、オレにとってもこのNISAの仕組みを利用することは大きな意味がある。2023年までという期間をうまく考えて、将来の値上がり確実な成長企業に投資するという戦略を立てられるからだ。
こんな大きな材料を株価に結びつけられず、円高・株安を止められない政府や日銀は情けないのである。彼らにとっては「夏休み」かも知れないが、日本経済には「夏休み」などないのである。日々休みなく動いているのが経済である。
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