2010年10月20日(水) |
15歳の盗作少女が実は賞をとりまくっていた! |
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作家や詩人といった人たちにとって、「盗作」というのはもっとも恥ずかしいことである。しかし現代はその「盗作」というものが比較的容易に行われてしまう。ネット上にいくらでも詩や小説が落ちているからである。そしてその盗作作品が容易にコンクールで入賞してしまうのである。
産経新聞の記事を引用しよう.。
「盗作」の中3少女、福岡と前橋の詩コンクールでも賞取り消し 2010.10.19 20:06
このニュースのトピックス:不祥事
インターネットに掲載された詩に酷似した作品で「詩と思想」新人賞が取り消しになった中学生が、福岡県柳川市と前橋市のコンクールで受賞した詩でも盗作をしていたとして、両市は19日、賞を取り消したと発表した。
受賞者は秋田市の中学3年の少女(15)。柳川市教育委員会によると、昨年度の同市主催のコンクール「白秋献詩」で最優秀賞「文部科学大臣賞」を受賞したが、家族から15日夜、辞退したいとの連絡があり、調査の結果、盗作と判断した。
少女は本年度も応募し「福岡県知事賞」に決定していたが、家族の申し出を受け該当者なしとした。
前橋市によると、少女の作品は今年9月発表した市主催の「第14回詩のまち前橋若い芽のポエム」中学生の部で金賞に決まっていた。16日に父親から「酷似している作品があるので辞退したい」とメールがあった。市は本人に、自作で未発表かどうか確認したが、見抜けなかったという。
こちらはスポーツ報知の記事である。
中3少女、詩をコピペ 受賞歴24回で4作盗用
第19回「詩と思想」新人賞に選ばれた作品がインターネットからの盗作だったとして主催者から受賞を取り消された秋田市の中学3年生の少女(15)の保護者が、群馬県前橋市と福岡県柳川市のコンクールでも同様の盗作があったとして受賞の取り消しを申し出たことが19日、分かった。両市は申し出を受け、賞を取り消した。中学校によると、少女は入学以降50以上のコンクールに応募し、24作品が入賞したが、前橋市と柳川市に応募した2年分計3作品の盗作を認めた。
中学校によると、少女は主に詩や論文などの作品を学校経由ではなく、個人的にコンクールに応募していた。入学してからの応募総数は50以上とみられ、入賞数は2008年に3、09年に14、10年に7の計24作品。選考途中まで進んだのは10作品あった。学内では、表彰数がずば抜けて多いと評判になることもあり、校長が朝礼などで少女の受賞を紹介したことが数回あったという。
少女の保護者は学校に対し、主にインターネットの投稿掲示板「プロ詩投稿城」からほぼ全文をコピー&ペーストするなどの盗作を繰り返したと説明している。盗作発覚の発端となった第19回「詩と思想」新人賞の受賞は10日に決定したが、地元紙が少女の取材をしようと問い合わせをしたところ、様子がおかしくなり、保護者に対し、盗作を認めたという。
少女は第19回「詩と思想」に応募した作品以外に、新たに3作品の盗作を認めた。今年の前橋市「第14回詩(うた)のまち前橋若い芽のポエム」では金賞を獲得したが、保護者が辞退を申し入れた。また、柳川市出身の詩人、北原白秋をしのぶ「白秋祭」で詩碑の前で朗読される「白秋献詩」でも、09年に文部科学大臣賞、10年に知事賞を獲得したが、いずれも保護者が「ネット上の作品と酷似している」として賞の取り消しを申し出た。校長は「このようなことになり、大変残念に思っています」と話した。
国内初となるコピペ判定ソフトを開発した金沢工業大学の杉光一成教授は「コピー&ペーストは“麻薬”のように常習性がついてしまいます。簡単に、技術なしで完成された文章を自分が書いたような錯覚に陥ります。周囲の期待もあるし、やめられなかったと思いますが、カンニング、詐欺行為といえます」と指摘した。
また、ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「生徒だけでなく、役所、学生、会社員、メディアと程度の差こそあれ、あらゆる現場でコピペは横行しています。最終的には、著作権とどう向き合うのかという問題。自由な競争の中で独創性は育まれていくと思います」と話している。
そもそもこういうコンクールに応募するのは「自作」でかつ「未発表」ということは常識なのであり、そんなことを無視して「他人の作品」でかつ「すでにどこかに発表されたもの」を堂々と使われるなんてことがあれば大きな信用失墜行為である。
他人の書いた作品がインターネットで簡単に検索でき、しかも写すことも簡単にできるわけで、モラルの低い連中が増えてくればこれからもこの類の事件は増えるだろう。かといって賞やコンクールの審査員が他の作品を調べて類似や引き写しがないかどうかを調べるのはきわめて困難である。発表され、公開されてから誰かが気づいて指摘するまでわからないのである。
このような出来事が頻発する背景には「恥」の文化の喪失がやはり大きく影響していると思うのだ。「盗作だなんて、そんな恥ずかしいことをしちゃいけない」というモラルが消滅してるのである。
他人の作品を勝手に使う「盗作」は「窃盗」と同じである。発表された作品という他者の権利を侵害するからだ。「万引き」を「誰もがやってる」「たかが万引きくらい」と語るような人が増加したことも、このような盗作事件の背景にあるのだろう。
今回、盗作と言うことで受賞作から除外されたというこの作品、いったいどんな詩だったのだろうかとオレは知りたかったのである。
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