2009年01月12日(月) |
待機児童をなくしてください |
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たまたま夜に見ていたテレビ番組で、日本初の24時間保育の認可保育所を運営する女性が紹介されていた。保護者の中には仕事の関係で通常の保育時間では対応できない方もいて、その場合は無認可保育所でかなり高額の保育料を払わなければならない。ところが認可保育所になると保育料がかなり安くなるのだという。月に8万円も掛かっていたのが1万円に減ったということが番組では紹介されていた。
希望する人がすべてそうして子どもを認可保育所に預けることができるならば、子育てをしながら働く母親の負担はどれほど軽減されるだろうか。しかし、希望しても保育所の定員に空きがなくて、順番を待ってるいわゆる「待機児童」が2006年4月現在で、全国に約2万人いるという。この中にはあきらめて無認可保育所に預けた数や、保育所に預けるのをあきらめた数は含まれない。だから待機児童の実数ははるかに多いのである。少子化によって子どもの数が減ればそれだけ保育所に空きができて待機児童の問題は解消するかと思われたのだが、実際はそうではなかった。子どもを預けて働きたいという親はむしろ増えているのである。幼稚園の中には子どもが集まらずに閉園するところがかなり出ているのだが、保育所の需要は逆に増しているのだ。
少し前の日記で、小さな子ども3人を抱えた母親が生活保護を受けていてそのもらったゼニをパチンコに使いまくり育児放棄していたことを取り上げたが、働かずにゼニだけもらえる仕組みは制度的欠陥であるとオレは思っている。もしもその母親にちゃんと仕事をしてもらって、そして3人の子どもたちは保育所で預かるということになっていれば、生活保護費を支給する必要もなく、働いていて忙しいのでパチンコに行く暇もなかったということになる。警察利権がからんでる上にパチンコ業界からの政治献金も巨額なので、今のクソ政治家どもはパチンコ屋を日本から追放する気は全くないわけで、この業界を壊滅させるためには人々のモラルを向上させ、そんな愚かな娯楽に行かせないようにしてパチンコ屋を自滅させるしかないとオレは思っている。この忌まわしい産業を消滅させる方法は唯一、教育以外にないとオレは思ってるのである。
待機児童をなくすことは、生活保護費として支給される金額の総額を減らすことにつながるだろう。そのために必要な金額はどれくらいなのか。仮に日本中に10万人の待機児童が存在するとして、そのすべてがやむなく無認可保育所に通ってるとする。一人当たり年間100万円の保育料がかかるとすると、総額で1000億円である。もっとも国が認可保育所を増やしていけば、今まで無認可保育所に入っていた子どもたちも認可保育所にシフトするだろうから、費用はもっとかかることになるだろう。それでもせいぜい3000〜4000億円程度であろう。たったそれくらいのゼニで、働くために子どもを預けたくても預けられないという問題はあっさりと解決するのである。
例えば東京都には独自の制度で「認証保育所」というのがある。設置基準が厳しい認可保育所よりも緩和された基準で設置しやすくする一方で、13時間以上の保育や0歳児保育などを行って都民のニーズに応えているのである。この仕組みによって東京都は待機児童の問題に対処してるのだ。もちろんまだ完全になくせたではないが。こうした工夫を全国に広げるとともに、保育料が安くなるように施設に公的補助を出せばいいのである。東京都の認証保育所にはA型(駅前基本型)とB型(小規模、家庭的保育所)の2種類があって、利用者のニーズに応えているのである。なぜこんな制度を全国規模で広げられないのか。
日本中に保育所を20万人分増やすとする。子ども10人あたりに保育士が1人必要と考えれば1万人、そして24時間保育と考えればその3倍、ということで3万人というのはかなりおおざっぱな計算だが、仮に新規雇用される保育士が5万人と考えればかなり各施設に定員の余裕が生まれるだろう。そうすればミスマッチ、つまり自分の住んでる地域や便利な場所に空きがないとう事態がかなり防げるのではないか。
5万人に年収400万円を保証するとすれば2000億円、これもたいした金額ではない。やってもおそらく全く効果はないとオレが考えている定額給付金2兆円なんかに比べてはるかに少ない金額で、はるかに働く人々の役に立つことができるのである。保育士の資格を持ってる人は世間にいくらでもいる。私立の幼稚園には若い女の先生が多いが、10年も働かないうちにどんどん入れ替わっていく。結婚する場合もあるが、長く勤められて給料が上がって欲しくないから早く退職するように仕向けてるのだろう。40代50代の女性で、保育士の資格を持つ方はかなりいるはずである。だから新規雇用するにしてもいくらでも人材は眠っていることになる。65歳以上の高齢者を保育士として雇用することができれば、定年退職後の再就職の場として活用できる。
この政策のために必要な予算が5000〜6000億円ということになるわけだが、もしも実施すれば母子家庭で生活保護を受けている世帯の保護費を減額できる。年間3兆円近い保護費のうち、一割でも削減できるならこの予算の半分は捻出できることになる。そしてこの政策がもたらす経済効果はかなり大きなモノになるはずである。
政府がこの政策を大々的に発表すれば、民間企業の中にはそれを大きなビジネスチャンスと見て参入してくるところがあるだろう。介護事業に力を入れている「ワタミ」なんかが全国チェーンの保育所経営に乗り出してくるかも知れない。競争が起きればサービスも向上するはずである。利用者の利益につながることは間違いない。麻生太郎の2兆円バラマキよりもよほど意味のある政策である。景気回復のためになりふり構わず何かをしなければならないときに、こんなアイデアをどうして政治家どもは思いつかないのだろうか。オレはそれが不思議なのである。きちっとした経済対策を行って不況から脱出させ、リストラされた派遣社員や失業者たちを救うことよりも、間近に迫ってきた選挙で自分がいかにして当選するか、つまり私利私欲のことしか考えていない連中が政治を動かしてるのである。国民にとってこれはなんと不幸なことなのだろうか。
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