2013年04月09日(火) |
きみはアフロ石仏を知ってるか? |
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オレは生まれて初めて奈良の大仏を見たときに、どうして大仏様は「みほとけ」なのにヤクザなんだろうかと違和感を感じたものである。それは大仏様の髪型が俗に言う「パンチパーマ」だったからである。関西ではパンチパーマというのはヤクザ屋さん御用達の髪型であり、普通の人はそんな髪型にはしないのである。そういう髪型をしているというだけで、通行人が道をゆずってくれたり、電車で座るときに隣が少し離れて座ったりするのである。
そのパンチパーマなんだがちゃんと意味があるわけで、あれは「螺髪(らはつ)」というものである。 螺とは巻貝のことである。インドでは偉大な優れた人物は凡人とは異なった特異な姿でこの世に現れるという考えがあり、ガンダーラ仏では髪の毛は波状に表現され、マトゥラーでは髪の毛が渦巻状に表現されることになった。
仏教ではそれを「三十二相八十種好」と名付けたわけだが、これは釈迦の32の大きな特徴と、80の細かい特徴のことで常人と違う智恵と徳の高さを表現していて、悟りを開いた位の高い仏様に出てくる特徴の一つなのである。螺髪であると言うことはそれだけで尊いということなのだ。昔のインドの階級の高い人はああいう髪型だったのである。それが今は日本ではヤクザの髪型なんだから面白いのである。もしも日本のパンチパーマのヤクザが大挙してインドに行けば、徳の高い人の集団として畏敬の念で迎えられるのだろうかと試してみたくなるのである。
そのパンチパーマの人がそのまま修行を積んで散髪もせずにがんばるとづなるかというと、アフロになるのである。そのまま髪が巨大化するのだ。その結果こんな髪型となるのである。
この石仏は、その正式名を『五劫思惟(ごこうしゅい)』と言う。阿弥陀様が、阿弥陀如来とおなりになる前のお姿なのだ。阿弥陀様が、髪を切らずに修行に励んだ結果、このような変なヘアスタイルになったのである。
この「アフロ石仏」は、京都の金戒光明寺に鎮座されている。ちょうど大河ドラマで話題になった「江」の供養塔のすぐ脇にあるのだ。だからすぐに発見できる。金戒光明寺はちょうど今やってる大河ドラマ「八重の桜」の舞台にもなっているのである。会津藩の本陣が置かれた場所ということで、境内奥にある会津墓地には参拝の人が絶えない。そこには戦役で犠牲になった人たちの名前が刻まれ、もちろん今ドラマに出ている人たちの名前も書かれている。山本権八という名前も、山本三郎という名前もある。境内の桜もきれいなので、先週あたりはお花見を兼ねてかなりの方が参拝に訪れたはずである。
だからNHKの大河ドラマに興味がある人はぜひとも会津墓地に参拝して、そこでお線香を上げて亡くなった方々のことに思いを馳せて欲しいのである。会津も薩摩も長州も国を思う気持ちは同じだったはずだ。どうしてあのように戦わなければならなかったのか。どうして会津藩はあの戦いで多くの犠牲を払うことになったのか。それをより多くの方々が理解してほしいのである。オレは毎週欠かさず大河ドラマをみている。
そして参拝のついでに、このお茶目な「アフロ石仏」にもぜひ目をとめてもらいたいのである。どうやら金戒光明寺の方ではあまりこの「アフロ石仏」の売り出しには熱心ではないのだ。それで境内にも「アフロ石仏はここにあります!」という案内は実にさりげなく、目立たない形でしかなされていないのである。
参拝を終えればまっすぐ西へ坂を下りていこう。聖護院の西には「河道屋養老」という蕎麦屋がある。また東大路に出れば「ビイヤント」という京都で一番おいしいカレーのお店もある。アフロ石仏の後はおいしくしめくくればいいのである。
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