2010年12月28日(火) |
心を亡くした弁護士の末路 |
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朝日新聞で次のような記事を発見した。
「事故で寝たきり」とウソ、賠償請求 東京の弁護士懲戒 2010年12月27日23時27分
第一東京弁護士会は27日、依頼人の交通事故の後遺症を誇張したとして、加茂隆康弁護士(61)を業務停止4カ月の懲戒処分とし、発表した。
同弁護士会によると、加茂弁護士は2001年12月、交通事故の後遺症があるという都内(当時)の男性から損害賠償請求の依頼を受けた。東京地裁に提訴する際、男性の介護は必要ないと知りながら「ほとんど寝たきり状態」と主張し、本来請求できない「将来の介護費(6400万円)」を盛り込んだという。
訴訟では後遺症の程度が争点となり、加茂弁護士は、実際は同居していない男性の母親が介護に専念しているよう装う書面などを提出。ところが、被告の保険会社側から、男性と母親が歩いて買い物している様子を撮影したビデオが証拠として提出され、うそが発覚した。
加茂弁護士は交通事故の損害賠償請求に関する著書が多く、ホームページには「弁護士がつけば、賠償金額が数倍になることもまれではありません」と記している。最近では裁判員裁判と死刑をテーマにした小説も執筆した。
記事によれば加茂隆康弁護士は事実とは異なる内容を盛り込んで交通事故の賠償金を水増ししていたわけで、この記事通りならば懲戒処分どころか弁護士資格剥奪がふさわしいような気がする。オレはこの加茂隆康弁護士という方に興味が湧いていろいろと調べてみたのである。本人のWEBサイトはすでに閉鎖されていたが、加茂隆康弁護士について詳しく書かれたWEBページを発見した。
弁護士による交通事故被害者の2次被害裁判終結
ここを読めば、この加茂隆康弁護士という方が交通事故被害者と誠実に向き合って遺族の心を癒すために最善の努力をするというよりは、依頼者をただの金づるとしか考えていないという印象を受ける。上記記事にある「賠償金額が数倍になる」というのは、「事実と異なる誇張された被害状況を巧妙に主張して、結果として高額の賠償をもぎ取る」ことだったようだ。
しかし、加茂隆康弁護士は最初からそんな方だったのだろうか。オレはそうとは思えないのである。まだ「危険運転致死罪」がなかった頃、飲酒ひき逃げであってもきわめて軽い罰しか受けなかった頃、交通事故被害者にとっては民事訴訟を起こして加害者から誠意ある賠償をさせることはなかなか困難だったと思われる。そんな中で「交通事故裁判のプロ」を自称する加茂隆康弁護士は頼りになる存在だったのかも知れない。
賠償金を高額につり上げれば自分に入ってくる成功報酬も増える。彼が最初に持っていた志をいつのまにか失って、訴訟手続きを流れ作業のマニュアル化してしまったことも、依頼者をただの金づるとしか思わなくなってしまったのは実に悲しいことである。しかし、そうした弁護士は実は多いのではないだろうか。事件に誠実に向き合う以前に弁護士は稼がないと食べていけないのである。大都市では競争も激しい。自分が抱えた一件一件の訴訟を通じてできるだけ多くのゼニを稼がないといけないのだ。
教師としてオレが教えてきた生徒たちの中には、法学部に入って司法試験を目指す者もいる。彼らが裁判官や検事、弁護士となったときにはどんな人になっているだろうか。社会的弱者を守るために正義を貫くという法律本来の目的を忘れ、ゼニのある側にすり寄るような人間には決してなって欲しくないのである。
どうか加茂隆康弁護士は初心に戻って、交通事故被害者のために戦う弁護士になって欲しいのである。事故によって大切な人を一瞬にして奪われた方々の心の痛みを理解し、誠実に依頼者と向き合う正義の弁護士として生まれ変わって欲しいのである。著名な弁護士としてこれまでに本も執筆し、すでにゼニは十分稼いだはずだ。これから先はゼニのためではなくて正義の実現のために仕事をして欲しいのである。
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