2008年10月16日(木) |
クルマは小さいことにも価値がある! |
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どうしてクルマというのはモデルチェンジのたびに少しずつ大きくなるのだろうか。これはオレが長年感じてきた疑問だった。年々人間が巨大化してるわけでもなく、道路が広くなってきてるわけでもない。それなのになぜクルマをでかくするのか。今や車体幅が1.7m以下のクルマはごく一部の小型車に限られ、町を走るクルマの大半が3ナンバー化しようとしてるのである。オレの家の近所には狭い道が多く、軽自動車なら簡単にすれ違えるが普通車どうしならちょっと面倒なところも何カ所かある。何よりもオレの使ってる車庫が問題だ。あまり幅の広いクルマを入れるとドアが開かなくなってしまうのである。そういうわけでオレは大きなクルマに乗ることができなかったし、自分でも欲しいとは思わなかったのである。
大学生の時にオレが最初に買ったクルマである いすゞジェミニは、車幅が1590ミリしかなかった。オレは後部座席に乗るなんてことはなかったが、きっと狭かったのだろうと思う。しかしその大きさでいったいどんな不便があるのだろうか。今の小型車のセダンでそんなに幅が狭いのはない。どれも5ナンバー枠ぎりぎりまで車幅を拡大している。その方が衝突安全性を高められるのかも知れないが、オレはどうも納得いかなかったのである。小さくて軽いクルマをオレが愛するのは、最初に乗ったクルマがジェミニだったことと大いに関係があるだろう。
さて、巨大化、大排気量化という世間の流れに対して逆行するクルマをトヨタが作ってくれた。オレはトヨタというメーカーは好きではない。だからこれまでトヨタ車を所有したこともない。しかし、今回発表されたIQは、年をとったら買ってもいいかなと思ったのである。4人乗れる最小の大きさというものを追求したその試みをオレは支持したいのである。
リッター23キロ、トヨタの超小型車iQ発売へ 2008年10月15日22時42分
トヨタ自動車は15日、全長3メートルを切るトヨタ車で最小の新型車「iQ(アイキュー)」を11月20日に国内で発売すると発表した。斬新なデザインで軽自動車や欧州輸入車との差別化を図り、ガソリン高を背景に高まる小型車需要を取り込む戦略だ。
渡辺捷昭社長は千葉・幕張の発表会で「全く新しい市場を創造する車。我々の使命である環境やエネルギー、安全に配慮した車づくりの一環だ」と述べた。
排気量1.0リットルで、希望小売価格は140万〜160万円(税込み)。ガソリン1リットルあたりの走行距離は23キロと、トヨタ車ではハイブリッド車のプリウス(33〜35.5キロ)に次いで燃費が良い。
iQはトヨタ最小の専用車台を使ったのが特徴。通常は車両後部に置く燃料タンクを前列座席の床下に移して全長を短縮し、小回りが利くようにした。エアコンの体積も2割近く圧縮して助手席の足元を広くし、大人3人と子ども1人が乗車できる。後部座席に乗る人の頭を追突から守る世界初のエアバッグを含む9個のエアバッグで安全性能を向上させ、競合する軽自動車や、全長3メートルを切る独ダイムラーの超小型車「スマート」に対抗する。(福田直之)
追突時に後部座席の人を守るエアバッグなどこれまでになかった安全装備もあるという。全長3m以下のクルマとしてはこれまで「スマート」があったが、そっちは確か二人乗りだったはずだ。こんなに小さいのに4人乗れるというところがすばらしいのである。
自分一人しか乗っていないのに、ばかでかい鉄のかたまりを移動させて無駄に化石燃料を浪費する愚行を世界中の人々が続けてる。少しでもその愚行をやめさせるためには、一人乗りに適した小さなクルマを世界に普及させて、平均的な燃費を下げていくしかない。しかし、小さなクルマは価格が安く設定される。同じ一台を売るのならできるだけ大きくて高いモノを売った方がクルマ屋はもうかる。各メーカーがいいスモールカーを開発したくなかった背景には、その結果自社の大きなクルマからの乗り替えが進むとで利益が減少するからというせこい理由があったのだろう。しかし、地球温暖化が加速する中で二酸化炭素の排出量の削減などに本気で取り組まなければならなくなった時に、トヨタがこうして方向性を示してくれることに対してオレは敬意を払いたい。大きなクルマを販売して手に入る利益よりも、儲けは減ってもこれからは公共性を重視したクルマ開発が求められるということにやっと気がついてくれたのだろうか。
この新型車のIQ、機会があればぜひとも試乗してみたいと思ったのである。オレが今のクルマを廃車にするころにはホンダや日産も対抗してスモールカーを出してくるだろうか。そうして選択肢が増えるのは大歓迎である。
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