2009年10月11日(日) |
「置き薬」がモンゴルで普及中です! |
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昔わが家には置き薬があった。長屋住まいだったわが家にあった置き薬の中には頭痛薬の「ケロリン」が入っていたことを覚えている。この「置き薬」というのは正式には「配置販売業」と呼ばれ、医薬品販売業の業態のひとつである。またこのスタイルは日本独自の医薬品販売の形態である。販売員が家庭や企業を訪問し、医薬品の入った箱を配置し、次回の訪問時に使用した分の代金を精算し、集金する仕組みである。配置した薬は、一般に「置き薬」(おきぐすり)と呼ばれる。
必要な時に薬があるというのはなかなか便利だったのだが、いつのまにか契約を延長するのをやめてしまっていた。きっと使いすぎて支払いが嵩んだからなのだろう。自分がまだ子どもの頃のことで、どういういきさつでやめたのかはわからない。
その「置き薬」という制度が日本財団の協力でモンゴルで普及しつつあるという。読売新聞の記事を引用しよう。
モンゴル遊牧民守る「置き薬」、普及活動が成果
モンゴルの医療・衛生を向上させようと、福岡県大牟田市出身の森祐次さん(55)(東京都国立市)が「置き薬」の普及に取り組み、成果を上げている。
使うのは現地の伝統医薬品。WHO(世界保健機関)に実績を認められ、東南アジアの国々も導入を始めた。森さんは「日本と現地の伝統を組み合わせたやり方で、発展途上国の医療衛生改善につながれば」と期待している。
森さんは1987年、日産自動車の輸出部門を退職後、NGOなどで海外支援活動に取り組んだ。日本財団の依頼を受けて2003年にモンゴル政府認可の公益法人を設立し、理事長に就任。財団から2550万円の助成を受け04年1月、現地スタッフら3人と一緒に、首都・ウランバートル周辺の3県で遊牧民ら2000世帯を対象に置き薬の普及を始めた。
薬箱に入れているのは、風邪薬や胃腸薬など12種類(1000円相当)。高価な西洋医薬品を配っても現金に換えられてしまう恐れがあり、現地の薬草を原材料とした安価な伝統医薬品にこだわった。
無償援助だと、支援が途切れた途端に事業が頓挫する恐れがあるため、代金を徴収する方式を採用。使用した分だけ代金を支払う「置き薬」の仕組みは、現金収入が少なく、薬を買いそろえる余裕がない遊牧民の現状にも合致した。
薬の補充と代金回収は、地元国立病院を拠点に遊牧民の世帯を往診してまわる医師二十数人に依頼した。04年12月に初めて、代金を回収したが、回収率は2割程度と惨たんたる結果だった。遊牧民が現金を手にする時期が、カシミヤや羊毛を売る4〜6月か、羊や牛の肉を売る10〜11月に限られている事情があり、12月は氷点下35〜40度の酷寒で回収作業が困難を極めた面もあったという。
このため回収時期を改め、医師に謝礼も払うようにしたところ、05年には回収率は8割に改善。06年以降は9割を上回った。活動範囲も広がり、05年からは5県約1万世帯に増加。協力する医師も約120人に増えた。バイクかジープ型車、馬を使い、1日で片道50〜80キロ離れた数軒に足を運び、約3か月かけて担当する地域を巡回している。
こうした取り組みの結果、医療施設から遠くに住む遊牧民への医師の往診回数が減少。活動前3年間と04〜06年の平均を比較した場合、往診回数は約2割減り、置き薬の効果が確認されたという。(谷口愛佳)
日本みたいな人口密集地とは違って、隣の家まで数十キロという土地での「置き薬」の管理は困難を極める。しかもこうした販売システムは日本人の異常なまでの律儀さに依存していた部分が多かったとオレは思うのである。それだけにもしもこの努力がうまくいっってモンゴルの社会に根付くならかなり大きなことだと思うのだ。
子どもの頃、突然やってくる風邪や頭痛、胃痛の時に置き薬に助けられたことはよく覚えている。またそこに入ってるのは日頃CMなどで流れてる薬の名前とは全く違う、聞いたこともない商品が多かった。
販売員の人件費や代金踏み倒しの可能性などを考えれば、もしかしたらその薬価は普通に薬局で買うよりも高めに設定されていたのかも知れない。そのあたりは比較のデータがないのでわからないのだが、もしも高かったのなら病弱だった自分は子どもの頃に両親にかなり負担を強いていたことになる。
この日本発の仕組み、発展途上国にどんどん普及していけば重症化を防ぐことができて医療費の削減にもかなり役立つだろう。そんなことをオレは思ったのである。ただ、わが家にはこうした置き薬はいらない。オレが薬を買うのは今はたいていインターネットの通販で、最安値をきっちりと検索して買うのである。
今、一般家庭に配布されている置き薬のセットにはどんな薬が含まれてるのだろうか。オレはそれを知りたいと思ったのである。販売されている価格もぜひ調査したいのだ。割安なのか割高なのか。割高ならどの程度なのかと。
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