2009年06月28日(日) |
燃料電池車はあきらめるしかないのか? |
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大人気で生産が追いつかないインサイトやプリウスのようなハイブリッド車は、将来に電気自動車や燃料電池車が出るまでのつなぎの技術だと言われている。電気自動車は三菱自動車や富士重工業から販売されることになったが、走行時に水しか出さないという究極のエコカーであるはずの燃料電池車の開発はかなり遅れている。いや、遅れているどころか退歩してるということが今回明らかになったのである。読売新聞の記事を引用しよう。
燃料電池車、普及さっぱり…197億投入したのに台数減る
総務省は26日、総務、経済産業、国土交通、環境の4省に対し、燃料電池自動車普及政策の改善を勧告した。
政府として2004〜07年度に総額約197億円を投入したが、03年度末に49台だった全国の普及台数は07年度末で42台と全く効果が上がっていないことを指摘した。
燃料電池自動車は、水素と酸素を反応させてつくった電気で走る車だ。走行時に二酸化炭素を排出しないことなどから、「次世代低公害車の本命」とされる。政府は10年度の時点で5万台普及を目標に掲げており、4省は基盤的な研究開発や水素充てん設備の実証試験、政府調達などに予算を投入してきた。
総務省は4省に示した政策評価で、「車両価格が極めて高く(1台約1億円)、燃料電池の耐久性がないなどの課題が解消されておらず、保有台数が増加しなかった原因を踏まえ、効果的で実効性のある事務・事業にすべきだ」と指摘。普及に向け、施策の定期的見直しなどを行うよう勧告した。(2009年6月27日00時19分 読売新聞)
記事によれば、2003年から2007年の4年間の間に燃料電池車は49台から42台へとむしろ減少しているのである。総額197億円を投入した効果が全く上がっていないのだ。やはり一台1億円とも言われる高価な燃料電池車はとても普及にはほど遠いということがよくわかる。そのゼニはいったい何に使われたのだろうか。もっともオレは2003年の時点で49台も燃料電池車があったということにかなり驚いているのだが。
他にも燃料電池車は克服しないといけない課題がたくさんある。燃料電池の電極には白金を使うが、これはかなり高価である。もしも100万台規模で燃料電池車が生産され、一台当たり80グラムの白金が消費されることになれば、世界の白金市況に影響を与えることは間違いない。レアメタルの高騰はそのまま産業に大きな打撃を与えることとなる。
水素をクルマに搭載するための貯蔵方式も、まだきっちりと確立されてるとは言えない。気体のまま搭載するわけにはいかないからだ。それからもう一つオレが心配するのは、水素を大量に搭載したクルマが衝突などの事故を起こした場合、その水素が爆発しないかということなのだ。もしもそんなことになれば大変な悲劇につながるだろう。そう考えたときに、果たして燃料電池車を開発するとにメリットがあるのだろうかと思ってしまうのである。
いくら燃料電池が無公害でエコであっても、工業製品として世に出すにはコストの削減が大事である。誰でもクルマに1億円出せるような社会なら別だが、今の価格では競争に参加できない。電気自動車のように購入補助を出すにしても、買わせるためには一台当たり9500万くらい補助金を支出しないといけないことになる。そんなことは不可能だ。そう考えると次世代のクルマはHV(ハイブリッド)車から電気自動車へという変化が待っているということになるのだ。
日本が先行していたこの燃料電池自動車の技術も、どうやら無駄な努力に終わりそうな気がしてならないのである。日産はHVをあきらめて電気自動車にシフトするようである。ではトヨタやホンダの「次の一手」がどう展開するのか、オレは野次馬としてしっかりと見届けたいと思うのである。
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