2009年07月20日(月) |
「盗られたら盗り返せ!」が大阪ルール |
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こんな事件が起きると必ず「また大阪か」「大阪は日本の恥」「大阪は治外法権」などという大合唱が起きるので、大阪に住むオレはあまり取り上げたくないのである。しかし、取り上げないなら取り上げないで「大阪をかばうために取り上げなかったのか?」などという罵倒メールが届くのである。そういうわけで公平にいろんなことを話題にすることを心がけるオレとしては触れないわけにはいかないのだ。産経新聞から引用しよう。
自転車盗まれた腹いせ、他人の自転車盗んだ教諭処分2009.6.19 21:06
このニュースのトピックス:企業・経済事件
自転車を盗まれた腹いせに他人の自転車を盗んだとして、大阪府教委は19日、大阪府吹田市の市立小学校の女性教諭(52)を同日付で停職3カ月の懲戒処分にした。教諭は「これまで3台の自転車を盗まれ、4台目も盗まれたので悔しくて腹立ちまぎれにやった」と話しているという。教諭は19日付で依願退職した。
府教委によると、教諭は4月10日午後10時ごろ、同府豊中市内の路上にとめてあった自転車を盗んだ。施錠された自転車の後輪を持ち上げながら運んでいる際に豊中署員に職務質問を受け、住所と氏名を告げたがすきをみて逃走。その後、1キロ離れた自宅付近で署員に発見され、占有離脱物横領容疑で書類送検され、不起訴処分となった。
教諭は同日午後7時ごろ、同市内の量販店で買い物中に自分の自転車を盗まれており「悔しかった」と話したという。
また、府教委はこの教諭の件について吹田市教委に報告しなかったとして、校長(55)についても19日付で文書戒告にした。
古いイタリア映画に「自転車泥棒」という作品がある。敗戦後の混乱したイタリア・ローマを舞台にしたモノクロの映画で、失業中の男がやっと職にありついたものの自転車が必要になり、質屋から出してきたその自転車をすぐに盗まれて途方に暮れ、最後は自分も自転車を盗んでしまうというストーリーである。しかし現代の自転車盗にはそうした哀感はない。盗む方も困っていてせっぱ詰まってということはないし、盗まれる方も面倒なので被害届を出さない場合もある。
ホームセンターで一台8000円くらいで新品の自転車が買えるのに、わざわざリスクを冒して盗む行為は全く経済的には引き合わない。捕まって失うものに比べて自転車の価格は安すぎるからだ。もっともオークションで部品を売りさばくことを目的に高級車を盗むのは別だが。
オレは大学生の時にサイクリング部に所属していた。自転車は4台所有していたが、その中で一番高いオーダー車は部品代だけで30万円を超えるシロモノだった。もしもそれを盗まれていたらショックで立ち直れなかっただろう。幸いオレはこれまでに一度も自転車を盗まれたことはない。いつも駐めるときは注意深く施錠しているし、危険な場所には最初から駐めないようにしているからかも知れない。もしも盗まれたら・・・そのときは警察に被害届を出して黙って待つだけである。ただ駐めている時に自転車にイタズラされたことはある。空気入れを壊されたり、ランプをもぎ取られたりである。そういうイタズラは結局犯人はわからなかったが、もしも判明したらオレは迷わずそいつを死刑にすることに同意しただろう。
もう20年以上も前のことだが、パチンコ屋に自転車で出かけた父が自転車を押して帰ってきたことがある。なんとサドルを盗まれていたのである。しかし、黙って帰ってきた父は大阪の人間にしては珍しい行動を取ったとオレは思っている。大阪のルールではそういう場合の対処は「他の自転車からサドルを奪え」だからである。そうしてサドルのない自転車が連鎖していくのである。信じられない話だが本当のことである。そういう盗人連鎖が当たり前という恐ろしい世界が大阪なのである。そういう現実がある中でオレは大阪の住民であることをとても恥ずかしく思っているのである。オレのような正義感の強い紳士は少数派なのだ。オレは明らかに大阪人として「異端の存在」なのだ。
「盗まれたら盗み返せ」という行動を取ったこの小学校教師、教師としてあるまじき行動だったことは間違いないが、大阪の人間としてはよくある行動をとったつもりだったのかも知れない。大阪のマナーの中にはよいものもあるがこのように明らかに間違ったものもある。今回の記事に登場する女性が小学校教師としてなすべきことは、「わたしは自転車を盗まれたけど、そういうことをする人はかわいそうな人だと思う。盗まれた人の心の痛みがわからないのだから」と生徒たちに自分の体験を語ることではなかったのか。
「不起訴処分」ということだから警察も常習性はないと判断したのだろう。ただ「依願退職」という形で教育現場から身を引くという責任を取ったことは正しいことだったと思う。少なくとも窃盗という犯罪ををしてしまった以上、教師という職業に就く資格はないし、そのまま職にとどまることは市民感情が許さないだろうから。
この教諭が3回も盗まれたというその自転車はどんな自転車だったのだろうか。今はやりの電動アシスト自転車だったのならかなり高価だからその落胆も想像がつく。それが一台1万円以下のママチャリならば、運が悪かったとあきらめて新しいのを買えよと思うのである。カギを破壊するのは簡単だし、自転車というのは本気で盗もうと思えばいとも簡単に盗めてしまう。自転車盗みの発生件数や発生率はその土地の治安状況のバロメーターになるとオレは思っている。そして、小さな犯罪であっても盗まれた側はきちっと被害届を出し、マンションなどの駐輪場に不審な自転車が放置されていれば住民は警察に通報し、駅などの放置自転車はちゃんと撤去させるべきだろう。
小さな犯罪を撲滅することは大きな犯罪を未然に防ぐために必要だとオレはいつも思っている。おそらく大阪の自転車盗認知件数は日本一なんだろう。そうした不名誉な状態を改善することが間違った大阪ルールを撲滅するために絶対に必要なのである。
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