2011年11月02日(水) |
日銀の為替介入で大もうけした人たち |
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月曜日の朝、為替取引のボリュームが薄くなるスキをついて瞬間的に1ドルが75円台前半という安値をつけた。そのタイミングで日銀は大量の円売りドル買い介入を行った。かねてからウワサされていた為替介入である。瞬間的に1ドルは79円台半ばまで4円近く上昇したが、それも束の間のこと、すぐに77円台まで戻した。この激しい為替の動きを利用してぼろ儲けしていた人たちがいる。それはFX(為替証拠金取引)をしていた人たちである。彼らは「必ず日銀のドル買い介入がある」と期待して、ドルを安値で拾って待ちかまえていたのである。
FXの場合、個人投資家でもレバレッジ25倍という取引が可能である。これはどういうことかというと、たとえばサイバーエージェントの子会社が運営する「外貨FX」の場合、1万ドルの買いポジションを取るのに必要な証拠金は32000円である。320万円あれば100万ドルの買いポジションがとれるのだ。320万円の証拠金で100万ドルの買いポジションを1ドル=75.5円の時に建てたとする。日銀の介入で1ドルが79.5円まで上がった瞬間にその買いポジションを売って決済すれば、400万円の利益が出る。日銀のドル買い介入後のほんの数分でこの4円分の動きがあったわけで、全力でドル買いポジションを取っていた人たちはみな、莫大な利益を上げることができたのである。日銀の円売り介入で一番得をしたのはこの方たちだった。
為替取引をしている彼らは国益などとは無縁のところにいる。外国為替の取引は単純で、上がるか下がるかしかない。今回の場合、日銀のドル買い介入が起きる可能性が極めて高かったわけである。それで参加者たちは「ドル買い」というポジションをとって、日銀介入後の高値で売り抜けようとしたのである。朝日新聞の記事を引用しよう。
為替介入の裏で…FX取引、過去最高 10月31日
個人投資家らが通貨を売り買いする「外国為替証拠金取引(FX)」公設市場では10月31日、円・ドルの取引量が2005年に取引が始まってから過去最高になった。介入で相場が大きく動くのに乗じてもうけようと取引が殺到したからだ。
急増したのは、東京金融取引所の「くりっく365」。31日の円・ドル取引量は83万6206枚(1枚=1万ドル分の取引なので、約6500億円)に達し、前営業日の28日の10.7倍になった。これまでの最高も、政府・日銀が介入した8月4日の67万826枚(同約5200億円)だった。
FXは通貨売買でもうけようとする。たとえば、1ドル=75円(円高ドル安)の時にドルを買い、1ドル=80円(円安ドル高)で円に換えれば、5円のもうけになる。業者に証拠金(元手)を預ければ、最大25倍の額を投資ができるため、少ない手持ち資金で多くのもうけがねらえる。一方、元手を簡単に失ってしまうおそれもある。
多くの投資家らが「いつか円売りドル買い介入がある」と予想し、ドルを買いためていたようだ。介入で円安ドル高になり、いっせいにドル売り円買いでもうけに走ったとみられる。
せっかくの日銀の円売りドル買い介入も、「上がったらドルを売りたい」と目論んでいたトレーダーたちの売り浴びせによって骨抜きにされてしまったのである。いったい誰のために為替介入したのか。
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