2013年06月05日(水) |
所得倍増計画は実現するか? |
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日本の高度成長の時期を考えたときに、池田勇人首相の発言した「所得倍増計画」を無視することはできない。企業がいくら景気がよくなってもその利益は個人に還元されなかったら意味がないのである。小泉純一郎の「規制緩和」がもたらしたものは、労働者の総賃金を減らして起業の内部留保率を高め、若者を派遣社員などの非正規雇用に追いやってどんどん貧しくし、結果として少子化を加速させたということだった。
その意味で、安倍晋三首相が打ち出したこの政策目標自体は間違っていないとオレは思うのである。
所得「10年で150万円増」首相きょう表明
安倍首相は5日に東京都内で行う講演で、自らの経済政策「アベノミクス」の成長戦略の実現により、10年後には国民総所得(GNI)が年3%を上回る伸びとなり、1人当たりのGNIを現在の水準から150万円以上増やすとの目標を掲げる。
首相の成長戦略に関する講演は、4月と5月に続き、5日が「第3弾」で、今回が「総仕上げ」の位置付けだ。
成長戦略の目玉政策として、「国家戦略特区」を創設し、世界中から技術、人、資金(投資)が集結した国際的なビジネス都市をつくる方針を表明する。
国家戦略特区内では、建物の容積率、外国人医師の診療許可、インターナショナルスクールの設置要件などの規制を大胆に緩和し、「ロンドンやニューヨークといった都市に匹敵する国際的なビジネス環境をつくる」との決意を表明する。
社会基盤(インフラ)整備の方向として、老朽化で大規模な改修が必要とされている首都高速道路の更新などのため、民間の資金や経営ノウハウを導入する「PFI」方式の推進も掲げる。今後10年間で、過去10年の実績の3倍にあたる12兆円のPFI事業を行う意向を示す。
(2013年6月5日03時07分 読売新聞)
世界中から「技術」「人」「資金」を呼び込もうという大胆な戦略だ。こういうアイデア自体悪くないと思うのである。そうして増えた収入を若者はどう使うかというのが次の課題である。
日本が直面している最大の課題は「少子化」である。これから30年もすると、さまざまな産業が「人がいない」という理由で成り立たなくなるのだ。安倍政権が長期政権を目指すならば、その問題を何とかしないといけないのである。
今、アマゾンで本を買うと翌日配達される。そうした日本の流通を支えているトラックドライバーたちの待遇はどんどん悪くなっている。だから高齢者のドライバーが多いのである。若者が新規に流入してこないのだ。免許制度の変更も影響している。大型免許を取る若者が減っているのだ。こうした状況が長期間続くと慢性的なドライバー不足につながってしまうのである。流通関係はその一例だが、人がいないことによって多くの産業が壊滅するということをオレは主張したい。そこをどうやって補うのか。海外からの移民を無制限に認めてしまうのか。
安倍首相にオレは提言したい。第四弾は「少子化対策」として「教育の完全無償化」を実現してもらいたいのである。なぜ親は子供の数をしぼったのか。教育費がかかりすぎるからである。子どもが二人私立大学に通うなんてことになれば、奨学金でも受けない限り普通のサラリーマンには学費を支えるのは無理なのだ。
小泉改革に至る一連の教育行政の流れは、国立大学を独立行政法人化したことで地方の国立大学を貧しくした。その上大都市圏への学生の集中で地方の国立大学の入学試験の学力偏差値も大きく下がった。
今、地方の国立大学を救う方法は無償化以外オレには考えられないのである。東大や京大のような一部の国立大学は今のままでもいいが、それ以外の国公立の大学をすべてタダにすれば「国公立大学に入りさえすればゼニはかからない」ということになって私立大学に流れている優秀な学生を取り戻せるだろう。
また、大学に行かないで就職する若者を支援する体制も必要だ。学校崩壊してレジャーランド化している底辺の高校を再編し、職業教育の場にして意味を持たせないといけないのである。レジャーランドで3年間過ごしてダメになった若者に改めて専修学校などで職業教育を行い、そのために年間100万円以上かけているというのが現状なのである。それならなぜ高校での三年間をもっと後につながるものにできないのかとオレは思うのだ。
見かけの景気がよくなっても賃金が上昇しなければ何の意味もない。だから「所得増加」を目標にすることは正しい。ただ、そうしてせっかく増えた賃金がパチンコに浪費されたりすれば実にむなしいのである。
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