江草 乗の言いたい放題
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2009年03月08日(日) コアラのエサはなぜこんなに高いのか?        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 オレはコアラという動物に対して何の思い入れもない。この動物を「かわいい!」と思う人も大勢居るようだが別にオレはどうでもいい。そもそもオレは動物園という施設の存在に対して反対である。あんなところに動物を詰め込んで自由を奪って、それを見せ物にするなんて虐待以外の何ものでもないと思うからである。

 その動物園がビジネスとして成立していて、所有する自治体に大きな利益をもたらすのならば「ゼニのためなら仕方がないか・・・」と思うが、実際は赤字を垂れ流しているだけである。そんなことなら廃止してしまえと思うのである。大阪市なんか事業が次々とコケて借金のカタマリなのに動物園を維持する余裕なんかなさそうに思えるのだ。もちろん子どもの頃に天王寺動物園に行ったことのあるオレは、子どもたちの情操教育に一定の役割を果たすことを認めてはいるが、それでも市の財政を考えるとやっぱり、かなり無理してるなあと思うのである。

 その動物園の経費の中でも大きいのが動物のエサ代である。コアラのエサ代に関するこんな記事をアサヒコムで読んだ。

高い? コアラえさ代、年1500万円 天王寺動物園2009年3月8日0時32分
 1頭あたり年間1500万円ナリ――。大阪市天王寺動物園のコアラのえさ代をめぐって議論が起きている。外部から「少し高いのではないか」と相次いで指摘され、動物園側は頭を悩ませている。財政難の波が、ユーカリしか食べない人気者にも押し寄せている。 「ユーカリの栽培委託費は、もう少しコストダウンを考えられないのか」
 2月8日、個別事業について市の関与のあり方を議論する公開の場で、外部参加者が指摘した。これに対し、天王寺動物園の長瀬健二郎飼育課長は「全国7カ所で栽培しており、集約できない。輸送費がかさみ、コストダウンはなかなか難しい」と反論した。
 07年度市決算の外部監査でも、市がユーカリの栽培管理を委託している財団法人「大阪市スポーツ・みどり振興協会」に対し、「市と一体となって費用削減に取り組む必要がある」の意見がついた。拘束力はないが、長瀬課長は「財政難なので指摘はよくわかる。何とか努力したいが台風が怖くて栽培地の数は減らせない」と話す。
 同園は現在6頭のコアラを飼育。市はユーカリの栽培委託費として08年度予算で9200万円を計上し、09年度も同規模になる見込みだ。ほかの動物すべてのえさ代8600万円よりも高い。
 国内に自生していないユーカリは暖かい地域でしか栽培できない。しかも、台風の影響や収穫時期を勘案すると、数カ所に分散して栽培せざるを得ない。同園も大阪府(和泉市、河南町)のほか、沖縄、鹿児島、岡山、和歌山、三重の各県で、民間の森林組合や農家などと栽培委託契約を結んでいる。
 国内でコアラを飼っている9園のうち、沖縄、鹿児島以外の7園は、いずれも単純計算するとえさ代は1頭あたり1千万円を超える。ユーカリの主産地、鹿児島県で栽培歴22年の中野実さんは「遠くへ運ぶほど、費用はどうしても高くなる」。
 11頭いる鹿児島市平川動物公園では県内5カ所でユーカリを育て、年間約1900万円だ。「1頭あたりのえさ代は他の動物と比べ一番高い」と担当者。沖縄こどもの国(沖縄市)は1頭約30万円だが、できるだけ公有地を無償で借り受け、職員自らが栽培、収穫、運搬することでコストを抑えている。
 ただ、ユーカリなら何でもいいというわけでもない。コアラが食べるのは約50種類と言われる。コアラは生後約7カ月までは母の袋で育つが、その間の「離乳食」は母のフン。子は母が食べていたユーカリを主に食べるようになり、種類が違うと受け付けない。天王寺動物園でも十数種類を委託栽培している。
 一方で運営する自治体の財政は年々、厳しくなるばかり。埼玉県こども動物自然公園ではコアラが食べ残したユーカリをキリンやヤギに食べさせ、節約を試みている。
 コアラと財政難をどう考えるのか。人気動物投票で常にコアラがトップという名古屋市東山動植物園の橋川央・飼育研究主幹は「コアラを見たいと言う人がいる以上、ユーカリ確保にある程度のお金がかかるのは仕方ない。そこは運営する自治体などの考え方次第ではないか」と話す。(斎藤利江子)


 コアラがユーカリの葉しか食べないことは知っていたが、たかが葉っぱだと思っていたらそうでもないのである。こんなに高いと知って驚いたのである。以下に日本中の動物園のコアラのエサ代の一覧表を示す。




 さて、こうして並べてみると天王寺動物園の1頭あたり年間1500万円という金額は確かに高いが、もっと高いところもある。東京都の多摩動物公園では2300万円も掛かってるのだ。その一方で鹿児島県立平川動物公園は173万円、沖縄こどもの国は30万円と比較にならないほど安い。これはどういうことなんだろうか。オレにはユーカリ栽培農家がエサ代をぼったくっているように思えてならないのである。しかし、もしも農家に支払われてるエサ代がこれに比べて安いのならば、間に入ってる財団法人が中間搾取してエサ代をつり上げているということである。このあたりは調査してみると面白そうである。案外ニュースになったことで農家が「そんなにもらってないぞ!」と怒りだしたりして。財団法人が農家に丸投げしてるくせに、中間搾取はがっぽりという可能性も捨てきれないからだ。

 ほとんど緑のない大阪は日本で一番暑い街である。8月の平均気温は鹿児島よりも高いのである。そんなに暑いのになぜユーカリを栽培できないのか。ちゃんと工夫すれば大阪でも栽培できるはずだ。大阪の農家に協力を頼んで、6000万円のエサ代をせめて半分の3000万円に抑えられるように工夫できないのかと思うのである。天王寺動物園の園内に植えたらどうなんだろうか。園内緑化の一環として中でエサになる植物を栽培するということである。

 島根県にフォーゲルパークというフクロウをたくさん飼育している施設があって、そこでエサとして与えられてるのはヒヨコだった。オレは飼育係が隠しているエサの中味をこっそりとのぞき見して、血まみれのヒヨコがたくさん容器の中に入ってることに仰天したのである。こんな残酷なもの、とても子どもには見せられないと思った。ただ、肉食のフクロウのエサとしてヒヨコが活用可能ならば、卵を産まない雄のヒヨコはかなり安価に入手できるはずである。そのエサはなかなかの工夫だと思ったのである。

 オーストラリアではコアラのエサ代として年間にどれくらいかかるのだろうか。もしも空輸するのならもっと高く付いてしまうのだろうか。日本中のコアラを飼う動物園が共同購入すれば輸送経費も抑えられるのではないだろうか。そんなことをオレは考えたのである。一種類のエサしか食べないこうした動物を動物園で飼育するときに、何か他のエサで代用することは不可能なのか。ドッグフードみたいに固形化した「コアラのエサ」というものを作れないのか。もしもそういうエサを開発できれば日本中のコアラを飼う動物園にとって莫大な経費節減になるわけである。

 エサ代にこんな贅沢をしてるのは日本だけかも知れない。アメリカやヨーロッパの動物園がコアラを飼うときにどうしているのか。それも調べた上でもっとエサ代を安くする方法を考えるべきであるとオレは感じたのである。それにしてもあの珍獣が、そんなにゼニがかかる動物だったとは驚きである。

 追記:
 掲示板でエサ代の高さの理由についての指摘があった。委託先の団体の天下りの連中の人件費が高すぎるせいではないかということで、そのエサ栽培を委託されてるという財団法人「大阪市スポーツ・みどり振興協会」の事業会計報告書にリンクしておく。ここに大阪市の職員がどれだけ天下ってるのかはわからないが、表中の退職金引当金の金額の突出ぶりが気になるのである。役員報酬も過大である。そもそもこういう財団法人の役員にその報酬に見合っただけの仕事があるとは思えず、エサ代というのももしかしたら方を変えた公金の無駄遣いなのかも知れない。



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