2013年07月28日(日) |
オレはセンター試験廃止に反対する |
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現行の大学入試センター試験というのはすぐれた仕組みである。年に一度の試験のために受験生は計画的に勉強を進めることができ、学校行事もそれに合わせて組まれている。オレは今の仕組みに対して何の不都合も感じていない。問題の内容も基礎学力重視であり、そのために平均点が60%程度となることに関しては「どうしてもっと難しくしないのか・・・」という不満を若干感じるものの、問題の中味に関してはよく練られた良問であると感じている。幸いにこれまで問題の中味の漏洩などの不祥事もなく、またどこかの破廉恥国家と違って集団カンニングなどの不祥事も起きていない。2013年度は57万人という受験者がいたのである。つまりこの仕組みは国公立大だけではなくて私立大学の受験者にも大いに利用されているということなのだ。
長く実施されているために受験生はセンター試験の過去問を解いて勉強することができる。ある特定の年度の問題を解いてみれば、自分の学習レベルが志望校に合格可能レベルなのかどうかをいつでも判定できる。その問題の蓄積は全受験生にとっての得がたい財産なのだ。その仕組みをぶっつぶそうしている文部官僚どもに対してオレは「あほか!」と言いたいのである。なぜ日本人が築いた世界に誇るべき受験システムを、外国の仕組みのマネをして置き換えてしまおうとするのか。
センター試験廃止を報道した記事を引用しよう。
センター試験廃止へ、複数回の新テスト 高2から学力把握
文科省検討、5年後メド抜本改革 2013/6/6付
文部科学省は5日、大学入試センター試験を5年後をメドに廃止し、高校在学中に複数回受けられる全国統一試験「到達度テスト」(仮称)を創設して大学入試に活用する検討を始めた。大学志願者の学ぶ意欲を引き出すことで高等教育の質を高め、国際社会で活躍するグローバル人材の育成につなげる。1979年に始まった共通1次試験以降、1回の共通テストが合否を左右していた大学入試が抜本的に変わることになる。
政府は大学の教育・研究機能の強化を成長戦略に盛り込んでおり、入試改革はその大きな柱となる。高校側が新たなテストへの対応を迫られるほか、受験ビジネスにも影響を及ぼしそうだ。
90年にスタートしたセンター試験は共通1次と同様に年1回の実施。受験生を1点刻みでふるい落とす手段として使われ、基礎学力を測るという当初の目的が薄れているとの批判があった。政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)が6日から具体的な内容を協議。9月をメドに、到達度テストの導入を含めた新しい大学入試のあり方を安倍晋三首相に提言する。
到達度テストは高校2年生以上の希望者を対象に年2〜3回実施する。フランスの大学入学資格試験「バカロレア」を参考に、難易度の異なる3種類程度のテストを用意する案が浮上しており、受験者は卒業後の進路などに応じてテストを選ぶ。
大学への進学を希望する高校生は志望先に出願する際、最も良い成績を提出する。大学はこれをもとに受験生を選抜。必要に応じて、筆記や面接などの2次試験を実施し、多面的な評価で合否を判断する。
文科省は早ければ5年後の導入を見込んでいる。これと合わせて現行のセンター試験は廃止する考えだ。高校卒業程度認定試験(旧大検)の位置付けや浪人生の受験方法は今後検討する。
大学側には年1回のセンター試験と比べ、受験生の基礎学力を正確に把握できるメリットがあるが、高校側からは反発もありそうだ。高校の施設が試験会場となることが想定され「公平性が保てるのか」などの声がある。中高一貫校が有利なカリキュラムを組む可能性もあり「学校の序列化がさらに進む」との懸念も根強いとみられる。
「1回の共通テストが合否を左右していた」ことがなぜいけないのか。だからこそ公平なのである。試験を三回実施して、その三回の難易度が同じかどうかわからないのに、その得点を絶対評価でモノサシにするなんてことの方がはるかに不公平だろう。そもそも問題を出題する側にとって、その問題の平均点がどれくらいになるかを予想することはきわめて困難であり、平均60点になるように作成したとしても決して狙い通りにはならないのである。
試験を三回実施して、その中で一番得点の高かったものを出願時に利用可能にするのならば、その3回の実施時期はいつになるのか。高校の年間の行事予定のどこに入ってくるのか。その時期に修学旅行や学園祭、体育大会などの行事を組んでいれば変更を余儀なくされるだろう。全国のすべての高校がなんらかの日程変更をしなければ対処できないのである。
ろくに勉強もせずにその結果できなかったヤツが「こんな一回の試験で人生が決められるのはおかしい」と文句を言うのは実に情けない。そんな大事な試験なのになぜおまえは勉強してちゃんと取り組むことをしなかったのか。その大事なセンター試験で受験番号を書き忘れるようなボンクラ受験生が毎年0.1%ほどいるのである。57万人受験生の0.1%といえば570人である。ほとんど勉強しないで受験する者も大勢いるのである。だから決して難問でもない試験なのに平均点は6割程度なのだ。オレは教えてる生徒たちに向かって言う。「世間には古文や漢文の受験勉強を全くしないで受ける受験生も大勢いる。単純な係り結びの問題でさえ正解率は3割程度だったりする。だからきちっと勉強すれば必ず高得点が取れるのだ!」と。
現行のセンター試験と大学が個別に実施する二次試験を組み合わせた受験システムは実によくできている。センターと二次試験の配点比率は千差万別だ。センター試験の得点でほとんど決まってしまう大学がある一方で、圧倒的に二次試験の配点が高い大学もある。また二次試験が英語だけ、数学だけ、小論文だけというふうにスペシャリストに門戸を開く大学もある。受験生はそうした違いを考慮しつつ自分にとってベストの大学を選ぶことができるのである。これまで何十年もかけてその仕組みはできあがってきたのだ。それをすべてぶっ壊そうとしてるのが文部科学省のやろうとしていることなのだ。オレはそのまちがった方向性をなんとしても阻止したいのである。おそらく多くの高校教員が同様のことを感じているはずだ。
大学の研究機能の強化と受験システムの問にはなんの関係があるのか。入試を改変したところでよく勉強した受験生が合格してそうでない受験生が落ちることには変わりない。むしろそれが変われば問題だ。大学をゆがめているのは入試ではなくむしろ早すぎる就職活動である。そんなこともわかってない文部科学省のボンクラ官僚が、制度を変にいじくって壊してしまうのがオレは絶対に許せないのである。
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