2011年04月16日(土) |
そんなはした金が何になるんだ? |
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普通の生活を送っていた市民がいきなり「この場所は危険ですから避難して下さい」と言われ、数日間の旅行に出る感覚で身の回り品だけしか持たずに避難させられた。迷惑な話である。しかもその数日の避難のはずがどんどん長引き、もしかしたら永遠に戻れないかも知れないことになった。本当に理不尽な話である。こんな迷惑を押しつけられ、日常生活をめちゃめちゃにされたとしたら、どうやって償ってもらえるのか。その被害は金銭には換算できないほど大きいモノである。
失ったのは家や土地といった目に見える財産だけではない。その土地での生活、そこで毎日体験していた時間、近所に住む人々との交流、そういったすべての幸福をいきなり奪われたのである。このマイナスをどうすれば償えるのか。太平洋上に同じ面積の土地を埋め立てて出現させ、そこに街を再建すればいいのか。そんな津波の来そうな場所はいらないと誰もが言うだろう。それだけの広さの土地を買収して手に入れるとしたらどれだけの金額が必要だろうか。5万世帯にたかだか100万ぽっちのはした金を配って、それがどれだけ意味があるのか。仮払金にしてもあまりにも少なすぎるだろう。せめてその10倍のゼニを東京電力は払うべきじゃないのか。避難してからの一ヶ月でもう100万円以上使ってしまった世帯もあるはずだ。てめえらのせいで迷惑を受けてるんだぜ。そんな時は「おわび」の気持ちを金額で示すべきじゃないのか。その金額がたったの100万円なんて、あまりにも避難している人たちを舐めたような金額である。ふざけるな!とオレは言いたいのである。
読売新聞の記事を引用しよう。
東電仮払金、大型連休前にも支払い…5万世帯に
福島原発
東京電力の清水正孝社長は15日記者会見し、福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故で避難した30キロ・メートル圏内の住民に対し、1世帯当たり100万円、単身世帯は75万円の仮払金を支払うと正式発表した。
支払い対象は約5万世帯で、総額は約500億円。5月の大型連休前にも支払いを始める。
対象地域は、福島第一原発から半径20キロ以内と福島第二原発から半径10キロ以内の「避難区域」に加え、福島第一原発から半径20キロ〜30キロ圏内の「屋内退避区域」12市町村で、政府が今後「計画的避難区域」に設定する自治体も対象となる。
東電は15日から支払い方法について対象市町村と調整し、準備が整い次第、避難所で説明会を開き、申請書類を配布する。申請は郵送でも受け付ける。東電は、電話の専用相談窓口「福島原子力補償相談室」(0120・926・404)を設置する。仮払金は本人確認を経て、被災者が指定した金融機関の口座に振り込む。
(2011年4月15日18時36分 読売新聞)
この仮払金だけで500億円だ。その500億円を津波に対しての安全対策に使っていれば、今回のような事態にはならなかったのである。海岸に高さ20mの防潮堤を築き、さらに沖合に消波ブロックを置くなどの対策を立てるのに必要なゼニは500億円以下で済んだかも知れない。安全対策費をケチった結果、その何十倍もの出費になってしまうのはよくあることだ。東京電力の会長は骨身にしみたことだろう。迷惑を掛けた人たちへのお詫びとして自分の全財産をはき出して無一文になって、質素なアパート暮らしになってみろよ。
原発が「絶対安全」なものではなくなった。これはまぎれもない事実だ。今回のことで日本中の原発は津波対策を行うだろう。しかし、15mの津波に対して耐えられるように防潮堤を築いても、20mの津波が来れば簡単にその上を越えられてしまう。じゃあ20mの防潮堤を築いても、25mの津波が来るかも知れない。そういう対策ではきりがないのである。これまでに人類が一度も体験したことのない様な巨大地震が日本列島を襲うかも知れないのだ。そのときに「想定外の事態です。これで人類は滅亡します。我々原発の従業員はあきらめて全員退去します。」と逃げればそれでOKなのか。日本のせいで地球そのものがだめになったらどうするんだ。実際に東電の社員は3月12日にいったんあきらめて原発から全員逃げ出そうとしたじゃないか。敵前逃亡しようとした無責任な連中が原発を管理していたのだ。
いずれ日本地図の上から福島原発周辺地域は消されてしまうことになる。非居住区域とされてしまうのだろう。そのまま何十年その状態が続くのかわからない。我々はこの事態を「想定外の大災害」と呼ぶのだろうか。もしも原発を造らなかったらこんなことは起きなかったし、東京電力の幹部が安全対策費をケチってそのかわりに広告費をじゃんじゃん使い、原発は安全とアピールしてきた罪は永遠に消せないのである。その広告費をまともな使い方していればこんな大惨事にはならなかったんだぜ。
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