2009年12月22日(火) |
ゼネコンはきちっと責任を果たせ! |
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建設現場ではつり作業を行い「じん肺」になった元建設作業員が、元請けのゼネコンを訴える訴訟を起こした。長年にわたって粉じんを吸い込み続け、それが30年〜40年という長きにわたったことが原因であるという。読売新聞の記事を引用しよう。
「はつり作業でじん肺」5億円損賠求め提訴
建設、解体現場でコンクリートを削る「はつり作業」で粉じんを吸い込み、じん肺になったとして、元建設作業員15人が21日、元請けの大手ゼネコン「竹中工務店」(大阪)や「大林組」(東京)など32社に計約5億円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。
訴状によると、原告は56〜75歳。1960年代から2004年にかけ、大阪や兵庫、京都などのビルの建設、解体現場で、はつり作業に従事し、全員がじん肺の労災認定を受けた。
原告側は「各社は、旧じん肺法が施行された60年頃には、はつり作業がじん肺の原因になると予見できたのに、防じんマスクを着用させるなどの義務を怠った」と主張している。
提訴について、竹中工務店と大林組は「訴状が届いておらず、コメントできない」としている。(2009年12月21日23時32分 読売新聞)
「防塵マスク」を着用する義務は労働者側にあったのか、あるいは元請けのゼネコンの側に着用させる義務があったのか。着用していると仕事にならなかったのか。まさかその解体の仕事を30年以上もするとは思わなかったのか。オレはこの記事からさまざまなことを考えた。ただ確かなことは、肺に重大な疾患を抱えて、働くどころか日常生活にも支障を来している方々が確かに存在するという事実である。少なくとも元請けのゼネコンにはその責任があるのではないか。今回の原告たちが所属していた企業はゼネコンの下請けや孫請けをする中小企業であり、賠償する能力もないのならば元請けが責任を負うべきなのか。元請けというのはその工事によって発生する経費の中でどの部分まで責任があるのか。もしも工事を請け負った下請けが手抜き工事を行って被害が生じた場合、元請けは責任があるのか。手抜き工事をするようなところに発注したことが悪いのか。
奇しくも同じ日の読売新聞にはこんな記事もある。
防じんマスク十分に機能せず、50万個回収指示
厚生労働省は21日、防じんマスク2製品について「排気弁が十分機能していない」として、約50万個の自主回収を輸入・製造会社2社に指示したと発表した。
自主回収の対象は、スリーエムヘルスケア(東京都)が輸入・販売した「8822A―DS2―01」(輸入数44万8560個)と、重松製作所(同)が製造した「DR33L」(製造数5万4481個)。(2009年12月21日23時21分 読売新聞)
その防塵マスク自体が欠陥品だったという。作業員たちはどうやって我が身を守ればいいのか。
オレは建設業界の中のことはわからない。だが、今回の原告たちが全員労災認定を受けているということは、少なくとも「はつり作業」という労働が病気につながったことが客観的に立証されていることは確かで、それ以上の補償を求めて今回の提訴が起きたのだろう。果たして責任はどこにあるのか。元請けなのか、監督官庁なのか。
もしもこの裁判で「我々の責任ではない」「補償の義務はない」とゼネコン側が突っぱねたとしたら、その時はその不人情な企業名を広く公表して欲しい。そんな利益優先の体質の企業は存在させてはならない。訴えられた企業の側の誠実さをオレは確認したいのである。
建設現場で数十年間働いたということは。日本の高度成長を支えてきた人たちだったということである。その苦労に対し、高度成長の恩恵を被って豊かな暮らしを得てきた世代である我々は敬意を払わないといけない。このような裁判の時、オレはいつもそのように思うのである。仮に裁判で補償金を得られたとしても、じん肺によって損なわれた身体はもう元には戻らないのだが。
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