2009年10月04日(日) |
何のための五輪開催なのかを教えてくれ! |
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2016年のオリンピックの開催場所がリオデジャネイロに決まった。東京は落選したわけだが、そもそもなんのための東京は五輪誘致に動いたのだろうか?何のためにやりたかったのだろうかとオレは考えるのである。大阪が2008年五輪誘致で北京に負けたが、もしも五輪開催ということになれば、舞洲、夢洲という大阪湾の埋め立て地が活用できていて開発が進むという理由だったと思うのである。つい先日、夢洲とWTCタワーやATCがある咲洲地区を結ぶ海底トンネル(夢咲トンネル)が開通したが、もちろんほとんど交通量はない。一日に1000台もないかも知れない。総事業費は1060億円である。このトンネルには道路部分と一緒に地下鉄の開通に備えて鉄道用のトンネルも付設されている。大阪市と国はそこまですでに投資してしまったのである。なんとしても大阪府庁を咲洲にあるWTCタワーに来てもらって、役立たずの土地を一気に生まれ変わらせたいというのは、すでにゼニを使ってしまった大阪市にとって必要なことなのだ。
東京都は今回「環境五輪」というスローガンを打ち出したが、あの大都市で五輪開催ということがそもそも環境に優しくないということがわかっていない。しかも大量の観光客が殺到することで東京の都市機能はかなり混乱するだろう。都民の中にはかなりの「五輪誘致反対派」が存在するのだ。住民が圧倒的に支持しているリオデジャネイロ市民の熱狂ぶりとは全く違うのである。東京都は反対する者たちを強引にねじ伏せて五輪開催を強行しようとしていたのである。
読売新聞の記事を引用しよう。
五輪落選、招致費150億円検証へ…再立候補は? 2016五輪
2016年夏季五輪招致で、リオデジャネイロ(ブラジル)に敗れた東京の石原慎太郎都知事ら招致委員会のメンバーは3日、国際オリンピック委員会(IOC)総会が開かれたデンマークのコペンハーゲンから帰国の途についた。
今後、20年大会への再立候補も視野に、敗因を分析する方針だが、総額150億円に及んだ招致費用の検証や会場予定地のあり方など、様々な課題も浮上する。
◆招致費用◆
「負けた以上、金の使い道を都民にきちんと説明しないと、示しがつかない」。東京の落選後、ある民主党都議はこう語った。職員の海外派遣や国内イベントなどにかけた招致費用のうち、公費が100億円も投入されているためだ。08年夏季五輪招致で、北京に敗れた大阪市が使った公費は約48億円。都はこの約2倍をかけたことになる。
招致レースが終盤に入った先月、ある都幹部は「赤字は何としても防がないと」と漏らした。招致費用が予算を上回れば、これを補填(ほてん)しなくてはならず、批判を招く恐れがある。招致委は、海外への職員派遣を絞り込むなど経費削減に努めたが、今後は都議会で、使途や最終的な使用額などについて検証が行われる見通しだ。
◆会場予定地◆
再立候補に意欲を示した東京だが、10万人を収容するメーンスタジアム建設を予定していた中央区晴海の都有地も、利用法が議論の対象になる。
今回の開催計画に沿って再挑戦すると、4年間は、この土地が“塩漬け”になる可能性がある。「議会で相当、考えないといけない」。石原知事も2日、現地でこう語り、課題であることを認めた。
◆求心力◆
「知事も都政も、最大の目標を見失った」。複数の都幹部は懸念する。
石原知事の任期は11年4月まで。2日の記者会見では、招致失敗の引責辞任を否定したが、今期限りの引退も改めて明言した。都幹部の間では、「残り1年半では、これまでのように大がかりな政策は打ち出せない」「求心力の低下は避けられず、再挑戦するにしてもどこまで推進できるか……」という声も上がる。(山崎純之介、石川剛) (2009年10月4日03時06分 読売新聞)
落選したことで無駄になった招致費用の150億円は具体的にどのようなことに使われたのか。長野五輪の時はその詳細が燃やされてしまうという許し難い犯罪があったが、今回はすべて詳細を明らかにしてもらいたい。そして必ずこうした時に出てくる、どさくさにまぎれてそのゼニをフトコロに入れた連中に対して責任をとらせて欲しいのである。 きっこのブログによれば、膨大な量の招致グッズが製作されて都立の中学や高校に配布されたが、それらの裁断、破棄が今度は指示されているらしい。いったいどこが環境五輪なんだと言いたくなるのである。
今回のメーンスタジアム建設を予定していた晴海の土地が4年間塩漬けになるという。開催されるということになればそこに10万人収容規模のスタジアムが建設される予定だったのだ。
オレは東京が落選したことはむしろよかったことだと思っている。もちろん失業率が上昇している今、雇用を確保するためにはこういう無駄遣いにこそ効果があると主張する方々も多いだろう。しかし、も実際に東京で開催することになればかかるであろう巨額の経費は入場料収入では決して取り戻せない巨額のものになるはずだ。収入がそっくり東京都のものになるのではなくて、かなりの部分がIOCにピンハネされてしまうのである。もうかってよろこぶのはIOCの幹部どもなのである。招致費用の中にはそうした連中にばらまかれたゼニもかなりあるだろう。4年ごとに繰り返されるこの招致合戦にたかることで莫大な収入を得ている委員たちも多いのである。
そうした茶番に対して抗議するためには「永久に開催国になど名乗り出ない!」と主張すべきだろう。もしかしたら将来、規模がふくれあがった五輪は開催国にとって引き合わないものとなり、どこも引き受ける国がなくなるかも知れない。ロンドン五輪で野球やソフトボールがなくなった理由は何か。五輪開催時以外役に立たない野球場やソフトボール場を建設することを拒否したかったからである。そんなものを建設したところで他に転用できないのである。ロンドン五輪でその種目がなくなったことで「日本がメダルの取れる競技が減った」と嘆く方も多いが、そもそも野球のようなマイナーな競技をオリンピックに入れてもらえたことを喜ぶべきである。
何のために五輪開催するのか。ブラジルにとって、今回のリオデジャネイロ開催は交通インフラを整備するいい機会だろう。新幹線の建設計画もあるという。外貨収入が少なくて原油を買うゼニがないので、国内自給が可能なエタノールでクルマを走らせているブラジルの方が、ある意味東京が提唱した「環境五輪」にふさわしい国かも知れない。
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