2012年10月24日(水) |
自然の神秘を見せられたぜ! |
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ダム湖に大量の藻が発生したりすると大変である。悪臭が漂ったり、水質が悪化して水道水がまずくなったりする。しかし、短期間でこんなことが起きることもあるのだ。読売新聞の記事を引用しよう。
ダム湖覆う浮草消えた…景観回復の意外な功労者
ハイキング先としても人気のある兵庫県川西市の一庫(ひとくら)ダムで、水面を覆っていた外来雑種の水生シダ植物「アイオオアカウキクサ」(アカウキクサ科)が今夏、突然消えてなくなり、元の美しい景観を取り戻した。
大量発生した蛾(が)の幼虫にウキクサの葉が食べ尽くされたためで、幼虫もその後、自らの足場のウキクサをなくして水中に沈み、魚の餌食になったとみられる。ウキクサ駆除に頭を悩ませていた関係者の間では、予期せぬ“救世主”に「自然の神秘を見た思い」と驚きの声が上がっている。
一庫ダムには約95万平方メートルの水面が広がり、周囲を山に囲まれた美しい景観を求めてハイキングなどに年間約30万人が訪れる。
ウキクサは昨年8月、ダムの約1キロ上流で初めて確認。緑の葉は瞬く間に増殖し、今年になって水面の約2割を占拠した。兵庫、大阪両府県の8市町約60万人の飲料水に使われているだけに、一庫ダム管理所には「水質に問題はないのか」などと心配する声が寄せられていた。
変化が現れたのは、今年7月。水面を覆っていた緑色の葉が徐々に灰色になって領域を狭め、1か月余りでほぼ姿を消した。同管理所が調べたところ、ウキクサの葉に蛾の幼虫が大量発生し、食べ尽くしたことがわかった。
幼虫は体長約1センチで、「ミズメイガ」と呼ばれる蛾の仲間。同管理所ではオイルフェンスを張るなどウキクサの大がかりな回収法を検討したが、自然が短期間で解決した形で、同管理所長代理の大牧千木さん(52)は「自然が自らの力で回復してくれた。再び繁殖する可能性があるので、今後も注意深く観察したい」とする。
ウキクサは大阪城の堀や淀川でも発生し、枯死すると底に沈んでヘドロの原因になるため問題化している。大阪府水生生物センター(寝屋川市)主任研究員の内藤馨さん(54)は、一庫ダムについて、「聞いたことのない現象」と驚き、「幼虫がそのまま成虫になった場合、それが害虫になる恐れもある。他の場所で、駆除方法として蛾を利用するのは難しいのでは」と話している。
(2012年10月23日14時57分 読売新聞)
記事にもあるように、今回はたまたま浮き草を食べてくれたミズメイガの幼虫が、成虫にならずに魚に食われてしまったということである。もしもそのまま大量に蛾となって飛び立っていれば別の被害が発生したのかも知れず、この方法が常に他のダム湖でうまくいくとは限らない。ただ、うまく成功すればコストの点でとても有利である。
普通こういうことが起きると農薬を撒いたり、除草剤を撒いたりして解決しようとするが、今回は「何もしないで放置」というのが結果的にはよかったのである。全くものごとはわからないのである。
除草剤とか殺虫剤とかを使うことしか考えてない硬直した役人や御用学者や土建屋どもと違って、市民レベルでこのような事例を見ると参考になることが多い。客観的な立場で自由に発言できるアマチュアの研究者にもっと活躍してもらって、このような「天敵利用のさまざまな方法」を編み出してもらいたいのである。
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