2011年03月08日(火) |
20世紀最悪の戦争犯罪国家はアメリカである |
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20世紀最大の戦争犯罪とは何か。この問いに対して誰もがナチスによるユダヤ人虐殺を誰もが思い浮かべるだろう。それではそれと比較できるような出来事は他にあるか。オレは広島長崎への原爆投下だと思っていた。しかし、ベトナムに散布された枯れ葉剤による健康被害の問題と取り組んだNHKのドキュメンタリー番組を見ていて思ったのである。被害を受けた人数、そして未来永劫に渡って犠牲者が出続ける可能性を考えたとき、この米軍による枯葉剤散布こそが20世紀最大の戦争犯罪ではないのかと。そして犯罪というのは加害者がその罪を認め、あるいは裁きを受けることになっているわけだが、この枯葉剤散布に関しては被害を与えた側の責任者が誰一人として罰を受けていないという点でさらに悪質であるとオレは思うのである。それは長崎・広島への原爆投下を「終戦のために必要だった」と正当化している政治家の発言にも表れている。アメリカこそが20世紀最悪の戦争犯罪国家であるとオレは断言したい。
枯葉剤が散布され始めたとき、アメリカ国内では「画期的な戦術」「人体には無害」という宣伝製造が流された。しかし実際は重大な健康被害をもたらすものであったことは誰もが知っている事実である。犠牲になったのは散布された土地に住むベトナムの人たちだけではなくて、そこで軍事行動に当たった米兵たちもまた枯れ葉剤の被害を受けたのである。
ベトナム戦争終結後、枯葉剤の被害を受けた米兵やその家族が、枯葉剤を製造した製薬会社に対して巨額の損害賠償を請求する訴訟を提起した。この訴えを成立させるためには「枯葉剤が健康被害を引き起こした」ということが立証されなければならない。しかし、それを認めると今度は400万人以上というベトナム国内の枯葉剤被害者に対してアメリカは全責任を負うことになるわけだ。だから米政府は一貫して「枯葉剤と健康被害の間に因果関係はない」という主張を続けた。この姿勢は今も変わっていない。
同様のことは多くの健康被害をもたらしている劣化ウラン弾に関しても言える。飛散する放射性物質による健康被害があること自体は当然のように想定されるのに、因果関係を認めないという点では枯葉剤と同じである。戦争を効率的に遂行するための道具が、これほどまでに人体に致命的なダメージを与える者であるということに関して、アメリカ政府の公式見解は「因果関係を認めない」の一点張りなのだ。
帰還米兵が製薬会社を訴えたその訴訟はある日突然「和解」という形で終了した。司法取引の国、アメリカらしい欺瞞の決着である。企業は莫大な金額のゼニを被害者に払う代わりに、以後同様の訴訟を起こさせないという形で発言を封じ込めたのである。この卑怯さこそが実にアメリカ的である。アメリカでは自由や公正という概念は常にゼニと結びついている。それは「万人にとっての自由や公正」などではないのである。「ゼニを持つ人間にとっての自由や公正」がアメリカではたまたま保証されているだけなのだ。
ベトナムでは今、新生児の2%がなんらかの障害を持って生まれて来るという。これは驚くべき高い確率である。無脳症などの重い障害がある場合は妊娠中絶を選択する親が普通だが、軽度の障害(たとえば四肢の欠損)ならば産む方を親は選ぶという。枯葉剤との因果関係を認めないアメリカは、ベトナムに対して医療支援は行っているがあくまでもそれは「枯れ葉剤を投下した側の責任」によるものではなく、人道支援のレベルにとどまっている。それは広島・長崎で被爆した人たちの健康被害に対して一切の責任を負わないことと同じである。
アメリカという国家にとって、戦争とはいったい何なのか。オレはその本質的な問題について考えると常に頭を抱えてしまうのだ。イラクやアフガニスタンでもはや大義名分を失った戦闘を継続している理由は何なのか。対テロ戦争という八百長をでっち上げてまで軍産複合体の利益を守ることがアメリカにとっての大義なのか。
その戦争犯罪国家は日本国内に多くの基地を展開している。日本はアメリカが国家として関わってきた戦争犯罪に対してなんの責任もないと言えるのか。少なくとも日本が平和国家を標榜するならば、ナチスドイツや大日本帝国だけではなくて、現代のアメリカこそが最悪の戦争犯罪国家であると訴えるべきではないのか。
オレはアメリカの「無人機爆撃」などを批判してきた。ゲーム感覚で人を殺戮するその理不尽さを非難し続けてきた。しかし、問題はそうした些末な事象ではなく、自分たちが戦争犯罪国家であることを認めようとしないその存在の本質にあるのではないか。良心の呵責を一切感じることなく虐殺を行い、自国が引き起こした戦争によってどれほど多くの人が死ぬことになっても、その事実に対して何の痛みも感じない無神経さこそがアメリカ大統領にとって必要な政治感覚ではないのか。
その戦争犯罪国家の軍事同盟国である日本は、アメリカが国家として行ってきた戦争犯罪行為を阻止するようなアクションを何一つとってこれなかった。むしろ積極的に支持してきた。そんな日本が平和国家などであるわけがない。憲法9条を掲げる意義などどこにも存在しない。オレはそれを実に悲しいことだと思うのである。
日本はアメリカや中国のような軍事覇権国家と軍事同盟を結ぶのではなくてきちっと距離を置くべきである。真に連帯すべき相手は国家ではなくて民衆である。民主化を叫んで立ち上がったエジプトやリビアの民を日本政府は支援すべきではないのか。すべての戦争犯罪を許さず、軍事的な威嚇には屈しないという姿勢こそが、日本がこれから国際社会でとるべき姿ではないのか。オレは日本がその方向に踏み出すことを民主党政権にちょっぴり期待していたのである。ここまで内部分裂して政争に明け暮れるクソみたいな連中であるとは思わなかったよ。
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