江草 乗の言いたい放題
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2010年05月28日(金) 大阪では先生が足りません!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 橋下知事が就任してから、大阪では教師を目指す人が減った。給料がどんどん減らされたからである。非常勤講師の待遇も悪化した。授業をした分しか報酬が出ないのである。だから夏休みは仕事がない。仕方なくコンビニのバイトなんかをして食いつながないといけないのである。昨年インフルエンザで休校になった時、非常勤講師の賃金もカットされた。そんな理不尽なことがあるだろうか。このように劣悪な労働環境で誰が教師という職業を目指そうとするだろうか。橋下知事は「本当にやる気のある方なら、給料なんか関係なく来てくれる」という幻想を抱いてるのかも知れないが、優秀な人材を集めたいのなら待遇をよくするのが先だ。こんな状況で大阪の教育がよくなると思ってるのならなんておめでたい方かとオレはあきれてしまうのである。

 教師志望者の激減に伴って、大阪では教員定数が定員割れの状態になってしまった。すでに必要な人数を満たせていないのである。読売新聞の記事を引用しよう。

大阪の公立小中の先生、2600人定数割れ
 大阪府教委は年間を通じて講師の募集に力を入れている 大阪府教委が、財政難や少子化を理由に新規採用を抑えたことなどから、昨年5月時点で府内の公立小中学校の教員定数(3万8000人)を約2600人分、満たしていないことがわかった。
 不足分は、臨時講師で穴埋めしているが、精神疾患や産休で休職した教師を講師で補充できないケースが、昨年度以降、約450件に上った。その結果、学級担任が空席になったり、自習が続いたりと、学級運営や授業に支障が出る学校も出ているという。
 府教委によると、教員定数に満たない状態は十数年前から続き、講師を増やして対応。団塊世代の退職者数の増加で、府では08〜09年度に2823人が退職。それに対して09〜10年度の新規採用数は2436人にとどまり、教員の定数割れが広がった。各地の教員不足に伴う講師の奪い合いも重なり、ここ数年で講師不足が深刻化したという。
 府教委が09年度、臨時講師を補充できなかった事例を調べたところ、調査対象の41市町村(政令市を除く)のうち36市町で381件あり、今年4、5月にも20市で71件確認した。
 近畿でも同様の事情から教員定数を満たしておらず講師不足に陥っている。09年度に代替講師が1か月以上見つからなかったケースは兵庫県で42件、京都府で11件あった。ただ、東京都や福島県などでは定数を確保しているという。
 全国の実態について文部科学省は把握していないというが、同省初等中等教育局の担当者は「国は教員定数の3分の1の人件費を補助しており、定数分の教員を確保すべきだ」とする。
 大阪府教委・教職員人事課は「少子化で将来、教員の必要数が減少することもあり、新規採用をこれ以上増やすのは難しい」としている。(2010年5月27日23時00分 読売新聞)


 教諭を増やさずにその分を講師で補おうとする今のやり方で、教育の質が果たして守れるだろうか。少なくとも学級担任はすべて教諭で確保すべきだろう。教師の仕事は24時間スタンバイしていないといけない部分がある。生徒の家庭でトラブルがあれば深夜や早朝であっても家庭訪問しなければならない時もある。ところが橋下府政はそうした教師の仕事の中身を理解せずに「授業の時間分」だけしか賃金を支払わない非常勤講師を増やして教育の質を低下させたのである。教員志望者が減って人手不足になるのは当然の帰結である。

 いくら「子供が好き」「教育の理想に燃えた」方であっても、まず生活していかないといけない。いつまでも非常勤講師の待遇で将来の保証もない中でどうして働けるだろうか。人手不足になってしまうのは当然である。待遇さえよくすれば一気に人は集まるだろう。優秀な人材を集めるためにはそれなりの待遇を用意しないといけないのは当然のことである。教師志望者がみんな仙人なら話は別だが、オレのような守銭奴が教師になってる場合も多いのである。仕事に見合ったゼニがもらえないのなら働く意味がないじゃないか。

 なぜフィンランドの教育水準が高いのか。それはフィンランドでは大学院卒でないと教師になれず、しかも高給が保証されているために教職の人気が高いからである。そうした優秀な人材を集めているから高いレベルの教育が可能になるのだ。しかし日本ではどうか。公立学校の多くで教諭が減らされた分は非常勤講師で穴埋めされている。教員の平均賃金が下げられているのだ。そんな状況下でどうやってよりよい教育が可能になるのか。

 教育は国家の根幹に関わる事業である。その分野にこそ優秀な人材を重点的に配置して、未来の日本を背負う若者を育成しなければいけないとオレは思うのだ。ただ「子供手当て」をばらまいておけば勝手によくなるなんてことは絶対にないのだ。


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