2012年05月07日(月) |
なぜ「平清盛」の視聴率が上がらないのか? |
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オレは毎週日曜日の夜にNHKで「平清盛」を見ている。なぜかというとけっこうこのドラマは時代考証がしっかりできていると思うからだ。武士たちの小汚いスタイルもリアリティがあっていい。少なくとも前回の「江」よりははるかにマシである。「江」は「なんでおまえがそんなに出しゃばってるだよ」と突っ込みたくなるシーンが満載だったからである。
それなのにこの「平清盛」は視聴率が伸びないのである。もしかしたら最低視聴率を記録するかも知れないのだ。なぜなんだろうかとオレは一緒に見ている父に登場人物の人間関係を説明していてふと思い当たったのだ。「みんなストーリーがわかってないのじゃないだろうか」と
たとえば源義朝が父の為義に向かって「わたしは父上をお守りします」と叫ぶ場面があった。これは保元の乱で親子が敵味方に分かれ、義朝は父である為義を処刑する側となることを思うとなんとも皮肉な演出である。しかし、ドラマを見ている人の何割がそれに気がついたのかということである。
登場人物が多すぎることもまたストーリーをわかりにくくしている。実は今日オレは天皇家の系図を紙に書いて父に説明したのである。それでやっと鳥羽法皇、崇徳上皇、重仁親王、近衛天皇、雅仁親王(後の後白河法天皇)の関係を父は理解したのだが、テレビを見ている人の何割がきちっと同じこと説明できるのか。オレがちゃんと背景を説明できるのは大学で日本史を専攻していて受験勉強でもマニアックに覚えていたからである。また保元物語、平治物語や平家物語などの軍記物語も読んで知っているからである。
これを全部解説してしまえば、これから保元の乱に至る部分がネタバレになってしまって面白くないということなんだろうか。それにしてもあまりにも不親切でわかりにくいのである。
せっかくリアリズムを追求して男同士のラブシーンまで作ってるのである。当時の貴族がバイセクシュアルだったことはさまざまな文献に登場する。「とりかへばや物語」にも両刀遣いの変態野郎が出てくる。あの時代の男は女性を愛するのと同様に男性もまた愛したのである。一つ間違えば視聴者にそっぽを向かれてしまうような場面を作っているその勇気をオレは評価しているのだ。それなのに視聴率が上がってこない。それはあまりにも筋がわかりにくいからである。
次回はいよいよ鳥羽法皇が亡くなって、保元の乱へと突入していく予定である。今の時点で出ている登場人物が戦いでどちらの陣営になるのかを全て把握できている視聴者はどの程度なのだろうか。それほど多くないだろう。
まじめに作られたこの「平清盛」がもっと人気が出てもいいのにと思いつつ、オレはとても残念な気がするのだった。どうしてお馬鹿な番組ばかりが幅を利かせているのだろうかと。視聴者のレベルが下がっているからと、それに合わせた番組ばかり作っていてどうするんだ。全く嘆かわしいぜ。
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