江草 乗の言いたい放題
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2009年07月14日(火) オレはなぜ日記やブログを書くのか        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 最近は芸能人のブログというのが大流行で、どうせそこに行ってもたいした内容もないのだが、一日に200回以上更新したとかいう実にくだらないことを競っているのである。そんなものは一日に100回屁をこいた程度の意味しかないのである。確かに中川翔子タンはかわいいが、わざわざ時間をつぶして見に行くほどのブログでもないと思うのである。そんなブログが一日に何十万ものアクセスを稼ぎ、しっかりと書いているオレの日記のアクセスがせいぜい5000くらいしかないというのは実に理不尽な話である。どうすればオレの日記のアクセス数は増えるのだろうか。もしもオレが妙齢の美女ならば、恥ずかしい写真を載せて・・・という卑怯な作戦が使えるかも知れないが、中年のオッサンの恥ずかしい写真など誰も見たくないのである。もしもそんなものを見せたら抗議のメールが殺到するだろう。

 ただ、芸能人ブログが存在する理由というのは、そこでしっかりと宣伝してCDや本やDVDを売るためである。そうした物販用のバナーが必ずくっついている。そうした戦略をオレは否定しない。オレの日記にも物販用のバナーはくっついてるし、日記の下には大量の広告リンクが用意されているからである。違うのはその効果だけである。

 広告リンクよりももっと確実に金儲けする方法は、ブログの閲覧そのものを有料化する方法である。もしもオレの日記を読むのに一回1円かかるとすればどうだろうか?1円くらいなら払ってくれる方は多いかも知れないし、「あほか!」と怒って二度と読みに来ない方もいるかも知れない。たった1円であっても一日に約5000円、年間で180万円という金額になるのだ。日記のど真ん中に「喜捨をする」「お布施を払う」などというボタンがあって、そいつを押せば自動的に1円が書き手に支払われるような仕組みがあれば面白いかも知れない。

 人気のあった日記が有料化された例はいくつもある。 勝谷誠彦さんの日記がさるさる日記にあった頃、オレはいつも読んでいたのだがいつのまにか有料化されてしまった。だから今はどんなことを書かれてるのかさっぱりわからない。確かなことはオレにとって勝谷誠彦さんの日記は、わざわざゼニを払ってまで読みに行く価値がある日記ではなかったということなのだ。

 女優の新垣結衣のブログが9月1日から有料化されるらしい。驚くのはその会費である。なんと一ヶ月840円もするのである。自分のファンならこれくらいのゼニは払ってくれると思ってるのだろうか。確かに新垣結衣はかわいいが、そのファン層というのはオレのようなオッサンではなくて中学生や高校生が多いだろう。そんな年齢層にとって、月840円という金額はちょっと高すぎるのではないだろうか。いったい何人のファンが申し込むのだろうか。1万人集まれば毎月840万円のゼニが転がり込むのである。なんとおいしい商売だろうか。840円なんて大きなことは言わない。たった100円でいい。もしもオレが月会費100円の有料ブログをはじめて、会員が1万人集まればそれだけで月100万円、他の仕事をしないでそれだけで食べていけるのである。なんとも素敵な話である。仕事のストレスで潰瘍になって入院することもなく、試験の採点に疲れてへとへとになることもなく、ブログのための取材と称して全国の温泉を泊まり歩いては写真や記事をUPしてそれで食べていけるならもう最高である。全国津々浦々でオフ会をして遊び回れたらどんなに楽しいことだろうか。

 そんな夢みたいなことを考えたのだが、もしも有料ブログとなればもっと記事の内容はシビアになるだろう。今みたいにふざけた内容や単なる思いつきの与太話は許されないのである。つまり、ゼニを取る以上それだけの質が同時に求められるわけで、今のような自由さや気楽さは失われてしまうのだ。そんな状況で今みたいなレベルを維持できるだろうか。それはきっと無理だろう。物書きでゼニを稼ぐというのは大変なことなのである。いくらオレが多くのアクセスを稼いでも、しょせんアマチュアの書き手であってたまたま読んでくれる方が大勢いるというだけなのだ。

 オレはプロの物書きになりたかった。小説を書いて応募したこともある。みごとに落選した。年端もいかない小娘がオレの代わりにその賞を取っていてオレは落胆した。しかし、そうしてデビューした小娘たちがどんどん燃え尽きてしまい、駄作しか書けなくなったのを見てオレは脱力した。なぜなんだ。どうしてそんなチャンスを与えられながら、あんたたちはもっと書きまくらなかったのか。あんたの書きたいことというのはたったそれだけだったのか。オレの方が書きたいモノをいっぱい持っている。オレの書きたいことはまだまだ無限に頭の中に詰まっているのだと。なんでその賞はオレにくれなかったのかとオレは悔し涙にくれたのである。

 書くことでゼニが儲かるのは嬉しいことだ。しかし、ゼニにならないのにオレはずっと書いてきた。多くの時間とゼニを書くために費やしてきた。おそらくこれからも書くだろう。オレにとってこうして書くことは自分の存在証明みたいなものだからだ。

 パソコン通信の時代に存在したNIFTYサーブの掲示板#8、スピリットのコーナーの常連の書き手だったオレは、もっとも多くの人に読まれる掲示者、すなわち参照王だった。その狭いコミュニティの中では自分がもっとも面白い文章を書いているという自負があった。インターネットの時代となって、オレはパソコン通信という狭いムラ社会から飛び出して大海に小舟でこぎ出した。そこには無数の論客たちがいた。オレにとって、書くこともまた楽しみなんだが、いろんな意見を読むこともまた大いなる楽しみだった。こんなに面白い文章、興味深い文章がタダで読めるのか!とオレは感激しつつその世界にのめり込んでいった。

 そう、ゼニなんかとったらいけないんだ。そんなことをすると与える側と受け取る側という一方通行の関係になってしまう。そんな状況になっていったい何の楽しみがあるのか。オレは自分の書いたものを読んでくれる方と対等に向かい合いたい。他の方の書いたモノをどんどん読んでみたい。そして面白かったら面白かったと、感動したら感動したと、くだらなかったらおまえはアホかと、ちゃんと伝えたいしオレにも伝えて欲しいのだ。だからオレは日記の下にメールフォームを付けているし、掲示板をリンクさせているのだ。オレは自分の書いたものを通じて世界とつながりたいのだ。多くの人々と議論したいし、知識を共有したいし、どうすれば社会をよりよいものにできるのかということを考えていたいのだ。

 オレはこの日記を書き始めて7年近くになる。その間一日も休まずに更新してきた。これからもそれを続けるつもりでいる。できることなら死ぬまで毎日更新したいと思っている。なぜ書き続けるのか。それは書くことがオレの存在証明だからである。何も書けなくなる時というのはおそらく、オレの精神の死が訪れたときである。


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