2010年09月11日(土) |
隠し味の秘密は守られるべきなのか? |
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食品メーカーは味が勝負である。当然ライバル社の製品の味を研究しつつ、いいものは盗もうとするだろうし、買ってきて分析することもあるだろう。どんな隠し味が使用されているのかを隠したいというのも十分理解できるのである。だからこういうニュースを聞いたら同情してしまうのである。
隠し味は企業秘密」鶏ガラスープ材料表示せず
調味料の原材料の食品添加物を故意に表示しなかったとして、農林水産省は10日、中華食材メーカー「ユウキ食品」(東京都調布市)に対し、日本農林規格(JAS)法に基づき改善を指示した。
同社は「隠し味の企業秘密なので表示したくなかった」と釈明しているという。
同省によると、昨年4月〜今年6月、鶏ガラだしの調味料「ガラスープ」に食品添加物のトレハロースが原材料に含まれているにもかかわらず、表示せずに233万個を販売。「オイスターソース」「甜面醤」などの調味料も同様に食品添加物を表示せず、2008年1月〜今年6月、計415万個の調味料を不正な表示で販売した。
ユウキ食品はJAS法に違反していることを認識していたという。
同社は「大変ご迷惑をお掛け致しました」とのコメントを出した。
(2010年9月10日23時45分 読売新聞)
これが中国なら「健康に害のある変な物質が添加されてるかも知れない」ということで大変な騒ぎになるところだが、幸い日本ではそんな馬鹿げたことを仕掛けてくる業者はないと思われる。だから添加物と言ってもたぶん害のないものだとオレは想像するのだ。それを他社にばれないように「隠したい」というのもわかるような気がするのである。ただ、それは人情であってもやはり添加物の表示に虚偽があってはならないわけだ。成分表示のところに「謎の隠し味」なんて書くわけにはいかないのである。
ただ、そうした添加物はすべてが表示可能なんだろうか。たとえば「くさやの干物」などの場合、どうやって成分を表示するのか。あの昔から伝わっている「秘伝のタレ」の成分はよくわかっていないのじゃないのか。それを表示することは可能なのか。そんな疑問をオレは感じるのである。
成分表示は含まれる重量の重い順番で書かれているという。自分がふだん食べているようなものでも見ていると意外な発見があったりする。
「秘伝」と呼ばれた味が、分析化学によってその秘密を暴かれてしまうのはなんだか夢がぶちこわされていくみたいで悲しいのだが、農水省にしてみればやはり監督責任があるのだろう。
昔読んだ「庖丁人味平」というマンガだったか。お吸い物を作っている時に汗が垂れて、その汗の塩分が決め手になったという場面があった。したたり落ちる料理人の「汗」なんかに左右されることにオレは納得いかなかったのだが、料理の世界をがんじがらめに法律で縛るのもまた面白みに欠けるのである。
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