2008年10月06日(月) |
間違った教育政策が日本をダメにした! |
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オレはこの日記の中で以前から増えすぎた大学をつぶせと言うことを訴えている。大学の質の低下が大量のニートややる気のない若年労働者を産み出すだけではなく、そんな大学に補助金が支出され、そして授業料などの負担でその親たちも貧しくなるという悪循環が発生してることを指摘してきた。現在の状況は文部科学省の間違った方針の結果もたらされたものであると。
しかし、そのきっかけはいったいどこにあったのだろうか。どこから間違った方向に進んでいったのだろうか。オレはずっとその理由を探っていた。そして到達したのは今から40年近く前の教育政策が原因じゃないだろうかという結論なのだ。大阪で黒田、東京で美濃部という革新知事が誕生し、「15の春を泣かせない」などというスローガンで全日制普通科の公立高校を増設しまくったことが根本にあったのではないかとオレは思うのである。高校の中味が圧倒的に全日制普通科によって占められている状況が、多くの不勉強な大学生とニートやフリーターを作り出したのではないか。なぜ工業科や商業科という部分の定員を50%くらいで維持しなかったのか。普通科が大学進学を目的とするコースならば、その定員というのは大学進学率プラスアルファ程度で十分である。職業科と普通科はその目的が違うのである。そのことを理解せずに普通科の方が職業科よりも上だという変な偏見を持って、レベルの低い生徒が大量に入る普通科を粗製濫造したのだ。その結果、全日制普通科は高校の底辺を支えることになり、そこではかけ算や分数ができないどころか、教室で落ち着いて授業を受けることすらできない動物園のような状況が生まれたのである。もはや学校とは言えないような荒廃ぶりだったのだ。最初から職業教育に徹していればこんなことにはならなかっただろう。
職業科の卒業生が就職の現場に来なくなった。その結果、日本の産業構造を支える製造業に人材が入ってこなくなったのである。だから現場ではブラジル人が働いていたり、中国から研修生という名目で雇ったりしている現状がある。なぜそういうことになってしまったのか。製造業の現場を希望する優秀で勤勉な若者が相対的に減少してしまったからである。
商業科の卒業生が減少した分は短大や専門学校へとシフトされた。本来高校でやれたことが2年間後に引き延ばされ、親たちは余計な教育コストを支払うことになり、就職する年齢の上昇は女性の晩婚化を加速した。もっとも晩婚どころか結婚しない人がどんどん増えるということまでは予測されていなかったのだが。商業科の卒業生女子が大企業の一般職という形で大量に雇用され、20代半ばで結婚して退職していくことで男性はその中から結婚相手を選ぶことができたのだが、就職時期が遅れることで結婚年齢が上昇しただけではなく、全体の人数が減ってしまったのである。
高校の定員の中で一定割合の職業科を確保することが、日本の産業構造を維持するために必要だったのではないか。大学卒のホワイトカラーだけでは企業は維持できない。多くの現場で働く従業員が必要なのである。工業科を卒業して製造業に入ってくる若者を正社員として待遇し、定年までの雇用を保障して安定した生活を約束することが必要だったのではないか。正社員を減らして期間工や偽装請負に置き換えて行くことがコスト削減の上手な方法とされ、その手法で業績を伸ばしたCANONのようなやり方がモデルとされている今の企業のあり方は根本的に間違っているとオレは思うのだ。しかし、その状況を生み出したのは間違った教育政策であり、公立高校の定員配分のミスから始まったのだとオレは思うのである。普通科を希望する生徒が多くても、能力で制限すべきだったのだ。大学受験という可能性を限定することで大学生の質も維持できたのである。
なぜ高校教育が崩壊したのか。進学校と底辺校の二極分化が進んだのはなぜか。それは本来大学受験という厳しい勉強に耐えられないレベルの生徒に大学進学用の普通科のカリキュラムを与えているからである。生徒の能力や適性に応じて適切な職業科のカリキュラムを与えていれば、もっと学習内容への興味をひき出すことも可能だったはずだ。受験時に競争の存在しない最底辺の大学に進学する学生たちというのはほとんどが高校の学習内容を身につけていないままである。もっともそれはある程度レベルの高い大学でも同様で、国立大学の中にも高校内容の補講を実施してる学部もあるという。大学からしてみれば全く迷惑な話である。
粗製濫造と言えば大学院の定員増もそうだ。就職のあてのない大学院生が増加し、新たなニートやフリーターを産み出すのである。かといってその就職先の大学というのは、およそ大学とは呼べないニート養成所やレジャーランドだったりするわけだ。研究者が足りないからと大学院の定員を増やしても優秀な人間が増えるわけじゃないだろう。どうして後先考えずに定員増を認可するのか。
資源のない国である日本は、原材料を輸入して優秀な製品を輸出し、その利益で豊かになっていくことしかできない。それが日本の国策であり、教育政策もその方向に沿って行われるべきものであったはずだ。ところが現実には大きく失敗してしまった。高校の職業科を減らした分を、高校を卒業してから入学する専修学校や短大で補おうとしても、高校で3年間遊び倒して「ヘタレ」になってしまった人材はもはや使いものにならなくなっていたというのが現状ではないのか。こうした間違った教育政策は若年労働者の質の低下をもたらしたことは明らかであり、それは日本の産業の根幹を揺るがす問題ではなかったか。教育政策のトップにいる連中はそのことに誰も気づいていなかったのかとオレは驚くのである。
ただの暴言コラムを書いているオッサンであり、とりあえずは日本の教育政策の末端をになうものの現実にはたいした貢献もできていないオレがここで偉そうなことを書いたとしても説得力はないが、少なくともオレがここで書いてるような指摘はこれまでほとんどされてこなかったのではないか。高校を普通科ばかりにしたことが今の大量のニートやフリーターを産み出し、労働市場のミスマッチという構造不況の原因を産み出していることになぜ文部科学省の連中は気づかないのか。もはや手遅れなんだが。
今現実的にやれる改革というのは、普通科のカリキュラムに自由度を高め、中味が職業科のようにしてしまうことだろうか。大学進学率の低い普通科高校でしっかりとした職業教育を行い、少なくともそこがニートやフリーターの発生源にならないようにきちっと就職させることが必要ではないか。
こんな大きなテーマのことをこんな短い文章で語ることは不可能なのだが、オレは今の間違った状況を産み出した連中の責任を問いたいのである。おまえらのお馬鹿な決定のせいで日本がどんどんだめになっていくじゃないかと!
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