2011年02月02日(水) |
「空振」っていったいなんだ? |
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霧島・新燃岳の噴火で大規模な「空振」が発生して建物のガラスが割れたという報道を見て、オレは最初この「空振」というのが何かわからなかった。それを「くうしん」と読むことさえわからず、「空振り」と思って読んでしまったのだ。そして「空振りでガラスを割った」→「空振りしたときに手からバットが飛んでガラスを直撃」→「建物の中にいた人がケガ」というふうに一瞬勘違いしていたのである。なんとも間抜けな話である。「空振」を知らなかったという無知をさらけだしてしまったわけでまことに情けない話だ。ただ、オレのATOKはもちろん「くうしん」→「空振」という変換はしてくれないわけで、オレはこの「空振」という文字を入力するのに「からぶり」→「空振り」→「空振」と変換しているのである。
地面がふるえるのが「地震」なら、空気がふるえるのは「空震」だと思うが、空気が「振動」するという意味でこの「空振」というコトバを使っているのだろうか。とりあえずオレはこの「空振」をちゃんと「くうしん」で変換可能なように単語登録したのであった。毎日新聞の記事を引用しよう。
新燃岳噴火:「空振」、窓ガラス割れ けが人も
活発な噴火活動が続く霧島山系・新燃(しんもえ)岳は1日朝、4度目の大規模噴火を起こし、鹿児島、宮崎両県の周辺自治体に緊張が走った。噴火に伴う空気の震え「空振」によって鹿児島県霧島市では病院、ホテルの窓ガラスが割れ、けが人も出た。
同市牧園町の霧島温泉クリニックでは、空振によって病院内の窓ガラス3、4枚が割れ落ちた。ベッドで寝ていた入院患者の女性(92)が、額を切るなどの軽傷を負った。爆発当時、朝食中だった女性病院職員は「ドーンと音がしたのと同時に地震のような揺れを感じ、びっくりした。窓ガラスが割れており、患者さんも驚いていた」と話した。
また、霧島市牧園町の丸尾温泉地区の旅館やホテルでも、窓ガラスが割れた。同町高千穂の霧島国際ホテルでは、2階にある大浴場のガラス(高さ約2メートル)が粉々に割れ、従業員らが片付けに追われていた。
霧島市役所によると、1日午前10時ごろまでに、民家や官公庁、学校など10件以上の被害情報が寄せられた。
同市霧島田口の霧島総合支所では、1階玄関のガラス1枚が割れた。
火口から約10キロ離れた同市牧園町三体堂の三体小学校では、1階の火口側に向いた主事室の窓ガラスが割れた。爆発当時、ほとんどの児童が登校していたが、けがはなかった。校内にいた児童らは「すごい大きな音が一瞬して、びっくりした」と不安そうに話していたという。【田中韻】
火口側に向いていた窓が、噴火の衝撃波でガラスが割れるということだが、ではこの衝撃を人間が喰らったら吹き飛ばされるのだろうか。人間が吹っ飛んだということは報道されていないのでこれは突風ではないはずだ。空気中をどんな形でその衝撃が伝わり、そしてガラスが割れるのか。オレはそのメカニズムがどうも不思議だったのである。それでウィキを調べてみるとこのように説明されていた。
【空振】
空振(くうしん)は、火山の噴火などに伴って発生する空気の振動のうち、人間の耳で直接聞くことが難しいもの。人間の耳に聞こえる振動は爆発音と呼ばれる。
火山が爆発的な噴火を起こすとき、火口において急激な気圧変化による空気の振動が発生し衝撃波となって空気中を伝播することがある。火口から離れるに従って減衰し音波となるが、瞬間的な低周波音であるため人間の耳で直接聞くことは難しい。空振が通過する際に建物の窓や壁を揺らし、窓ガラスが破損するなどの被害が発生することもある。
爆発的な噴火を起こす桜島や浅間山などにおいてしばしば観測されており、主な火山の周囲には空振の大きさを測定するための空振計が設置されている。大きな空振は遠く離れた場所で観測されることもあり、1980年の米国のセント・ヘレンズ山、1991年のフィリピンのピナトゥボ山の噴火による空振は日本の観測機器でも記録された。また、2004年の浅間山噴火による空振は全国規模で気象庁の空振計に記録された。
なるほど。空気の振動といっても風のようなものではなく、低周波音の一つなのか。人間の耳では聴き取れないようなものだが、建物には被害をもたらすものであるということである。新聞を読む限りでは何なのかさっぱりわからなかったが、ウィキの説明を読んで少し疑問が解消したのである。「低周波音」であって「爆風」ではないわけだから人間が吹き飛ばされないのも当然である。しかし、「低周波音」というのは一般的に健康被害をもたらすものだ。だからもしかしたらなんらかの影響は起きているのかも知れない。人間以外の家畜や野生動物には低周波音を聴くことのできるものもあるだろう。その反応はどうだったのだろうかなどと興味は尽きないのである。
ただ、浅間山や霧島山などの火山のある観光地近くのホテルが、ガラス張りの展望大浴場を建設する場合、噴火による「空振」で入浴客にけが人が出る可能性を想定しておく必要があるのではないかと思ったのである。
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