江草 乗の言いたい放題
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2011年09月18日(日) 田舎の赤字ローカル線はなぜなくなるのか?        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 十和田観光鉄道と言えば、地元では「とおてつ」の略称で呼ばれていて、かつては三沢駅前に商業施設を持っていたほどだし、今でも路線バスやタクシー、観光バスなどに事業展開してる。しかし、鉄道事業はずっと大幅な赤字のままで、利用者も少なくそのまま継続するかが議論されてきたのである。今回、地元はこの鉄道をいらないと思ってることがはっきりしたのである。読売新聞の記事を引用しよう。

十和田観光電鉄、3自治体が支援要請にそっぽ
 十和田観光電鉄(本社・青森県十和田市)の鉄道事業の存廃問題で、同社から財政支援を求められていた沿線3市町は15日、要請を拒否する方針を固めた。
 複数の自治体幹部が明らかにした。3首長が近く個別に会談して意見集約し、同社にそうした考えを伝える予定。存続の条件に掲げてきた財政支援が絶望的となり、同社は厳しい判断を迫られることになる。
 この日までに各自治体とも同社による議会と住民への説明会が終了した。住民説明会では十和田市と六戸町では、「何とか残してほしい」などと存続を求める意見が多かった一方で、三沢市では消極的な意見が多く聞かれた。また、3議会は「延命策に過ぎない」といった否定的な意見が多数を占めた。さらに、利用者の間でも、大規模な署名運動など存続を求める動きが広がらなかった。
 こうした状況から、各自治体とも「支援は困難」との考えを固めたとみられる。いずれの自治体も財政状況が厳しく、当初から巨額な支援は難しいとの見方がもっぱらだった。ある自治体幹部は「どこも腹は決まっている。この期に及んで、(支援を了承する)逆転劇はあり得ない」と話している。
 関係者によると、小山田久・十和田市長が20日にも、種市一正・三沢市長と吉田豊・六戸町長と個別に会い、支援に否定的な考えを伝える予定。両首長もこれに応じる構えで、今月下旬には合意内容を同社に伝えるという。
 同社は事業存続に今後10年間で計約5億2000万円の財政支援が必要と見積もっていたため、さらに窮地に追い込まれそうだ。3市町からの回答を踏まえ、最終決定の期限としていた今月末にも、同社が廃止に踏み切るかどうかが今後の焦点となる。
 同社の白石鉄右エ門社長は15日夜、六戸町であった住民説明会後に記者団の取材に応じ、「鉄道を残していただけるようこちらの思いは説明してきた。3市町からの回答をお待ちしたい」と語った。
(2011年9月17日12時54分 読売新聞)


 必要なゼニは10年間で5億2000万円ということだから、孫正義からみれば鼻くそみたいな金額だが、地元自治体はその拠出を拒んだのである。もちろんどこの地方自治体もゼニがないわけで、そうしたフトコロ事情ももちろんあるだろうが、本音は「鉄道なんかいらない」ということなのである。田舎で鉄道を利用しているのは老人と高校生くらいで、住民は普通はクルマばかり使っているのである。どんな田舎にも巨大なイオンモールが建っていて、場合によっては半径50キロくらいの客をカバーしてしまうわけだからちゃちな駅前の商業施設などは太刀打ちできないのである。この十和田観光鉄道の地元にもイオンモール下田(←クリックすると大きな音が出ます。)という商業施設があって、地元民はみんなそこに行くのだ。

 オレは「地方の衰退」というのは駅前商店街の壊滅とイオンモールの進出がセットになって発生したと思っているが、そうした流れに対して地元自治体もそのまま容認するというのが今回の「財政支援拒否」なのである。もっとも民主党幹部がジャスコの創業者の息子である以上、政府がむしろイオンモールによる地方衰退を容認しているのが現状なんだが。

 地方ローカル線が赤字になるのは地元民が守らないからである。守りたかったらせっせと用もないのに乗ればいいだけだ。住民に「週に3回乗れ」とかいうふうにノルマを課して、そうして強制的に利用させれば黒字にできるのだ。黒字にするためには何人の乗客が最低限必要かということは簡単に計算できる。その乗客数を地元の人口で配分し、それぞれの市町村に「あんたところのノルマはこれだけですわ」と押しつけて乗ってもらえばいいのである。ただゼニを鉄道会社に渡して支援するのではなくて、市町村が公費で乗車券を購入して、その乗車券を押しつけて無理に乗ってもらって支援にあてるのがいいとオレは思っている。

 もっとも和歌山電鉄のように猫を駅長にするという方法で、地元民以外の乗客を集めるというやりかたもないわけではない。十和田観光電鉄もそうした「奇策」で打って出るという手もあったかも知れない。

十和田観光鉄道の場合は「鉄道などなくても誰も困らない・・・」というのが地元自治体の首長の本音なんだろう。そんな中ではローカル線を守っていくことは不可能だ。もはや命運は尽きたのである。


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