2013年01月19日(土) |
橋下市長よ、体罰事件を利用するな! |
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桜宮高校の体育教諭による体罰暴行事件で生徒が自殺したことを受けて、橋下大阪市長は「桜宮高校体育科の入学試験の中止」「桜宮高校全教員の異動」「大阪市立の高校を府立に移管」という3つの方針を打ち出した。これに従わなければ予算を執行しないというブラフも仕掛けてきた。
体罰を行って生徒を結果的に死なせた教員が「暴行罪」「傷害致死罪」などで告発されるのならばオレは全面的に支持したい。しかし、それ以外の提案は果たして妥当だろうか。そもそも入学試験を目前に控えたこの時期に「中止」などということになれば、受験勉強していた中学生にとって青天の霹靂である。それだけは絶対に阻止しないといけない。
全教員が一気に異動させられたら、学校の機能は完全にマヒしてしまう。仕事を引き継ぎ、生徒の情報を引き継いで学年が進行していくのであり、そのためには教員の入れ替えは1割程度、10年でほぼ全員が入れ替わるというのが今の大阪府立高校の標準的な姿である。一度に総替えなんてことになれば、新たにやってきた教員たちは何をして良いかわからずに途方に暮れることになる。
市立高校の府立への移管はどうか。大阪府の市立高校全体の教員数や生徒数は決して少ないとは言えない。鳥取県や島根県の県立高校よりも規模は大きいはずである。その中でしか異動ができないとしても、さほど問題があるとはオレには思えない。
今回の3つの要求は教育委員会側への脅しである。自分に逆らう者に対してはゼニの問題をちらつかせて屈服させ、要求に従わせることで自分の力を誇示しようとしているのだ。先に無理な条件や過大な要求をして、そこから譲歩してやったと相手に恩を売るのは橋下氏の交渉術の特徴であり、彼の著書にも詳しく書かれている。
橋下氏は何事も戦略的にとらえなければ気が済まないのかも知れないが、オレはそんなことは望んでいない。今、彼にしてもらいたいことはただ一つ、亡くなった男子生徒のことを、彼が感じた痛みや無念さを理解してもらいたい。子を持つ親として、我が子を奪われた親の悲しみに向き合って欲しいのだ。事件を管理強化の道具にしようとして政治的に動くのではなくて、一私人として悲しみを受け止めてもらいたいのである。
理不尽な形で我が子を奪われたご両親の悲しみを受け止め、その願いを実現して加害教員にきちっと責任を取らせること。それだけで十分じゃないか。どうして政治的、戦略的にものごとを考えようとするのか。オレが納得できないのはその部分である。
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