江草 乗の言いたい放題
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2010年03月14日(日) やる気のない人はバレちゃいますよ!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 学校で生徒を見ていると、「やる気」のあるなしはすぐにわかる。集中力が違うからである。同じ時間で解ける問題の量が違うとかですぐにわかる。しかし、その「やる気」の度合いを数値化することはできなかった。その「やる気」の度合いを簡単に測定する機械がこのたび発売されることとなったのである。読売新聞の記事を引用しよう。

「やる気」家で簡単に測定、5月に発売
 東芝は、集中力の高さやリラックスの度合いを脳波から手軽に測定できる機器を5月に発売することを明らかにした。
 親が子どものやる気を確かめながら勉強に取り組ませたり、スポーツ選手が試合前に精神状態を安定させたりするのに活用できるという。
 ヘッドホン型の機器を頭に付けるだけで、センサーが脳波のデータを読み取り、無線でパソコンに送る。それを専用ソフトで分析すれば、パソコン画面上で、集中度や緊張度がメーターやグラフなどで分かりやすく表示される仕組みだ。価格は、専用ソフト込みで2万円前後になる見通しだ。
 東芝は、この機器をヘアバンド型にして、眠りの深さを調べることができる医療用装置も年内に商品化する。眠りが浅くて日中も眠気が消えないとされる「睡眠時無呼吸症候群」など睡眠障害の治療に役立つと見られる。現在、病院などで脳波を測定すると、長期間の検査の場合は費用が数十万円に上ることもあるが、東芝は新装置の価格を数万円前後に抑える方針だ。(2010年3月14日03時08分 読売新聞)


 こんな機器が発売されたらかわいそうなのは子どもである。勉強を不本意にもさせられている子どもが多い中で、これまではサボっていてもバレなかったのがこれからはそうじゃなくなるのだ。機器を装着され、親がパソコンで監視してるのである。そしてやる気が落ちればたちまち叱られることになるのだ。なんと哀れなことだろうか。

 学習塾や予備校もこの機器を導入するかも知れない。また高校と呼ぶよりは予備校と呼んだ方がいいような一部の進学校でも導入されるかも知れない。教室にいる生徒全員がこのヘッドホン型の機器を装着して一心不乱に勉強し、その集中力は教員の手元のパソコン画面に表示されるようになるわけである。これまでは目視によって発見していたものが、この機器を導入した後は簡単に画面で確認できるようになるのだ。生徒にとってはなんとも不幸なことであり、教師にとっては極めて便利なのである。

 我が子にスパルタ教育を課して東大や京大に入学させたいような親はこういう機器に飛びつくかも知れない。そして子どもたちにいっそう苛酷な勉強を強いるのだ。ある意味不幸なことである。そんなもので管理されたら子どもがかわいそうだとオレは思うのである。

 少なくとも義務教育段階というのは勉強は国民の義務である。小中学校の勉強もろくにわからんようなヤツが社会に出れば世間に迷惑を掛けることになる。最低限の読み書き計算は身につけさせないとだめだ。その教育を受けさせるのは親の義務であり、与えるのは国家の義務であり、学ぶのは本人の義務である。だから落第制というのは義務教育にこそ必要だと思うし、授業中は静かにするということができないヤツは幼稚園から上に上げないでもいいと思うのである。分数ができないヤツはずっと小学生でいい。(もっとも知的障害や学習障害などの場合は特別な配慮が必要だと思うが。)

 義務教育を終えた後、高校から先の勉強というのは努力するのもしないのも自由であるとオレは思うのだ。やらない自由もまた存在すると。もちろんやらなかった者はやらなかったことで発生するリスクも背負うわけで、やらないよりもやった方がいいに決まってる。だから高校には留年があるわけだし、単位が取れずに落ちるのは自己責任である。ただ世間には「オレは馬鹿のままでいい!」という信念を持った少数の馬鹿が存在するわけである。向上心そのものを否定し、そのまま馬鹿人生をまっしぐらに進みたいという困ったチャンがいるのだ。もしもこういう機器が導入されてしまうと、そういう人たちにこれまでは保証されてきた「勉強しないで馬鹿のままいる自由」が奪われてしまうのである。

 教室にいる生徒全員がこのヘッドホンを装着していて一心不乱に勉強させられ、、やる気のない生徒は罰として後ろに立たされるという哀れな姿をオレは想像してしまう。そして思うのだ。こんな機械で管理されることは本当に不幸なことだと。

 学ぶということは本来自由な行為のはずである。それがこうして管理され、頭の中味までチェックされてしまうような状況が好ましいとはオレは思わない。こんなもので管理された子どもたちが幸福なはずがないと思うのである。さて、最初にこの機器を導入する大手進学塾はいったいどこになるのだろうか。


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