江草 乗の言いたい放題
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2009年04月08日(水) ファウルボールで怪我したから賠償しろ!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 野球を見に行けばそれはお約束なんだが、打球が観客席に飛び込んでくることがある。もちろん観客の中にはそれを上手に受け止める方もいれば、よけきれずにぶつかる方もいる。ホームランボールやファウルボールに対処するのは観客の一つの義務である。もしもよそ見をしていてボールが飛んできたことに気がつかずにケガをしたとすれば、それは観客の自己責任である。顔面に飛んでくれば、顔を手で覆うなり隣の人を盾にするなりしてなんとか自分の身を守ることを工夫するのが観戦者の義務なのだ。

 一度も行ったことのないオレには、楽天の本拠地のクリネックススタジアム宮城球場がどんな危険な野球場であるのかどうかわからない。ただ、その席から投手や打者が見えると言うことは、その席にまっすぐ打球が飛んでくる可能性はもちろんあるわけでそういう意味では球場の中のほとんどの場所は危険なのである。 

 ところがファウルボールでケガをしたから賠償金をよこせと球団と球場を訴えた方がいたのである。産経新聞の記事を引用しよう。

プロ野球観戦中にファウル直撃 男性が楽天など提訴 2009.4.7 17:08
 このニュースのトピックス:パ・リーグ
 仙台市宮城野区のクリネックススタジアム宮城で昨年5月、プロ野球の試合を観戦中にファウルボールが右目に当たり、失明寸前の大けがを負ったとして、宮城県大崎市の税理士の男性(47)が7日、球場を所有する県と球団を運営する株式会社楽天野球団に対し、約4400万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
 訴状によると、男性は昨年5月18日、同球場の3塁側内野席で家族と試合を観戦中、楽天の打者が打ったファウルボールが右目を直撃。右目眼球破裂とまぶたを切る重傷を負い、今年3月23日まで通院治療を行ったが、以前は裸眼で0・3だった視力が0・03まで低下するなど回復しなかったという。男性が座っていた席には防護ネットなどは張られておらず、ライナー性の打球がそのまま男性の目に当たる形になった。
 担当の弁護士によると、男性は「ビールを席の下に置いて顔を上げたら、目の前にボールがあった」と話しているという。
 楽天野球団担当者は「訴状が届いていないのでコメントできない」としたうえで、「チケットの裏には試合観戦契約約款として、ファウルボールなどに起因するケガには応急処置以上の対応はしかねるとの記載がある。打球が観客席に飛んできた際は笛を吹くなど、注意喚起は相応に行っている」と話した。
 同社によると、クリネックススタジアムではファウルボールなどによるケガはシーズン中数件起きているという。


 さて、この不幸な事故に関してオレは思うのだが、ビールを飲むにしても目を離すにしてもタイミングを選ぶべきだと思うのだ。ピッチャーが投球する瞬間というのは観客がみんなグラウンドを注視してる瞬間であり、そんな時にちゃんと前を見てないということは明かな自己責任である。

 ゴルフを見に行って、ボールが観客に飛び込んだからと賠償するだろうか。下手くそなプロの打った球はどこにとんでいくかわからないのである。テニスの試合で観客席に飛び込んだボールでケガをしたら選手が賠償しないといけないのか。そんな事例は聞いたことがないのである。バレーボールやバスケットでボールが観客席まで飛んでいってしまったらどうか。サッカーボールがスタンドに飛び込んだらどうか。そうした可能性をすべて排除するならば、観客を一人も入れない「無観客ゲーム」にするしかない。

 もしもこの訴えが認められ、賠償金が支払われるなんてことになれば、球場は観客ではなくて当たり屋のヤクザに埋め尽くされるかも知れない。ファウルボールが飛んでくればみんな我先に当たるのだ。そして「痛みが取れない」「休業補償だ」などと言いがかりをつけてゼニをとろうとするのである。うっかり当たったのかわざと当たったのかの区別は難しい。球団は巨額の賠償金に追われて経営が悪化していくだろう。こんな訴えがまかりとおればろくなことはないのである。まともな裁判官なら却下するだろう。しかし、裁判官には馬鹿が多いからわからないのである。

 さて、記事にあった事件の後、楽天球団は見舞金として30万円を支払ったらしい。それもオレに言わせれば不要なんだが、かなり良心的なことだと思う。ところがその見舞金では全然足りないと思ったのか、あるいは自分に正当性があると思ったのか、この税理士の男性は球団を訴えることにしたのである。

 もしも観客を保護するために防護ネットを必ず張らなければならないとすれば、観客席をすべて防護ネットで覆うことになるだろう。観客は「ネット越し」ではなくて試合を直接見たいのである。ところがこの訴えでは「防護ネット」の不備が事故の原因とされるのである。もしも完璧に安全な状況を作り出そうと思ったら、危険な観客席には人を入れず、観衆には全員、球場の外にある巨大スクリーンに映った試合を観戦させる以外に方法がない。いまはやりの「エキサイティングシート」とかいうファイルグラウンドの中に張り出した席はものすごく危険と言うことで撤去されるだろう。ついでにマツダスタジアムのBBQシートもあぶなすぎる。きっと観客は試合よりも肉を食うことに集中してしまうからだ。

 金本選手の打ったホームランの中にはライナーでそのままスタンドに飛び込むものもある。それが直撃してケガをすれば、阪神球団や甲子園球場のせいなのか?それは違うだろう。ちゃんとよけられずにケガをしてしまう観客にこそ落ち度があるのだ。

 観客が選手を撮ろうとカメラを構えていたとして、打球が直撃してカメラが壊れた場合、賠償してもらえるのか?そんなことあるわけないだろう。そんなところまでいちいち賠償する義務はないからだ。こうしたまるで「言いがかり」としか思えないひどい訴えをきちっと却下してやるのが裁判所の役目である。さて、果たしてどんな判決が下るのだろうか。


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