2011年04月01日(金) |
東京電力は下請け従業員を人間扱いしていないのである |
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津波で破壊された福島第一原発では、夜を徹して必死の復旧作業が継続している。放射線にさらされたその危険な現場で働いているのは、ほとんどが東京電力の社員ではなくて下請け会社の作業員である。高給取りの東京電力社員たちは自分たちがやりたくない危険な仕事を下請け会社に押しつけ、自分たちは安全なところにいるのだ。それは震災の二日後に「これは自分たちの手に負えない」と判断して、東京電力社員が全員その場から逃げ出そうとしたことに如実に表れている。
放射性物質の溶け込んだ水たまりの中で作業をした3人が被曝した事故の際に、放射線量を計る線量計が警告を発していたのになぜ彼らは作業をやめなかったのか。「線量計が故障していると思った」という言い訳はおそらく東京電力というお上からのお達しなんだろう。そうやって責任逃れをしようとしているのである。彼らが作業をやめなかった理由はただ一つ「下請けだから」である。
CANONの御手洗会長は自社工場での擬装請負を告発されたときに「ルールの方が間違ってる」と豪語したという。日本を代表するはずの企業のトップはみんなそんな感覚なんだろうか。労働者を使い捨ての資源くらいにしか考えず、働く者の誇りなんてものにはなんの価値も認めず、ただ利益を上げることに邁進しているのだ。大企業の多くはそうやって下請けを搾取することで巨大な利益を生み出しているのである。
今は就職難だと言うが、大学生たちが入りたがってるのはそうした序列の上位の企業であり、入りたがらないのは下請けにあたる企業である。その結果として多くの大学生が就職先が決まらないわけだが、中小企業は求人を出しても学生の方はなかなか来てくれないのだ。誰だって放射線の中で作業をするよりも、危険な作業を人にさせて、自分は高給をもらってふんぞり返ってる方がいい。
福島第一原発の復旧作業現場では作業員の身を守る「線量計」が不足しているのだという。備え付けの「線量計」の一部が地震で壊れてしまったからである。足りなくても作業はやらないといけない。だって下請けだから。東京電力から「やれ!」と言われればやるしかないのである。逆らうともう仕事はもらえなくなるのだ。線量計が足りないと言うことは、一部の作業員の被曝状況は管理できていないということになる。グループの代表者に一台だけ線量計を渡したとしても、それぞれの作業員は異なった作業をするわけで受ける放射線の量も違うだろう。そもそも原発で働く作業員は線量計を持つことが規則で定められていたはずである。そんなひどいことが今起きているのだ。
この事故は東京電力の管理下で起きているのではない。東京電力が危険で苛酷な労働を押しつけた下請け従業員たちの前で起きているのである。安全管理なんてことばはどこかに置き忘れられてしまっているのである。現場では日本を破滅から救うために命がけで働く多くの人々が居るのだ。そのほとんどは東京電力ではなくて下請け会社の従業員なんだが。
記者会見をまるで他人事のように行う東京電力の勝俣会長を見ていてオレは猛然と腹が立ってきたのである。記者たちは質問するときに所属と指名を名乗らされるという。うっかり核心に触れるような危険な質問をしてしまえば東京電力からの広告がもらえなくなってしまうだけに下手なことは訊けない。これが江戸時代ならば責任者は腹を切ってお詫びしたはずである。安全管理をないがしろにし、2009年に津波の危険を指摘されながら「どうせ自分の任期中には大津波なんか起きないだろう」と放置したことが今回の大規模な事故につながった。
予備電源を失って原子炉を冷却できなくなった時、東京電力の社員たちは現場を放棄して逃げることを考えたのだという。その危険性を一番よく知るからこそ、真っ先に逃げ出したいと思ったのかも知れない。その後始末はいったい誰がしないといけないのか。
もしも東京電力の会長や社長、役員という幹部の方々が福島原発に急行して、「こんな危険な作業は君たちにはやらせられない。あとは我々の役目だから」と自ら死地に赴いたならば、オレは彼らを国士と呼んだだろう。しかし、あのクソどもがそんなことをするわけがないのである。彼らは100%安全なところから他人事のようにこの事態を静観し、賠償はどうせ政府がやってくれるからと自分たちはがっぽり退職金をもらってさっさと逃亡するつもりなのである。オレは東京電力の幹部は刑事訴追されるべきだと思っているが。
福島第一原発は地震と津波によって破壊された。しかしその被害を拡大したのは東京電力幹部の不手際に尽きる。彼らが最初から「自分たちには無理だ」と詳しい状況を政府に伝えていれば、もっと早く状況は落ち着いていたはずである。
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