2012年12月03日(月) |
「トンネル安全神話」は崩れたのか? |
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中央道の笹子トンネルの天井が崩落し、走行中のクルマが押しつぶされて死者が出るという大惨事になった。オレは日本の土木技術は世界一だと思っていたので、このようなニュースに接すると驚いてしまうのである。読売新聞の記事を引用しよう。
中央道トンネル天井崩落、5人死亡・けが2人
2日午前8時5分頃、山梨県大月市と甲州市にまたがる中央自動車道上り線の笹子トンネル(全長約4・7キロ・メートル)内で、コンクリート製の天井板が崩落した。
県警などによると、車3台が下敷きになって2台が炎上し、ワゴン車から3人の遺体が、乗用車からも遺体が見つかった。また、下敷きになった保冷車の男性運転手も死亡が確認され、事故による死者は5人となった。負傷者は2人。県警などは、ほかにも取り残された人がいる可能性が高いとみて確認を急いでいる。
崩落は笹子トンネル上り線の東京側出口まで約1・7キロ・メートルの地点で発生。中日本高速道路(NEXCO中日本)や県警によると、天井板が長さ約110メートルにわたって崩れ、走行していた車両の上に落下した。
炎上し、3人の遺体が見つかったワゴン車は多摩ナンバーのレンタカーで、6人が乗っていたとみられている。負傷者のうち、足のやけどなどで2週間のけがを負った神奈川県三浦市の銀行員の女性(28)が、「5人と一緒にレンタカーに乗っていた」と話している。炎上したもう1台は山梨ナンバーの乗用車で、深夜になって車内で遺体が確認された。
(2012年12月3日00時35分 読売新聞)
オレもこのトンネルはかつてクルマを運転して通過したことがある。作られてから長い年月が経過しているだけに、天井を支えている梁なども経年劣化していたことは確実だ。長期間交換されずに放置されていたということは、もしかしたらこの構造物が「永久に大丈夫」だと勘違いしていたのではないか。
日本には多くのコンクリートで作られた施設がある。道路や橋、トンネルなど日本のいたるところにあるそれらの施設が、経年劣化によって建て替え時期を迎えるのだ。そのためにかかる経費は莫大である。しかしそれを放置すればこのような大事故につながるのである。
同じ形式の天井を持つトンネルは日本にあと何カ所あるのだろうか。それらすべてが同様の危険を抱えてるのである。いつ天井が崩落するのかわからないトンネルを通過する時にドライバーは安心して運転できるのだろうか。
安全が確かになるまできちっと点検するなら多くのトンネルを通行禁止にしないといけない。年末年始に通行止めが行われると帰省客のラッシュはたいへんなものとなるだろう。しかし、だからといって危険なままで通行させるわけにもいかないのである。トンネル安全神話は完全に崩れたわけで、日本中のトンネルが「大丈夫なのか?」という不安にさらされているのだ。
それにしてもなんであんなに重たい天井板をつり下げていたのだろうか。落下しても安全な軽量な天井になぜできなかったのか。それもオレは不思議なのである。あんな構造ならば地震の時も容易に崩落するだろう。そうした構造的危険がなぜ今まで気付かれなかったのかとオレは不思議に思うのだ。
今回事故があった中央道・笹子トンネル上り線の復旧の目処は全くたってないそうである。これから年末年始を迎える中で、中央道が通行できないということになればかなりの大渋滞が発生するのは間違いない。残った1本のトンネルで交互通行にしても、交通量をさばききれないのは確かである。
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