2012年05月24日(木) |
スカイツリー駅なんていやだぜ! |
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東武伊勢崎線の「業平橋」駅が、「とうきょうスカイツリー」駅に改名した。古典文学にちなんだ由緒ある地名をどうして捨てないといけなかったのか。伊勢物語の「東下り」の段では、在原業平たちの一行が隅田川で渡し船に乗る場面がある。目の前にいる白い鳥の名前を知りたくて、船頭に訊ねると、船頭は「都から来たのに、都鳥も知らないのか」とぶっきらぼうに答える。(この「都鳥」というのはユリカモメのことらしい。)そこで業平はこんな歌を詠む。
名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと
都という名を持っているのならば、さあ、尋ねよう。都鳥よ。
私が恋しく思ってる人は(都で)無事に暮らしているのかどうか。
その和歌を聞いて船の中の人はみんな涙を流すのである。そして業平が隅田川を渡ったあたりとされる場所には「言問橋」という橋がかかっているのである。そんな由緒ある場所がこの付近なのだ。
だからこそオレは「業平橋」という駅名を残して欲しかったのである。それが「スカイツリー駅」にされてしまうことで、歴史の大切な遺産がそのまま忘れ去られてしまうような気がしてならないのだ。なぜ「業平橋」のままではいけなかったのか。スカイツリーの最寄り駅は「業平橋」でもよかったじゃないか。
オレは「地名」というのは簡単に変えるべきではないといつも思うのである。その地名にはさまざまな歴史にまつわる由緒があるはずだ。それを現代風にどこにでもあるありふれた名前にしてしまうことで個性も失われてしまい、もちろん歴史も忘れ去られてしまうのである。
最近の若者は古典文学なんかまず読まない。ラノベか漫画ばかり読んでいる。「伊勢物語」なんてもちろん読まないし、在原業平と言われても「なにそれ? ざいげんぎょうへい?」という調子で満足に名前も読めないのである。実に嘆かわしいが本当のことである。そういう時代にオレが「由緒ある駅名を守れ!」と主張しても笑われるだけかも知れない。しかし、オレはこの「業平橋」という駅名が消えることが本当に残念なのであった。
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