江草 乗の言いたい放題
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2011年07月24日(日) 中国高速鉄道は安全ではなかったのか・・・        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 日本やドイツの技術を寄せ集めながら「独自技術」と自国民には宣伝して開業した中国の高速鉄道で、起きてはならない大事故が起きて死者が出てしまった。読売新聞の記事を引用しよう。

中国高速鉄道が停止中の列車に追突、11人死亡
 【北京=関泰晴】新華社電などによると、中国東部・浙江省温州で23日午後8時半(日本時間同9時半)頃、北京発福建省福州行きの高速鉄道列車が、止まっていた浙江省杭州発福州行きの別の高速鉄道列車に追突、杭州発の列車の2両が橋から川へ落ちた。
 新華社は、この事故で11人が死亡、89人が病院に運ばれたと伝えた。上海の日本総領事館は日本人が事故に巻き込まれていないかどうか調べている。突貫工事が続いた中国の高速鉄道は、安全性をめぐって不安の声が出ていた。
 中国中央テレビによると、事故当時に付近で落雷があり、信号システムが故障した杭州発の列車が線路上で止まっていたという。追突された列車は満員で、1300〜1400人の乗客がいたとの情報もある。落下した車両に乗客が閉じ込められている模様。現場で消防当局の救急隊員が乗客の救出にあたっている。
(2011年7月24日01時46分 読売新聞)


 今回の事故原因は「落雷で信号システムが停止した」ことにあったという。昨今の列車衝突事故の原因はたいていこうした信号トラブルである。しかし、日本の新幹線のように集中指令室で全列車の運行が制御されているシステムならばこのような事故は起きただろうか。もちろんオレは中国の列車運行システムを知っているわけではないのだが、中国政府にとって今回の事故は大きなショックだっただろうと思うのだ。そして、これまで順調に発展を遂げてきた中国経済に、この事故によってなんらかのブレーキが掛かることをオレは危惧するのである。

 毎日新聞にはこういう記事があった。どうやら今回の事故が起きた路線というのは、専用の高速鉄道路線ではなくて、在来線の線路上に高速鉄道の列車を走らせている区間で起きたということらしい。

中国高速鉄道:中国当局に衝撃 「新幹線」に不安も
 【北京・工藤哲】脱線した高速列車の一部車両は高架橋に引っかかったまま直立し、うち2両が落下して地面に直撃した。中国浙江省で23日起きた事故は、これまで鉄道の安全性を強調してきた中国当局に大きな衝撃を与えた。開業したばかりの高速鉄道・北京−上海間(中国版新幹線)でもトラブルが相次いでおり、不安の声が高まるのは必至だ。
 中国中央テレビ(CCTV)などによると、事故当時、車内はパニック状態に陥り、乗客の一部は脱線の衝撃で車外に投げ出された。車両が陸橋にぶら下がる危うい状況の中、駆けつけた救急隊員が乗客の救出活動に追われていた。
 平均時速が50キロ未満だった中国の鉄道は、97年に高速度化に着手。07年には在来線で時速200キロを超す高速列車を本格導入するとともに、並行して「高速鉄道」(中国版新幹線)の建設も主要都市間で進められた。
 今回事故のあった路線は今年6月末に開業した北京−上海間のような「高速鉄道」とは異なり、在来線を利用して高速鉄道と同じ「和諧号」と呼ばれる、時速200キロ以上で走行可能な別タイプの列車を走らせていた。
 いずれも車両は白地に青いラインを基調とし、胡錦濤国家主席が提唱する「和諧(調和)社会」にちなんで「和諧号」と名づけられた。
 ただ、北京−上海間ではトラブルが相次ぎ、工事の過程では鉄筋の強度不足の疑いも浮上。構造に見合った速度設定がなされているのか疑問視する意見も出ていた。10日には山東省で雷雨のため架線が故障、12日にも安徽省で電力供給設備が故障して緊急停止した。
 また、元鉄道省幹部が地元紙に対し、技術的な裏付けのないまま「世界一」にこだわり、最高時速を時速350キロに設定したと証言。開業直前になって300キロに下方修正された経緯もあった。


鉄道事故と自動車事故、どちらが遭遇可能性が高いのだろうか。オレはクルマを運転していてよく思うのだが、ちょっとした運転ミスでいつでも大事故につながるクルマに比べれば、鉄道の方がはるかに安全な交通機関であると思うのだ。それは絶対的な事実だ。しかし、中国の場合、そもそも自動車事故の件数が日本とは比較にならないくらいに多いのである。日本では年間の交通事故死亡者数は5000人以下(平成21年度は4914人)である。ところが中国は年間に10万人以上の死者が出ているという話である。そうした情報はなぜか外には出てこないのである。

 日本の修学旅行生(高知学芸高校)が上海郊外で大規模な列車事故の犠牲になって多くの死者が出たということがあった。その事故の時、当然賠償がなされるものだと思ってた学校側は、中国にその概念が存在しないことを知って唖然としたという。「死んだらそれでオシマイ」というのが中国の価値観であり、死者に対しての賠償など不要という答えが返ってきたのだという。信じられない話である。オレが中国を旅行するとしたらやはりそこが不安なのだ。

 今回の列車事故で高速鉄道側がどんな賠償を行うのかがオレは気になるのである。また、中国で大量に起きているはずの交通事故の補償はどうなってるのか。日本のような自賠責システムが中国には存在するのだろうか。そうしたことを含めてオレは今回の事故の経緯を見守っている。「安全」を軽視している社会なんてろくなもんじゃないぜ。


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